FE風花雪月インタビュー vol.4-2【ネタバレ編 後半】〜ディミトリ&クロード、そして歴史の設定秘話〜

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最後に、ネタバレも含めた核心部分に迫る一問一答を実施。作中では描かれていないフォドラに秘められた謎や、主人公・級長たちキャラクターについて、深く切り込んでいきます。
※こちらはニンドリ2020年5月号に掲載されたインタビュー記事のアーカイブです

『ファイアーエムブレム 風花雪月』開発者インタビュー トップ

任天堂 
横田弦紀さん(よこたげんきさん)

インテリジェントシステムズ
草木原俊行さん(くさきはらとしゆきさん)

注意!!
『ファイアーエムブレム 風花雪月』核心部分や結末までのネタバレがあります!!
本編をクリアしてから読むことを強くオススメします。


◆五年後のディミトリが眼帯姿になった経緯を教えてください。

草木原 実は、眼帯は最初からつけていたわけじゃなかったんです。倉花さんからデザイン画が上がってきた時に、僕から「眼帯をつけていいですか」と言ったのがきっかけですね。

もともと5年後のデザインは、どのキャラも全体的に変化の幅を大きく取りたいというのが根底にありました。その人それぞれの変化、つまり5年の間にどういう生き方をしてきたか…というのが外見にも滲み出てほしいな、と。

ディミトリの眼帯も、そうした考えから出てきたアイデアでした。だからエーデルガルトについていく「紅花の章」の時だけ、眼帯をしてないですよね。他のルートほどひどい目にはあっていないことがそこに表されています。眼帯はつらい目にあった象徴なんです。


「紅花の章」では王国は教会と結託しており、帝国の侵略を受けていないため、ディミトリも両眼とも健在。敵対してしまうものの、ファンならじっくり見ておきたい!?

◆「煤闇の章」でクロードが自身の名前について意味深な発言をしていますが、偽名なのでしょうか?

草木原 クロードの名前はお察しの通り偽名でして…本名はカリードと言います。これ、どこかで言っておきたかったんですよね。なかなか機会が無くてここまで来てしまいました(笑)。実は途中まではナデルからカリードと呼ばれるシーンがあったのですが、うまく着地させられずにカットになりました。

横田 クロードはなんでクロードっていう名前にしたんですかね?
【※編注:『聖戦の系譜』にも同名のキャラクターが登場する】

草木原 そのへんの指摘はうちの樋口(樋口雅大さん。本作のプロデューサーを担当したほか、『ファイアーエムブレム』シリーズを手がける)からも出ていたんですが、そこはもともと仮名のつもりだったので、被りは気にしてなかったんですよね。作中で本当の名前を明かすつもりだったので…。まぁグレイやカムイなど、もうすでに被っているキャラがいるのでいいかなと。本名はカリードなんです!

横田 どっちもかっこいい名前ですよね。クロードは5年後の姿が一番変化が少なかった気がします。髭についてはちょっと冒険した部分ではありますが…最初に5年後の姿が上がってきた時、胡散臭さのアップ度合いがすごいなと思いました(笑)。でもすごくいい奴でしたよね。


パルミラの将、ナデルのフォドラでの偽名が「ナルデール」だったように、比較的本名に近い語感の偽名にしているのかも?

◆クロードは主人公との支援会話で「王族の端くれ」と言っていましたが、パルミラに本当の兄弟はいるのでしょうか?

草木原 多分いるでしょうね。母親の違う兄弟がたくさんいて、周りの人たちからいつもいじめられていたというのが彼の原点になっているはずです。ライバルが多い環境のなかで、策略を巡らせてメキメキと頭角を表したのが今のクロードであって、それが彼の野望につながっています。異物を排除しようとする考え方とどう戦っていくか、というのがクロード編のテーマなんですが、その根っことなる環境が故郷にあったんですね。

シナリオチームの中では、クロードは「銀河英雄伝説」のヤン・ウェンリー(※1)と「アルスラーン戦記」のラジェンドラ(※2)を参考にしていて、2人をかけ合わせたようなイメージになっています。まずくなれば命乞いもするし、生き延びたほうが勝ち、と割り切っている。なので、ルートによらず生き残り続けるのもクロードです。

横田 覇王ルートのデアドラ戦はヒルダとのやり取りがすごく印象に残ってますね。「何で逃げないんだよ……。」って言ったりして。

草木原 そうですね。フォドラの人とは違う価値観を持っているんだと思います。


たとえ戦略的要所の守りであっても犠牲を決して良しとせず、生き残ることを最優先させる。クロードはフォドラにはない考え方と視点を持つ、数少ない人物である

※1…田中芳樹著作、銀河を舞台に「銀河帝国」と「自由惑星同盟」の戦争を描くSF小説。ヤン・ウェンリーは同盟最高の名将。本来は歴史家志望で常に退役を望んでいるが、意思とは裏腹に武勲を立て続ける。
※2…同者著作の大河ファンタジー小説。ラジェンドラは東方の大国の第二王子。ずうずうしく軽薄な性格でかなりの利己主義者だが、どこか憎めない愛嬌がある

◆ソティスが童女の姿なのはなぜですか? また、なぜレアはソティスの復活に執着していたのでしょうか。

草木原 主人公の中にいるソティスは不完全な状態だからです。自分の姿も覚えていないし回復もしきれておらず、途中過程みたいな状態があの姿です。レアの記憶の中のソティスとは大きくイメージが違っているので、主人公から「女の子の姿を見る」と言われてレアが怪訝な反応するのは、そういうギャップを表しています。完全な状態であれば、天井画に描かれているような大人の女性の姿をしています。


女神と紋章を描いた絵画

横田 さっき調べていたら大人ソティスのデザイン画を見つけたんですが、あれはなんで作ったんですか?

草木原 実は冒頭の映像の中のワンカットで、高台から見下ろしているソティスのカットがあって、そのために設定画が必要だったんです。

そして、レアの執着心については、実は物語中では描かれていない部分がいろいろとあります。レアにとってソティスはお母さんでありつつ創造主でもあるので、ただ母に会いたいという以上のこともちゃんと目的として持っていて、それがレアの精神のよりどころになっているんです。


ゲームを始めて最初に見るムービー「復讐」の最後に、確かにそれらしき姿が。ソティスが失っていた記憶の断片なのだろうか?

◆ネメシスはなぜザナドを襲撃したのでしょうか。

草木原 あの世界は、もともと竜に変身できる種族であるナバテアの民が、竜であり神としてフォドラ中に散らばって各地を治めていたのですが、ナバテアの民に恨みを持つアガルタの民…いわゆる闇に蠢く者たちが、その状態を見返したくて画策したんです。ナバテアの民の死体から強力な武器を作る技術を人間に与える、というプランを立てて、それを人間であるネメシスに実行させたと。

その結果、力を得た人間はどうなるかというと…力を求めて、自分より大きな竜を倒して素材を剥ぎ取って、より強い武器を作って…というようになっていく。そうして生まれていったのがフォドラ十傑です。そこにセイロスが挙兵してネメシスと十傑を倒して平定し、のちに勝者であるセイロスが歴史を書き換えていったのが今のセイロス教の歴史になっています。

ようは、歴史とは結局、勝者のものでしかないということを込めているんです。なので、今作は全編通して、歴史について嘘を言っている人が多いですし、書庫の本の記述などであってもまったく信用できないんですよね。


同胞たちの亡骸から作られた紋章や英雄の遺産が重用されるフォドラの社会を、レアはどんな思いで見ていたのだろうか…

◆セイロス(レア)が歴史の中ではネメシスやフォドラ十傑を英雄として残したのはなぜなのでしょうか。

草木原 人間側からはネメシスや十傑は英雄だと思われているからです。人間を支配するうえで、人間の気持ちを完全に無視した歴史は作れないんですね。なので英雄として奉りつつ、他の都合のいい部分を書き換えていったという感じです。

とはいえ、セイロスたちが歴史に干渉しているのは人間を支配するためではなく、なるべく戦乱を小さくし調和を保ちやすくするのが目的です。地下書庫にあるように、文明の成長スピードが早くなりすぎるのを抑えたりもしていますね。それにも理由があるんですけど…そこは内緒ということで(笑)。


新型コロナウイルスの影響で残念ながら開催中止となった「ファイアーエムブレム EXPO II」。そのステージイベントで声優陣によって朗読される予定だったドラマの台本が、5月5日(火)17時から順次、期間限定で公開されます。
当インタビューで本名が明かされたクロードほか、ドロテア、フェリクス、イグナーツが登場する『風花雪月』バージョンのほか、翌6日(水)からは『覚醒』『蒼炎の軌跡』の台本も公開。イベントのためだけに書き下ろされたオリジナルストーリーをお家で楽しみましょう!

ファイアーエムブレムEXPOⅡ 公式サイト

【公開期間】
『風花雪月』
登場人物:クロード、ドロテア、フェリクス、イグナーツ
5/5(火)17:00~5/18(月)16:59

『覚醒』
登場人物:ルキナ、ジェローム
『蒼炎の軌跡』
登場人物:アイク、ミスト
5/6(水)17:00~5/18(月)16:59


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