【CEDEC 2023】ポケモンS・Vのディレクターが直接解説!パルデア地方の作り方

ポケモンの部位ごとに使われている特殊な表現技法

続いて、ポケモンの肌の部分に多く使われている表現(SSS)についての解説に入っていきます。
色味や陰の設定は、ポケモンの体の大きさによって微調整されていたそう。
ポケモンの体が大きいほど陰は暗くなり、逆に小さければ色が淡くなる、といったことを想定した設定のようです。

SSS(Subsurface Scattering):表面下散乱とも言われ、強い光が物体を透過した際に、内部で散乱した光が色として浮き出る現象のことを指す

水分たっぷり! クワッスのつやつやヘアーの表現

例として挙げられたのが、こちらのポケモン「クワッス」です。
このポケモンの特徴は、羽からジェルを分泌すること。体はもちろん、特に頭の毛がツヤツヤに保たれています。

前澤さん「う〜ん。これはヒンヤリ。暑い夏には最適です」

ここにゼリーのようなヒンヤリ感を出すため、その頭部分の外側だけ透けているように見える技術が使われていました。

ポケモンの体の色・構造色について

ポケモンの姿・形によって色が微細に変化するという表現も取り入れられています。
ただ、今回は使い勝手のいい手法を優先し、よりシンプルな機能を使っての表現に留めた様子。

コライドンのお腹の粒子はこんなふうになっていた!

『ポケモンS・V』のバイオレットに登場する、パラドックスポケモンの「コライドン」
よ〜く見ると、お腹の部分だけでなく、腕や肩、背中の一部もキラキラしていることがわかります。
こちらは、粒子が描かれたテクスチャをアニメーションで動かすことで表現されていました。

ポケモンに使われている 揺れている炎の表現

ここでは、ひのけんしポケモンの「ソウブレイズ」が例題に。
頭のてっぺんにある炎には頂点アニメーションというものが使われており、それがどのように揺らぎを作っているのか、といった専門的な解説もありました。
お話を聞いていると、ポケモンがひとつひとつ形作られている、という実感が湧いてきます…!

ポケモンの「目」から感じる、並々ならぬこだわり

ポケモンの目に描かれている白い点、ハイライトについても興味深い話がありました。
目に設定されているジョイントがカメラと連動することによって、目のハイライトが動いているように見える技法が使われているようです。

例えば暗い場所を冒険していても、目のハイライトが常に見えるように調整されているとのことでした。

ポケモンを1体作り上げるだけでも大変だと思うのですが、ポケモンの目の部分だけでこんなにこだわりを込めて作られていたことに驚きです…!

ポケモンがキラキラに! 「テラスタル」はどう作ったの?

「ここからは遊びの要素にも関わってくるお話です」と紹介されたのは、テラスタルの表現方法についてでした。あのキラキラした姿がどんなふうに作られたのか、興味深いですね!

テラスタル
パルデア地方で確認されている、ポケモンが宝石のように輝く現象のこと。テラスタルすることでポケモンのタイプが変化したり、テラスタル状態の時に威力を発揮する技もある。

テラスタル状態のポケモン本体については、体のモデルはそのままに、マテリアル(質感)をキラキラしたものに差し替えているそう。カットされた宝石のような、キラキラとした質感が活きています。

ポケモンの部位によっては、テラスタル化すると体の模様が消えてしまう箇所もあるそうです。
それらを考慮し、テラスタルをしない部位を選択できる仕様になっている、とのことでした。

テラスタル状態のポケモンの頭部分にある「テラスタルジュエル」のお話もありました。
こちらは裏と表の2つのメッシュ(立体像)を重ねることで、より立体感を表現。
そこに、さらにアニメーションとテクスチャを乗せて、キラキラ感を演出しています。

そして、ポケモン本体とテラスタルジュエルを合体!
その上からエフェクトを乗せると、テラスタル状態のポケモンの完成です。
テラスタルは、こういった工程をいくつも重ねて作られていたんですね…!

ポケモンウォッシュに不可欠な「汚れ」の表現

『ポケモンS・V』では、ポケモンを連れ歩いて冒険をすると、砂や雪で汚れてくることがあります。
そんなポケモンたちを洗うことのできるポケモンウォッシュというモードに欠かせない、汚れの表現についての解説もありました。

ポケモンウォッシュ
天候や環境、バトルによって汚れてしまったポケモンを洗ってあげるモード。スポンジとシャワーを使って体を洗ってあげることで、ポケモンが綺麗になるだけなく、体力の回復や絆を深める効果もある。

また、その汚れはポケモンだけでなく、主人公の足元にも実装されていました。
旅した場所によって、砂汚れや雪汚れなどが付着するとのことですが、パルデア地方を旅した皆さんは気づいていましたでしょうか?

関連記事