開発秘話がいっぱい! 『嘘つき姫と盲目王子』原画展&トークショー詳細レポート

絵本のような絵柄と愛しくて切ないシチュエーションが魅力の日本一ソフトウェア『嘘つき姫と盲目王子』。

このゲームに使用されたイラストや設定画などを展示した『嘘つき姫と盲目王子』原画展が、現在、東京の表参道にあるGoFa展示会場にて開催中です。

そして今回お伝えするのは、7月28日に同会場で開かれたトークショーの模様です。

これは本作を企画し、キャラクターデザインも手がけた日本一ソフトウェアの小田沙耶佳さんが、直接『嘘つき姫と盲目王子』のデザインや開発中のエピソードを語るイベントで、これを見たいという多くのファンが事前の申し込みに殺到したとか!  4倍以上の低い当選率をくぐり抜けた40名強のお客さんで会場はぎっしり!

イベント中だけ、中央の展示を避けてたくさんのイスが並べられました。立ち見の方も!

というわけで、トークショーで語られたすべての内容を・・・というわけにはいきませんが、できるだけたくさん、興味深かった内容の一部をお伝えしていきますよ!

会場入口すぐにある原画展ポスター。少し左上のあたりをよく見ると・・・

小田さんの直筆サインが書かれています。会場へ行った際にはぜひチェックしてね!

話題は『嘘つき姫と盲目王子』の企画が生まれたお話から(以下話題を並べていきます)。

●日本一ソフトウェアで年に一度開かれる「日本一企画祭」の第5回で小田さんが出した企画。これが最終選考を通過し、ゲーム化が決定。

●小田さんがその前の第4回で出した企画は最終選考で落ちてしまったが、日本一ソフトウェアの新川社長より「この雰囲気と物語性を大事にして、絵本として出版したらどうか」と言われて“びびっ”ときたのが『嘘つき姫』のきっかけ。

●小田さんは元開発部、現在は営業部でWebを担当。「やっぱりゲームも作りたいので、ここで失敗したらもう作れないと思って、一所懸命たくさん描きました」

●企画当初には狼と王子の“仲良し度”でストーリーが変化するという構想もあった。

●学生時代は絵本作家になりたいと思っていたこともあった。

●デジタル絵はてんでダメ。細い線をたくさん描く絵が好きだった。

●本作で大切にしていたこと。絵本的な表現を徹底すること。小田さんにとっては、手描き調、そして朗読が「絵本」だった。

●本作の絵を描くとき、紙と画材をギリギリまで悩んだ。発色のいい紙にするか、それとも線がキレイに描ける紙か、など。メインビジュアルも構図は同じで異なる紙のバージョンがある。線がよく見えるバージョンはボツにしました(会場でそのイラストを紹介)。

●「メインビジュアルはとにかく目をひくイラストで」と言われていたので、カラー部分の月と花畑は黄色の1色のみにして視線を集める絵にしている。「ゲームでは黄色の花畑は出てこないのですが(笑)」

●販促用のポスターでは、会社としても紙や発色をいくつも試すなど、絵を生かす工夫をした。

●近藤玲奈さんの朗読を収録にも立ち会わせていただいた。「もうちょっと○○な感じで」といった注文にすぐ対応できる声優さんはすごいと思った。

●音楽を担当された志方あきこさんは以前から小田さんも好きで、民族的な音楽が好きになったのも志方あきこさんの影響。

※もうちょっと続きます。

ファンのみなさんから届いた質問にも、小田さんが答えていました。

Q:イラストを描くにあたって一番こだわっていることは何ですか?

A:基本モノクロの線だけで完結する絵にすること。そして線で魅せること。色はあくまでおまけ程度の気持ちで、テーマカラーを全体において一体感を出すことを意識しています。

Q:好きな画材はなんですか?

A:ボールペン、ミリペン、つけペンなどの細かいモノクロの線が描けるペン全般が大好きです。水彩はしっかり触り始めたのはここ1~2年くらいです。なのでカラーイラストはほぼ「嘘つき姫」とともに歩んで成長してきたなぁと思います。

Q:『嘘つき姫と盲目王子』のストーリーを本物の絵本にして制作する予定はあるでしょうか?

A:今後嘘つき姫が絵本をはじめ、様々な展開ができるかどうかは皆さまの応援にかかっています。是非新品のゲームが売れるように宣伝と応援をお願いいたします!

Q:先生の1番思い入れがあるシーンを教えてください。

A:ラストシーンでしょうか。シナリオは終盤、担当を分担してプロットに肉付けや手直しをしていたんですが、ラストシーンはやっぱり小田さんじゃないと…ということで任されました。そのシーンに入り込み、キャラクターと同調する勢いでシナリオを書いたので感情移入しすぎて目を潤ませながら書いたのを覚えています。

自分がテキストを加筆するとどうしても女性的というか優しい表現がクドくなる傾向にあったのでよく修正されたんですが、ラストシーンはその柔らかく優しい表現はほぼそのまま採用してもらえて嬉しかったなぁって思います。

と、こんな感じで1時間あまりの充実したトークショーでした。

小田さんは「緊張してしまって何も言えなくなりそうだったので、話すことは全部原稿にまとめていたんですよ。全部で9000字あります!」と教えてくれました。

それから最近のニンドリも読んでくれていて、読者のイラストコーナー「ドリキン」の『嘘つき姫と盲目王子』イラストも見てくれたって!

『嘘つき姫と盲目王子』原画展は、好評につき期間を8月11日(土)まで延長して開催中。トークショーはないけれど素敵な原画が100点近く見られます。この原画、小田さんのイラストはほぼ手描きなんですけど、間近でみるとその線の細かさにジーンと来ましたよ。それからすごいなーと思ったのが、どの作品も修正した跡がまったくない!  普通、これだけ多くの線を描いていたら少しくらいはみ出してしまって、ホワイトで修正すると思うのだけど、まったくそんな跡が見当たりません。
そんな原画の魅力が見られるのもあとわずか。夏休みのおでかけにオススメします!

■『嘘つき姫と盲目王子』原画展

■8月11日(土)まで。月曜定休。(月曜日が祝日の場合はやってます) 12:00〜18:00

■会場:GoFa(Gallery of Fantastic art)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル2F

■入場料金:600円(込)

嘘つき姫と盲目王子 原画展開催のお知らせ(公式)

会場限定のトートバッグやアクリルキーホールダーなどのグッズも販売。
そのコーナーには、敵だけど何かかわいい“たぬき”もいます

最初の企画時に描いたという1枚。すでに狼と王子の切ない関係が完成されています

この原画展のために描き下ろされたイラスト原画も見られます。
※来場者だけのお楽しみにつき、イラスト中央部が見えないよう加工しています

トップへ戻る