【CEDEC 2023】ポケモンS・Vのディレクターが直接解説!パルデア地方の作り方

主人公と登場人物の「イケてる表現」をとことん追求!

講演の後半では『ポケモンS・V』の主人公に話が移ります。
特に、顔・肌をどんなふうに工夫して制作されたかのお話が展開されました。

キャラメイクから表情にいたるまでの制御

主人公の顔のパーツ、目や口のカスタマイズは、CGツールのMayaを使って制作されているとのこと。
顔、まぶた、口でそれぞれ分けて制御しており、そこからさらに数値で微調整することで、個性豊かな表情が形作られているようです。

喜怒哀楽を表現する「表情」については、部位を4つ(眉・右目・左目・口)に分け、さらに顔全体に変形を適用できるという、全部で5パターンの変形を使って表情を変えているとの解説がありました。

主人公をもっとかわいく! イケてる感を目指した作り込み

主人公の顔と肌についての解説パートでは、開発段階と調整後の写真が登場。
よくよく見比べてみると、髪の毛束や頬の赤みなど、質感が違うのが見てわかりますね!

肌の質感について、開発当初は人物のグラフィックとあまり馴染んでいなかったそう。
主人公の友人「ネモ」の写真を見ると、開発中のものは陰影が濃い印象がありますが、調整後は陰がより滑らかになった印象を感じます。

前澤さん「パルデア地方のルックコンセプトに合う、最良な段階まで落とし込みました」

パルデア地方を取り巻く「世界」の表現へ

そして、講演の最後は「パルデア地方の世界の表現」といった締めくくりに入っていきます。

生命たちが地を踏みしめる 大地の作り方

この大地の表現技法については、主にワークフロー(作り方)に重きを置いた話が展開されました。

前澤さんは「トゥルリーン!ってやつですね」と、大地について愛嬌たっぷりに紹介

「大地の作り方」と題されたスライドには、3DCGで作られた地形のグラフィックが登場。
そこに質感を追加したり、草木を生やしたり、崖や岩を差し込むといった過程を経ることで、パルデア地方の大地が形成されるそうです。

海と川をよりリアルにするためにこだわった 水の演出

海や川に生息するポケモンにとって、欠かせない水辺。その水の表現についてのお話です。
上下する海面のアニメーションに水の流れを追加し、水深に合わせて透明度を変化。
さらに、屈折表現を取り入れることで、よりリアルな水に近い質感を目指したとのことでした。

波テクスチャのキラキラ感、実は手描き!

波打ち際の波についてもひと工夫が。
制作当時、海面が上下する表現のみでは「波打ってる感」が出なかったとのことで、なんとこの白波専用のモデルを特別に作ったそう。

陸地に近いほど大きく波打ち、沖に近づくほど波が小さくなる、という動きに泡を追加

前澤さんも「ここ、頑張ったので紹介してください!ということでした」とコメントしており、開発スタッフの方のこだわりが垣間見える印象的なシーンでした。

空にはグラデーションを 雲にはライティングを

パルデア地方を冒険していて、景色の美しさにうっとりした方もいるのではないでしょうか?
その美しさの秘密は、空の表現にもありました。

空の部分は、先行技術をベースに、水平線にグラデーションを入れる機能を追加。


雲は、大まかな形を作ったあとに6方向からライトを当てることで、そのシーンに合わせた質感が表現される、ということでした。

屋内に存在する 昼と夜の違い

講演の最後は、屋内のグラフィックについて。
家具類が配置された家の中のテクスチャに対し、昼用のライティング夜用のライティングが存在。
時間帯に合わせて、それぞれのデータを上乗せする形で使用しているようです。

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