『WORTH LIFE(ワースライフ)』の魅力掘り下げインタビュー

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ネタバレやや注意? セリフや物語の気になるトコロ

物語が進むにつれてのキャラクターの描かれ方や、ニヤリとするセリフについて、マルチエンディングについてなどをうかがいました。
大きなネタバレはありませんが、自分でプレイする新鮮さを味わいたい方は、少々ご注意ください!?

アクションゲームの中で生きる、30人の人々

─── アクションゲームのルールの中でRPGを、ということで、主人公以外の登場人物それぞれの生活や行動も作中に描かれているんですね。

はしもと:
はい。このゲームの出発点は王様からお金をもらって、さあ、旅に出るぞというところからなのですが、主人公の他にも、一緒に王国から命令を受けた29人の模索隊がいて。
29人の人生も旅路の中で体感させたいなと思っていたので、一斉に召集されたところからスタートして、その人たちのあゆみが旅の中に散りばめられています。

─── 主人公の物語が進むにつれて、他の29人の物語も少しずつ進んでいくと。

はしもと:
そうですね。お金をもらって、どこで何をして、最後にどうなったか…と。
たとえば『ファイアーエムブレム」シリーズのエンディングには、キャラクターそれぞれの後日談とかありますよね。私は、あれを見るのが好きなんですよ。「〇〇っていうキャラクターが家族を持ちました」とか、「ええ、そんな仕事しているの!」とか。やっぱり、キャラクターのその後って気になるじゃないですか。

─── はい。…ああ、それでラスト直前で、他の模索隊たちの旅の結末がわかるようになっているんですね!

はしもと:
そういう思いもあります。それというのも、自分以外の旅を見せたいという目的には、いきなりお金を渡されて何をしてもいいよと言われると「何をすればいいんだろう」みたいな感想が出てくると思うんですよね。だから、意気込んで旅に出るキャラクターだったり、世界よりも自分の貯蓄を気にしているキャラクターだったり、いろいろな人を出したかったんです。
旅の中で模索隊たちを見ることで、自分がマモノを倒したり、能動的にアクションしたりしているだけじゃない姿も見られるといいなという感じですね。

─── しかし主人公がもらった支度金は、すぐ失ってしまうんですよね。

はしもと:
最初にもらうお金については、開発の中でもいろいろな意見があって。好きに使わせようという意見もあったんです。でも、「ひらめきシステム」で徐々に行動を覚えていくので、最初にいろいろ使わせようにも使うところがないねという問題がどうしても出てきてしまいました。
それで、「大金を何に使おう?」と神殿までの移動中は楽しいことを考えていたのに、一気に無くなってしまうことで「ああどうしよう!」と(笑)。

─── びっくりして、選択をやり直そうかと思ってしまいました(笑)。

はしもと:
すみません、本当に奪っちゃって。
最初に所持金をすべて失うことについては、任天堂さんの某タイトルで経験したことがある方もいらっしゃるかもしれませんが…(笑)。

─── えっ。ああ、『カエルの為に鐘は鳴る』…! あれ、大好きです。

※カエルの為に鐘は鳴る:任天堂から1992年に発売されたゲームボーイ用ソフト

はしもと:
私もすごく好きなタイトルのひとつだったりします。(笑)。全財産を失わせる目的としては、お金を失う代わりに土地を手に入れたから、なんとか活用しなきゃって思わせたい意図がありました。等価交換のような形で、土地を一箇所ずつではなく全部手に入れて…。

はしもと:
あとは好きなように使ってもらうのですが、シナリオを進めてさまざまな土地を活用していくと、「あれ、初めの方は効率悪かったな?」と思うところが出てきたりして。

─── そうですね、タネも新しいものが手に入れば、その都度初めの土地に帰ってきて蒔いてみたり。

はしもと:
「ああ、こんなことになってたか、よし作り直そう」みたいな(笑)。建てた家も、今はいらないかと思ったらボコンと壊すこともできますし。
もちろん素材が必要だったりもしますけど、ゲームでできる面白さって、その土地をバンバン変えられることだよねという部分を意識して作りました。

─── しかも、ストーリー的な用事が済んだ場所に戻ってきて何か別のことをするというところには、「アクションのルールの中で生活する」というコンセプトをとても感じられました。

はしもと:
ありがとうございます。そうですね、帰ってきて土地をちょっといじり直したりしながら、遊び続けてもらえればなという形です。

マルチエンディングへの思い

─── マルチエンドを取り入れたことについて教えてください。

はしもと:
エンディングは、最初から複数作ろうという話をしていました。
人々がマモノに困っているなかで、お金をもらって、自分は誰かを助けるのか、敵とどうかなるのか。そういうことは決まり切っていないですし、ゲームの終わらせ方も考えればいろいろあります。それが平和な結果かどうかは別として、ですが…。
だからひとつの結末だけじゃなくて、ユーザーさんが選んだという形のエンディングにしたいと。もちろん、「こんなオチは望んでいなかった!」ということもあるんでしょうけど(笑)。

─── 全てのエンディングを見るためには、最初からやり直さなくても大丈夫なようになっているんですね。

はしもと:
はい。別のエンディングのために一からやり直すのは、今どきは結構しんどいかなと。なので、ちょっと前のデータからやり直せば、その条件を知っていればやり直せる形になっています。
それぞれのエンドを見る条件もめちゃくちゃに厳しくはしていないので、「なるほど、こういうオチもあるのか」と、いろいろな結末を見ていただけると良いなと思っていますね。

─── ストーリー分岐というよりは、結末がどうなるか…ということなんですね。エンディングごとの一枚絵が、自分の進んだ道のご褒美絵のようで楽しかったです。

はしもと:
今作のマルチエンド絵やイベント絵は、岩崎美奈子さん(※)が描いているんですよ。最初のクリスタルの絵も、よく見ると岩崎さんの絵なんです。
「まつやまさんの絵に合うように」って言ったら、当惑しながら描いていたのがなかなか面白かったですね。
以前手掛けたタイトルでは、岩崎さんがメインキャラクターを務めて、まつやまさんにはゲストとして手伝ってもらったんです。まさかの両者が入れ替わる形になりました(笑)。

※岩崎美奈子さん…イラストレーター。『ルーンファクトリー』シリーズ等、ゲームのキャラクターデザインも多数手がける

↑序盤に登場するシーン。岩崎美奈子さんが手掛けた1枚絵のひとつ。

最後に… 遊んだ方へのメッセージ

「遊んで頂き、本当に有難うございます!
本当に色々なパートや作業も、みんなで力をあわせて作ったタイトルですし、色々なチャレンジも盛り込んでみましたが如何でしたでしょうか?
既に色々な意見も頂いているので、なんとか叶えられないかな? と新たに考えていることもありますので、まだまだ引き続き『ワースライフ』をよろしくお願いします。」

ニンドリ21年11月号では、25周年記念号に寄せたはしもとよしふみさんからのコメントと、まつやまいぐささんの『ワースライフ』イラスト色紙も掲載しています。こちらもぜひご覧くださいね。

WORTH LIFE(ワースライフ)
■Nintendo Switch  DL
■HAKAMA株式会社
■2021年6月24日配信
■2980円(込)
[公式サイト] [eショップ]

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