【先行プレイレビュー】『ドンキーコング バナンザ』豪快かつ爽快!“地形の破壊”という遊びが作った3Dアクションの新基軸

Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)最強の期待作、『ドンキーコング バナンザ』(以下『バナンザ』)を先行プレイしてのレビューをお届け!
こりゃ〜すごい!!と前評判も高い本作は、いかに面白いのか。そのポイントにググッと迫っていきます!!
中盤以降のネタバレはありませんので、「購入前に自分に合うかどうか知りたい」などにお役立てください。
目次
一線を画すアクション『ドンキーコング バナンザ』誕生
「ドンキーコング」は、ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』よりもさらに前に生まれたゲームでありキャラクター。
そしてドンキーコングが主役のゲームといえば、高クオリティかつ骨太な2Dアクションとして人気を博した「スーパードンキーコング」シリーズがあります。
いっぽうアクションゲームの王道といえば「スーパーマリオ」シリーズが有名で、それも2Dアクションと3Dアクションに大別される大きなコンテンツです。
しかしながら完全新作の3Dマリオは2017年の『スーパーマリオ オデッセイ』を最後に、沈黙が続いていました。そろそろ3Dマリオの新作がくるのでは…!? とNintendo Directのたびに期待が積み重なるなかで、登場したのが……まさかのドンキーコング!!

「ドンキーコング」シリーズからも3Dマリオシリーズからも一線を画す3DアクションとしてSwitch 2 に登場したのが、この『ドンキーコング バナンザ』なのです。
地形を破壊する爽快感
3Dのフィールドを破壊できる! これは、多くの人が衝撃を受けたことでしょう。
「気持ちよさそう」
「ストレス解消になりそう」
という評判のとおり、本当に気持ちいいんです!
「目の前にあるものを壊せる」だけではなく、なんといっても「地形」を壊して進むのが斬新。
ちなみに私は、破壊衝動や殴ってボコボコにしたい気持ちはこれといって抱えておらず、「ストレス解消になりそう」という感想は皆無です。が、なんでしょう、スタート地点の周囲を破壊するだけでも楽しい、この感覚は。
もちろん壊すだけではなく、壊した岩から“金(ゴールド)”やアイテムがポンポン飛び出ます。
お金やアイテムがざくざく!ウレシイ!
この感情が重なり、やみつきになるのです。
素材による壊し心地の違い
地形を構成する岩や土をザクザクと掘るように壊すほか、金属やガラスのような素材も破壊できます。
土をかきわけるように掘り進んだときの、鈍くてやわらかな感触。
ガシャンっと硬いものにぶつかったと思ったら、ジャラジャラと懐に吸い込まれていくお金。
パリーンと甲高い音を立てるとともに、拳に伝わる繊細な衝撃…。
壊すものによる感触の違いを生々しく感じられるのも、破壊の気持ちよさを増幅させる要因でしょう。

コングバナンザの破壊力で爽快感もアップ
ドンキーコングの変身・バナンザ。そのなかのコングバナンザはとにかく強靭。

編集部内でもっとも楽しそうに遊んでいたスタッフの話を紹介しましょう。
「新しいフィールドにたどり着いたら、とりあえずコングバナンザのチャージパンチを使いながら周囲を破壊して、お金とアイテムをザクザク手に入れてから先に進む」「アドレナリンも溜まって連続で変身し続けられる」とのこと。
試してみましたが…、こ、これはクセになるっ。
それまでは「地形を壊しすぎると全景がわからなくなってしまうし、とりあえず先に進みたいから、やみくもに壊さない」ようなスタイルで進んでいた私ですら、このひたすら壊すことこそいちばんおもしろいポイントであると理解してしまいました!!
コングバナンザに変身できるようになったら、ぜひやみくもに壊してしまいましょう!
なお、壊しすぎても「地形リセット」ができるので安心なのです。
素材ごとの破壊実績
素材による感触の違いにうっとりしていた私が個人的に惹かれた要素は、破壊実績。
「破壊実績」。
すごいパワーを感じる四字熟語です。
「土」や「岩」、階層によっては「イバラ」「水」など、何をどれだけの体積ぶん破壊したのか確認することができます。その量によって、ごほうびまでもらえちゃう。なにより棒グラフで表されることで、「岩以外も壊そうかな」とか「レアなモノを見つけたら壊しておこう」とか、破壊への意欲が増進される大胆で恐ろしい施策です。

王道3Dアクションの側面
丁寧なアクションづくりとしては、同じく任天堂東京開発の『スーパーマリオ オデッセイ』の系譜を感じられます。
『バナンザ』もまた、良質で王道の3Dアクションゲームであること自体は間違いなし! アクション好きに100%オススメ!
ゴーカイなだけじゃない!慎重さも必要
やみくもに破壊するだけではありません。
クセのある敵を倒すための工夫が必要だったり、足場を確保するための仕掛けを発見したり、モノを運ぶルートを考えたり。3Dフィールドで繰り広げる遊びが、丁寧に用意されています。
破壊対象である岩そのものが、爆破属性をもっていたり、変形する足場になったりと、いわゆる“仕掛けブロック”の役割を兼ねているのもおもしろい点です。
個人的には、破片を投げて敵に当てる操作がわりと快感でした。破壊とは真逆で、じっくり狙いを定めるのです。
これが序盤も序盤、破壊の快感を体感した直後にすぐ登場し、時に慎重さも必要であることを学ばせる。そんなところから冒険がスタートします。なんて巧みな取り計らいでしょう。
多数のアクション操作とバナンザ変身
地形から引っこ抜いた破片を、なげたり、ふりまわしたり、スケボーとして乗り回したり、二段ジャンプしたり。
ハンドスラップに、ローリングに、バナンザ変身ごとの独自の技を使いこなしたり…。じつに多くのアクション操作を楽しめます。
▼多彩なアクションについてはこちらを

同時に、それだけ複雑になるということでもあります。少しずつ覚えていけば良いのですが、なかなか慣れずに戸惑う人もいるかもしれません。…もちろん私のことです。
編集部の所感としても、「特に戸惑いない」と「最初は複雑と感じた」が半々くらいでしょうか。とはいえ進めるうちに慣れてくると、その使い分けも楽しみのひとつになります。
また、大味な感じでプレイしていても、それほど心配はないようです。※後述します
変身を使ったアクションもあり、覚えることが増えるいっぽうで、やれることや仕掛けに対するアプローチが広がっていきますよ。
ニンドリ編集部の担当者も、「めちゃおもしろいです! バナンザがあるおかげでいろいろなアクションを楽しめますが、テクはそんなに要しないのが遊びやすくていいです。ゴリラ的なアクションも楽しいので、ぜひ小学生くらいの子にやってほしいです」とアゲ気味にプッシュしていました。
地中まで広がった探索
ステージの一定の位置に隠された輝くバナナ“バナモンド”。そんなキーアイテムを集めていくのは、3Dマリオさながら。
それがマリオではなくドンキーになると、その探索の幅が地上だけでなく地中まで広がるのが、おもしろいところです。地中を掘り進んでいたら小部屋にたどり着いたり、あてもなく破壊していたら偶然バナナを見つけたり…。
“箱庭”的3Dフィールドのさらに先をいく遊びを堪能することができると感じられました。一線を画すポイント、ココです!

収集要素はバナモンド以外にも、ファッションアイテムとの交換に必要な「化石」があります。
豪快に掘り進むもよし、情報収集やソナーを活用しての探索もよし。収集が好きなら、いつまでも掘り続けてしまうのではないでしょうか。
もちろん、目的なくお金をジャラジャラ稼ぐのもまた気持ち良いものです。
『バナンザ』ならではの自由度とやさしさ
破壊の気持ちよさ、探索の深まり。そしてもうひとつ特徴的なポイントが、自由度です。
- 地形を破壊してムリヤリ先へ進む(穴を掘ってトゲを回避するなど)
- 握力により、壁をムリヤリよじ登る/落ちそうになってもしがみつく
- ダチョウバナンザで羽ばたき、空からムリヤリ進む
- 倒し方がよくわからない敵を殴ってゴリ押し
など…。
おっと、自由度というよりゴリ押し感が強い!?
いってしまえば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で広大なフィールドを自由に ムリヤリ 自由に進んだ、あの体験を思い出すかのようでした。

もちろんオープンワールドの自由さとは異なるのですが、フィールドそのものを壊してしまうという斬新さ。王道的なアクションの仕掛けを進む中で、「これもアリなの!?」という体験が何度もありました。
スキルポイントの振り分け
集めたバナモンドは「先に進むために必要な進行アイテム」ではなく、「スキルを習得して強化」することに使います。
ボス戦に自信がなければライフ強化を、よりアクロバティックにアクションを楽しみたい人は新アクションの獲得を。収集スキルやバナンザごとの特技を強化することもできます。
自分の遊び方や特性にあったスキルを選んでいけるのは嬉しいポイントですね。

別荘、ワープ機能
マップを開くと、中間ポイントや建てた別荘など、いくつかのポイントにワープすることができます。
なかでも別荘は、低額で建てられるうえにライフ回復+オマケでライフ追加もされるやさしさ。
マップを自由に行き来できることで、ストレスを軽減してくれます。
おたすけモード
おたすけモードをオンにすると、道順を表示したり、ダメージを軽減してくれるなど、初心者にも遊びやすくなります。
どうしても進められないときや、久しぶりにプレイしたときに、一時的におたすけモードに設定することもできます。
より爽快に、より豪快に、より自由に進めていける配慮が盛りだくさんなのです。
ちょっとしたルート分岐も…?
なお私は、1階層飛ばして先に進んでしまいました。
なんと、バナンザ変身も取り損ねているんだけど…、このまま進んじゃっていいの!?!?
自由だ…!
※そのまま進んだ場合でも、途中で飛ばした階層に戻って取り損ねたバナンザ変身を習得することもできるのでご安心を

物語やキャラクターは?
物語の展開は、ゲームとしては王道のもの。階層を地下深くへと進みつつ、ヴォイドたちに邪魔されたり、住民の困りごとを解決しながら、新しいバナンザ変身を手に入れて道を切り拓きます。
ポリーンのかわいさは言わずもがな
そんななかで気分をアゲてくれるのは、なんといっても相棒のポリーン! 会話シーン以外でも、探索中に何か発見があると話しかけてくれるため、とてもいいエッセンスとなっています。

バナナが目に入ると「あ、バナナ!」と声を上げたり、仕掛けを超えて進んだ際には「すごい!」と言ってくれるので、ムリヤリ進んでいく際にも「これで大丈夫だったんだ!」と安心することができました。
ムービーシーンは限られるものの、ドンキーとポリーンがだんだんと打ち解けていくなど、たいそうほほえましいものです。
別荘で寝た時の初回会話も注目です。
「スーパードンキーコング」のなつかしネタ
一新されたドンキーの世界ですが、シリーズを知っている人ならニヤリとするシーンも散りばめられています。


ディディーやディクシーが登場することも公開されていますが、さらにはおなじみのアイツらも登場し、ファンならオオッ!!? となるはずです。
2人協力プレイで飛び道具が強力!!
「おすそわけ」することで、協力プレイが可能。
2Pはポリーンの「声のカタマリ」を発射します。これがドンキーコングのパンチに匹敵する破壊力!! なにより遠隔射撃となるので、敵や障害物に近づかずに破壊することができ、進行がラクになる面も多々。

声のカタマリは、カーソル操作、ジャイロ操作、Joy-Con 2 ならマウス操作で狙いを定めることができます。
さらには地形から材質をコピーできるので、爆破特性をもってより強力な攻撃をしたり、仕掛けを解いたりと役立ちます。
なかでもボス戦は、2人プレイならあっという間に片づいちゃったりも。
なお、Nintendo Switch本体を使って「おすそわけ」プレイをするとこんな感じです。

これもまた斬新…! 両方の画面が遅延なく同期し、快適な2Pプレイを楽しむことができます。
今後この機能はほかのタイトルでも活用されると思いますが、ぜひ試してみてほしいです。
どんな人にオススメ?
長くなりましたが、アクション好きには間違いなくオススメ。そして、ひたすら破壊してみたい人にも間違いなくオススメ。それから探索・収集好きもハマれる要素多し!です。
2人協力で遊びたい人も、にぎやかでおもしろい体験ができますよ!
反対に、アクションが苦手な人も、豪快に爽快感を楽しめるのが本作の魅力ではないでしょうか。
なにより、Nintendo Switch 2 ならではの地形破壊アクションとして、Switch 2 をお持ちならぜひ体験してもらいたい1本です!
(編集長・りふぁ)
めちゃくちゃ楽しい! これにつきましたが、思ったことを最後に。
ドンキーコングの操作にはさまざまなアクションがありますが、全部ひっくるめて遊びは本当にシンプルです。
すべてのアクションが「破壊」に直結しているため、プレイヤーは自然と「壊して進む」ことに集中できるんです。
梱包材のプチプチを潰すのが好きな私のように、遊んでいると地形をすべて壊し尽くしたい欲求が出てきて、時間を忘れてプレイしてしまうんですよね。プチプチを潰すだけで爽快なのに、そこに宝箱や化石、お金も次々と出てくるので、まるで発掘調査員の気分を味わえます(自分のアドレナリンも出てる、絶対)。
どこまでも掘り壊しながら進むので、自分のいる場所がわからなくなることもありますが、それすらもこのゲームの「破壊」に特化した設計の一部であり、魅力なんだと感じさせられました。
この「破壊」という遊びは、3Dマリオや最近の『ゼルダの伝説』とは異なり、ドンキーコングであることの意味とも深く結びついています。3Dアクションの進化の方向性の一つとして、こうした遊び方が残っていたことに素直に驚きました。
集めるはずのバナモンドも、物語の進行を縛るためのものではなく、ドンキーコングを強化するためのものであり、DKが欲望のままにバナナを探して強くなるわけです。実際、バナモンドを取らずにエンディングまで進むことも可能で、その自由度の高さも魅力だと思います。
個人的には3Dマリオや『ゼルダの伝説』にあるような、「あれどうやって取るんだろう?」「どう進むんだろう?」ということがほとんどありませんでした。
これは難易度が低いという意味ではなく、「破壊」という今までと違うアプローチに集約されているので、あえてそうした作りなんだろうなと、そこも含めて唸ってしまいました(壊しすぎて地形リセットは使いまくりましたが 笑)。
「破壊」という言葉は強いですが、その実はとても丁寧に作られており、物語や世界観も含めて、3Dアクションの新機軸だけど王道であると言いたいです。(ほんと声を大にして言いたい)
プレイ時間は、目につくものだけ遊びながら進めてエンディングまで大体15〜20時間程度(編集部でプレイした人の平均)。ただし、上記に挙げた探索・収集に、チャレンジなどサブ要素もこなしていくと、はてしないです(笑)。
(私は全コンプを目指して遊んでいたので、2階層ですでにプレイ時間は10時間を超えてました……)
あと、ポリーンとDKのコンビはサイコー!
<製品概要>

▼こちらの記事もお楽しみください。



© Nintendo