『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』インタビュー2 新ファイターの秘密に迫る!

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スマブラSP、新ファイターの参戦理由などをきく!

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ディレクターの桜井さんに、インタビューを行ったニンテンドードリーム3月号の特集。
ここではその内容を、(多少のアレンジを加え)数回に分けてお届け。

[インタビュー その1 はこちら]

■新規ファイターについて

―― では、今作のファイターたちについてお聞きします。
全員参戦に加え、ダッシュファイターも含めて多くの新規ファイターが参戦しました。

桜井
以前行った「スマブラ投稿拳」で、比較的要望が多かったキャラクターは入っています。リドリー、キングクルール、シモン辺りはそうですね。

―― シモンとリヒターは、2人とも『悪魔城ドラキュラ』シリーズのいろいろな作品に登場していますが、本作ではどの作品での彼らを意識しているんですか?

桜井
いろいろな作品から部分的に取っているのは確かなんですが、基本はファミコン版及び『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』に見られるスタイルですね。
2D『ドラキュラ』の要素はだいたい『ドラキュラHD』に集約されているので。

―― この2人は「スマブラ投稿拳」での人気が参戦の理由ですか?

桜井
それもありますし、他社さんから何か1作出したいと考えた時に、あまり選択肢はありませんよね。
『ドラキュラ』シリーズでのキャラクターの知名度という点では、実はアルカードとかの方が有名かもしれないんですが…。

―― ああ、確かに。

桜井
『ドラキュラ』は歴史が深いんですよね。主人公が非常にたくさんいて、ムチ使いじゃないキャラクターもいますし。そこはもう割りきって、同じような作品があるときはなるべく初代寄りにしているんです。

例えばロックマンの場合は『11』まで出ていますし、『ロックマンX』なども入れればさらに多くのタイトルがありますが、音楽については初代や『2』とか『3』辺りが多くて、『4』以降になるとやや量が少なくなっていたりします。

他の作品もいろいろなシリーズがある中では、なるべくオリジンを尊重しています。

―― インクリングもそうですね。

桜井
インクリングはタイトル(『スプラトゥーン』シリーズ)の人気もありましたけど、参戦するのが当たり前と思われている節さえありましたね。

―― そう思います。

桜井
今見ると不自然な仲間外れに思われるようなものに、『ゼノブレイド2』や『ARMS』などの新作があるわけですが…、企画の最初に決めたもので進めなければならなかったという理由です。

―― タイミング的に難しかったと。

桜井
制作の真っ只中でこれから1人2人増やす、というのは無いですからね。

ムチに加えて豊富な飛び道具を持ち、リーチの長さはファイター随一!

■インクリングのインク処理はタイヘン!

桜井
インクリングは、「インクが残る」ということ自体が処理的にめちゃくちゃ難しいんです。
そういう意味では、今までのキャラクターの中ではいちばん困難だったかもしれません。

当たり前のように全キャラクターにインクが残りますし、全部の地形に色を塗りますけど、それってすごいことなんですよ。キャラクターやステージが増えると、都度、手間がかかりますし。

—— 確かに、ローラーの出現は驚きましたし、制作側はすごい手間をかけているな、という目線で見てしまいました。

桜井
でも、塗らないという選択肢は無いですからね。
そこでいろいろ頑張ってもらいました。

インクを塗った結果何が起こるか、ということも考えなけれないけなかったのですが、結果として今の形になりました。

—— インクが付着すると、インクリングから受けるダメージが増加すると。

桜井
はい。『スプラトゥーン』チームと最初にインクリングの参戦について話した時は、ふんわりとしか決まってなかったんです。

その時に聞いた話によると、どうもインクリングというのは、他人のインクを付けられることをとっても嫌うらしいんです。「身体に付いて不愉快なこと」をいろいろ解釈した結果、「自分のダメージが増える」というかたちになりました。

インクリングはインクを付けられるのが嫌い、という話が無ければ、今とは別のシステムになっていたかもしれません。

—— 確かに『スプラトゥーン』だと自分以外のインクで倒されちゃいますけど、そんな設定があったんですね。

桜井
単なる与ダメージ・被ダメージの世界ではないってことですよね。

—— 精神的な屈辱、みたいなものが現れているんですね。…ところでカラー変更したときのギアの組み合わせも、華やかでいいですよね。

桜井
これは、『スプラトゥーン』チームに決めてもらった組み合わせですね。

—— ゲーム内でよく使われている組み合わせなんでしょうか? 実際にナワバリバトルでも見かけるような。

桜井
トレンドもあるでしょうけど、基本的には『スプラトゥーン』の中からいいと思われるギアを選別してもらいました。

色合い等々についても、『スマブラ』における基本プレイヤーカラーにも合わせてもらったりしています。

■キングクルールの軽快なワザのヒミツ

—— キングクルールはパワフルで扱いやすいので、スピリッツ戦ではずいぶんお世話になっています。

桜井
「重量級だけど重量級っぽくないことをしている」というのがコンセプトです。便利な飛び道具を持っていたり、復帰力があったり…という。
「重量級の個性はこういうものだ」という殻をある程度破ったファイターですね。

原作に基づいた攻撃、飛び道具や復帰ワザなど、キングクルールらしくいろいろなものを使いながら、楽しく戦うというのがコンセプトに合っているんじゃないかと思いました。

原作プレイヤーにはなじみ深い「クラウンスロー」

■しずえをアクティブなファイターに !

—— しずえは、一部の必殺ワザなど、むらびとに近い部分もありますね。

桜井
「むらびと」らしいというのは、あくまで『どうぶつの森』のキャラクターであるという個性を大事にしたからです。

しずえもむらびととは異なるファイターで完全な作り直しになるので、同じワザを使う必要は、実はそんなに無かったんです。
だけれども、なんとなくむらびとっぽい、「しまう/とり出す」といった行動や『どうぶつの森』に登場するガジェットをいろいろ使った方がしずえらしいので、基本的に似たようなワザを使うようになっています。

—— パンチなどではなく、原作の道具を使って戦うのを見て安心しました(笑)。

桜井
つりざおで放り投げたり、役場を建ててふっとばしたりしているので、あまり原作どおりではないですけどね。

つりざおで相手をヒョイッと投げられる。意外とパワフル?

—— しずえさんはアクションゲームに馴染みのないユーザーにも有名だと思われますが、そういう層向けに扱いやすくしたりするようなことは?

桜井
そこまではサービスしていないですね。
むらびとがすでにマニアックな方向のファイターなので。

かといって、むらびとと全く違うものになったら、それはそれで扱いにくいですし。

—— 確かに、むらびとはテクニカルなファイターでしたね。

桜井
例えば、扱いやすくするために、スマッシュ攻撃で立てる標識の判定時間を長くしたらどうか、という意見がモニターチームからあがってきましたが、やり過ぎると「ハニワを埋めてけん制して、近づいてきたら標識を立てる」というだけの自分で一歩も動かないファイターになりそうでした。
それではやはり面白くないので。

—— 積極的に戦わない、というのは確かにしずえさんらしくもありますが…。

桜井
そういう部分に目を向けてしまい過ぎると、対戦する製品としては破綻するという予感がありました。「待ちを固める」のが初心者に対する優しさだとは思いませんし、やはり同じ土壌で戦わなければいけないというのも確かなので。

上スマッシュ攻撃は、ホイッスルを吹くと同時に標識が地面から突き出るワザ

■リドリーの大きさと細さを表現

—— リドリーはこれまでの『スマブラ』シリーズではボスキャラクターとして登場していましたが、ファイターとして製作する際に意識された点は?

桜井
身長がすごく大きいというところですね。
アピールで直立する瞬間を見られますが、それを普通のファイターと比べると本当にでかいんです。

リドリーはやっぱり大きくなければそれらしくなく、小さくなると小悪魔、小物的になってしまうんです。
そのでかさをどう出していくのか考えた結果として、ファミコンやスーパーファミコン等々での、手足を折り曲げている姿を参考にしました。

直立したら大きいけど、基本姿勢はファミコンらしく四角形に収まっているんですよ。

アピールで直立すると、クッパと比べても頭ひとつ分くらい背が高い

—— クッパやキングクルールなどと比べると完全に悪役然としたキャラクターですよね。海外でリドリーが人気だというのは、日本にいると正直あまりピンと来なかったりするのですが…。

桜井
悪役然として見えているのであれば、たぶん海外の人には喜ばしい感じにはなっているとは思います。

本当に大きくなければリドリーじゃない、という解釈の人もいるかもしれませんが。

—— リドリーの人気の理由というか、その魅力が何かということを意識されたキャラ作りであるわけですね。
実際の身長では、いちばん大きいキャラクターになるんですよね。

桜井
その分、体積は少ないんですけどね。

全体的に身体が細いファイターというのはけっこうやっかいで、被ダメージ判定をそのまま入れると当たったつもりが当たらなかったりするんです。
正中線に当たるべきポイントが無いので、明らかに見た目では食い込んでいるようでも当たっていない…というような。フォックスのブラスターのように、判定が細いものはするりと抜けてしまうんです。
なかなか難しいファイターの1つでしたね。

■ガオガエンのプロレスラーらしい凝り方

—— 新しい『ポケモン』シリーズからは、ガオガエンが選ばれたんですね。

桜井
株式会社ポケモンさんに話を持っていったとき、当時制作中の『ポケットモンスター サン&ムーン』の設定資料を見せてもらったのですが、最後まで選考に残ったのがジュナイパーとガオガエンでした。

どちらにしようか…。どちらでも面白くすることはできると思いましたが、結果的にガオガエンになりました。

—— 決め手となったのは?

桜井
やはり、あのキャラクター性がよいですね。
ジュナイパーならジュナイパーで、飛び道具を使っていろいろできそうでしたが。

—— プロレス主体で戦うファイターはいそうでいませんでしたね。

桜井
資料には「ベルトから炎の竜巻を出す」というイラストがありましたけど、それはあまりプロレスらしくはないので使うことはなかったです。
あくまでプロレスに凝るのが楽しい、と思いましたので。

ただ、プロレスというのも、世代によってぜんぜん感じ方が違いますよね。
自分は全日本プロレスと新日本プロレスが全盛期で、ゴールデンに放送していた時代なので。今は、プロレスがわからない人も多いんじゃないかなという。

—— 確かに…。

桜井
「昨日プロレス見たよ!」っていう人は、あんまりいないかもしれませんね(笑)。

常にアピールを忘れないその姿はヒールレスラーそのもの

■追加コンテンツも聞いちゃう ! パックンフラワー参戦の軌跡

今後追加されるファイターとして、早期購入特典「パックンフラワー」(編注:’19/1/30配信済み)と、追加コンテンツ第1弾で『ペルソナ5』の「ジョーカー」が発表されている。

ここについても、ぜひお話を…?

—— パックンフラワーの参戦は「まさか!」という思いでした。

桜井
ヒーロー然としたキャラクターだけが並んでいるゲームって、あんまり魅力が無いんですよね。あくまでおまけなので、比較的自由に設定できるというのはあります。
「販売するキャラクター」としてパックンフラワーが1体、というのはさすがにいろいろ考えちゃうところはありますけど、おまけの1体として割り切ってもらえるなら、いろいろとこねくり回すこともできますし。

—— パックンフラワーがジャンプやダッシュをしたりしている姿だけでも、ギャップで楽しめますね。

桜井
例えば剣士のキャラクターだと個性を出すのが大変で、同じようなものになりかねないんです。やっぱり主人公って剣が好きなんですよ、時には斧でもいいんじゃないかと思いますけれど(笑)。

剣ばかり、そうでなくてもパンチやキックばかりだとゲームの個性が無くなっていくわけですが、パックンフラワーは「そこにしかないワザ」が山ほどありますからね。

—— 原作でのワザのバリエーションの広さも決め手だったと。

桜井
たくさん種類がいますから。

あと、忘れがちなことなんですけれど、パックンフラワーって超有名ですからね(笑)。

—— もちろん、忘れていませんよ!

桜井
意外と、みんなそれを忘れているんじゃないかと。

ゲームを知らない人でもパックンフラワーは知っていますし、知名度という点では他の新ファイターよりも高いかもしれません。
歴史もありますしね。

—— 知っているからこそ、みんなビックリしていたわけですし。そう考えると、新ファイターの中でも大御所ですよね。

桜井
もしファイターの楽屋なんかがあったとしたらVIP待遇じゃないでしょうか(笑)。
「パックンフラワー様」って表札が出ますね。

パックマン様の歴史にはかないませんが、35年ほどの経歴をもつ大御所(?)であるパックンフラワー様

ニンドリ3月号の特集では、パックンフラワーの魅力に迫る記事も。 プチパックン、フーフーパックン、ノビノビパックン、どくパックン…さまざまなパックンの世界へご案内です!

・・・・

『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』×『ペルソナ5』ジョーカー参戦決定記念!桜井政博さんSPECIALインタビュー!(atlustubeより)

↑前編集長カズヤがインタビュアーを務めてたりします。こちらもぜひ。


次回は、そのほかの気になるお話について更新予定です!
(スピリッツや灯火の星については、ニンドリ4月号で掲載予定)

[インタビュー その1 はこちら]

[ニンテンドードリーム 3月号の詳細はこちら]

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