バディミッション BOND 開発者インタビュー #4 サイドエピソード

個性のぶつかり合い!! 濃ゆい4組のバディコンセプト

<h3″>おいしいごはんとあったか〜い絆 癒しの飯テロバディ
ルーク&モクマ

杉原 ルークとモクマは「このふたりのバディで、どんな話を読みたいか」という雑談をチーム内でしていた時に、あるスタッフが「楽しいテーマのある話がいい。グルメ漫画みたいな」と言ったのがきっかけで、今の方向性になりました。毎回おいしいものを食べて、詳細にレポートする。「うまーい!」は、ルークの代表的なセリフになったかと思います。ルビーパーティーは、どのタイトルでも、食べ物の描写には大変こだわってきたので(笑)、その長所を活かせたバディだなと思います。  距離が縮まりそうで縮まらないところがバディとしての個性であり、長く続いていく絆のひとつの在り方だと思っています。

互いの強さをリスペクト! さっぱり風味の気ラクな友情バディ
アーロン&モクマ

杉原 イメージは海外ドラマのバディもので、さっぱりした友人関係を描いています。モクマはアーロンの直情的なところを好ましく思っていますし、アーロンも初めからモクマの強さに一目置いており、(アーロン的には)好意的な態度で接するので、シンプルに仲が良いですね。 どちらも勘が鋭いキャラクターですが、必要以上に相手に踏み込まないタチなので、一緒にいて一番ラクなのではと思います。互いに一線を引きつつも相手を思いやり、いざという時には相手の背を押したり引き上げたりできる、理想的な友人関係です。

仔犬のボスへのスイートな情の目覚め 慈愛の旋律バディ
ルーク&チェズレイ

―― ルーク&チェズレイのバディは、以前行った好きなバディ投票で、メインバディ2組に次ぐ高い支持を集めました。逸話やコンセプトを詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか…!?

杉原 当初は、モクマ&アーロンとは対照的に、耽美さ、妖しさ、あやうい距離感を目指そうとしていたバディでした。「バラの花びらで相手の汗をぬぐう感じ」という、謎のメモが残っています(笑)。そういった要素も前半に少し残っているかなとは思いますが、結果的にはホームドラマになりました。ルークとチェズレイの共通の話題は「父」ですが、フィーチャーされるのは「母」です。バディエピソードの構成を担当していたスタッフが「チェズレイが母性を抱くという展開はどうですか」と提案してくれた時は感嘆しました。ルークとの関係性の描写を通して、チェズレイというキャラクターの奥行きはぐっと深まったように思います。

中山 開発中、ルークとチェズレイのバディエピソードの最初のプロット案を通しで拝見した時には、今ほどチェズレイは「母」っぽくなかったんですよ。それで、私からは「テーマを踏まえると、誰にでもピンときやすい母親的な行動が足りていないのでは」という指摘をさせていただきましたね。この二人のエピソードのラストでは、チェズレイから野菜が送られてくるのですが、「なぜチェズレイから野菜…???」と、少し唐突に感じてしまったところがありました。テーマが「母性」だと、あらかじめ杉原さんからお聞きしていなければ、それがいわゆる「おかんムーブ」だと気づけなかったかも、と感じたので、間のエピソードにも類似の行動を入れてほしいとお願いしました。「ピアノを教える」はチェズレイにとっては母を象徴するものであっても、ルークには違いますし、一般的にも「これぞ、THE・母親の愛」と理解して頂ける行動としては特殊だと思ったので、読み手にわかりやすく母性というテーマを感じ取って頂くには「ピアノを教える」と「野菜を送る」の間の飛躍を解消する必要がありませんか? と、杉原さんにはお伝えしたと思います。

杉原 ご指摘を頂いて、「よし、おかんムーブをちりばめよう」と(笑)。担当スタッフと相談し、「ルークの汗を拭こうとする」「歯磨きや、就寝時の環境について気づかう」などの行動を随所に追加してもらいました。おかげでチェズレイの慈愛がダイレクトに伝わるようになり、よりテーマ性が強まったと感じています。母親の数だけ個性も違いますが、チェズレイの行動は、彼の母親からインスパイアされて出ているものという想定です。

けして協和しない美音たち 不協和音のカリスマ悪党バディ
アーロン&チェズレイ

杉原 犬猿の仲のビジネスパートナーです。互いに相容れないことがわかっているので、本来なら近づきたくもない相手ですが、組んで仕事をすると、けっこうなことができてしまう。能力が高い者同士、ギスギスしながらも決めるところは決める、そういうカッコよさや面白さを表現するのが目標でした。  また、それぞれの相棒(アーロンにとってのルーク、チェズレイにとってのモクマ)についての談義が多いふたりでもあります。嫌い合っているだけあって、相棒談義の中でも相手の痛いところをつくので、うっとうしいと思いますね。その痛みを怒りに変えるのがアーロンで、どうせついた傷なら咲かせてしまえと思うのがチェズレイです。やっぱりぜんぜん合わないですね。

村田雄介先生によって描かれたチェズレイが妖しく微笑む未使用ラフ。目元のアートメイクはちょっと変わったアレンジですね。ダークな悪の色気が凄まじく香り立つ魅惑的な1枚です

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