ゲーム音楽完全楽譜化プロジェクト第一弾「アクトレイザー コンプリートスコア」 キックスターター達成! その制作理念に迫る。

シェアする

過去に発売されたゲームの音楽を、ピアノやオーケストラ用に編曲された楽譜ではなく、元の楽曲をそのまま完全楽譜化するという新しい試み「VGM Complete Score Seriesプロジェクト」が立ち上がった。
これは公式の原典を存在させることによって、自ら演奏して楽しむための編曲やDTM用の資料、さらにはスコア研究といった分野に発展させていくだけでなく、ゲーム音楽をより身近なものにし、芸術としての理解も同時に高めていこうというチャレンジだ。

本プロジェクト第一弾「アクトレイザー(SFC)コンプリートスコア」がキックスターターで始動すると、その理念や作曲者である古代祐三氏の完全監修といった制作側の体制も話題となり、多くのファンの注目を集め、開始より3日と3時間というスピードで目標金額を達成した。

キックスターター 公式サイト


『アクトレイザー』といえば、1990年12月16日に発売されたスーパーファミコン用ソフト。アクションモードとクリエイションモードを融合させた傑作だ。

「自然なオケ楽器の音だーって感じで、アクションシーンへ入るデモ(ぐるぐる回るやつ)のBGMラスト、ラッパの『ぺぽぺ〜』が好き」(編集部かややん談)

編集部でもニンドリ本誌の連載「古tion」コーナーで取り上げるほど、思い出のタイトルにあげる人間も多く、Wiiのバーチャルコンソールで配信されたときには嬉々として遊んだものだ。

バーチャルコンソールの公式サイトより(クリックで飛びます)知らない人はチェック!


こうした往年の『アクトレイザー』ファンの心をもがっちり掴み、初めての挑戦はいったんの成功となった。


ゲーム音楽をそのまま楽譜として保存し、残す。

上記のサイトには、楽譜を残す意義について、代表の市原氏がその思いを綴られている。
ここではその一部を紹介しよう。

「ゲーム音楽という概念が誕生してまだ半世紀も経過していません。そのごく短い期間で、一生かかっても聴ききれないほどの膨大な数の楽曲が作られ、忘れられていきました。登場初期からしばらくの間は軽んじられ、ゲーム音楽は音楽ではないとまで言われることがあったジャンルですが、中には高い水準で製作され、純粋に音楽として鑑賞するに値する作品が数多く存在しています。」

ゲーム音楽はゲームの中で鳴らすことを目的とした音楽であり、演奏を目的とはしていませんでした。そのため、楽譜が発売されることはほぼありません。ピアノ等に向けて編曲された楽譜が出ることはありますが、それも限られたゲームのみで、後世にも伝わり、演奏が続けられるほどの本格的な楽譜が出版されているのは、すぎやまこういち氏の「ドラゴンクエスト」シリーズくらいといえるでしょう。
そこで、ゲーム音楽を一つの音楽作品と捉え、楽譜としてアーカイブしていくという目的を掲げるのが本プロジェクトです。」


さらに今回、NDWでは市原氏と楽譜の監修を行う古代氏プロジェクト達成した現在の心境などを綴っていただいた。


市原雄亮 指揮者。 主にオーケストラでクラシック音楽の指揮を行う。それと並行し、日本のゲーム音楽プロオーケストラ「新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団(NJBP)」を組織し、代表、指揮者として活動中。

「40日以上の期間でどうにかと考えていたものでしたので、まさか3日で達成出来るとは予想だにしませんでした。
本当にありがとうございます。公開後の反響の大きさには非常に驚きました。
まだファンディング期間は終わっていませんので、どうか夢であってくれるなと思っています。
アクトレイザーを第一作とさせていただいたのは、ゲーム音楽の歴史上、重要な作品であると確信しているからです。
楽譜として後世に残せることは意義のあることだと思っています。
完成はまだ先になりますが、楽譜の出来上がりをどうか楽しみにしていただければと思います。」


古代祐三 作曲家。ゲーム音楽黎明期から一線で活躍し続けている第一人者。作曲された『ベア・ナックル』の「ラウンドクリア」が人類史上初めて宇宙に向けて発信されたゲーム音楽となる。

「アクトレイザーは、私がゲームミュージックで初めてPCMを使った作品であり、また同時にオーケストラ調の音楽を書いた最初の作品です。
当時はこんなに末永く聞いていただけるとは夢にも思っていませんでした。
プログラマーの橋本昌哉さんとともに先進的なミュージックドライバーをいち早く作り上げたことで、スーファミ発売後間もなくあのサウンドを実現できました。
自分のゲーム音楽歴において大きなターニングポイントでもあったと思います。
ファンディングに関しては市原さんや支援いただいた皆様への感謝しかございません。
誠にありがとうございました。」


ファンディング終了まであとわずかとなったが、最初の目標は達成したとはいえ、市原氏の目指すゴールはまだ遠い。

『アクトレイザー』を愛する多くの人、そしてその先の未来に興味がある人は、ぜひ一度サイトを訪れて、市原氏の描く理念に触れてみてほしい。

トップへ戻る