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【クリア済・ネタバレなし】『メトロイドプライム4 ビヨンド』レビュー。遊びやすさをアップしつつシリーズに新たな魅力をプラス!

2025年12月4日(木)発売の『メトロイドプライム4 ビヨンド』を先行レビュー。未知の惑星を主観視点で自由に探索する「メトロイドプライム」シリーズ最新作の遊び心地を、ネタバレなしでお届けします。

(レビュアー:ニンドリ編集部ひろぽん)

360度を自由に探索! 惑星ビューロスでの「濃密」体験

18年ぶりの完全新作『メトロイドプライム4 ビヨンド』を率直な感想を一言でまとめるなら、「濃密」。体感では、クリア時間の倍ぐらいは惑星ビューロスで過ごしていたような気がします。

ヴァイオラ(バイク)で無心のままにのんびり走り回っていたり、簡単な謎解きに気づかず右往左往したりしていた時間もけっこうあったのですが、それらを含めてもなお「濃密」なゲーム体験でした。エンディングを迎えて「うおおおおおお!?」となり、早く2周目に突入したい気持ちを抑えてこのレビューを書いています…!
(本レビューでは、ストーリーのネタバレは極力控えています)

「メトロイド」ならではの“遊びやすさ×手応え”

『メトロイドプライム4 ビヨンド』は宇宙の賞金稼ぎ「サムス・アラン」となり、未知の惑星「ビューロス」を探索する“ファーストパーソンアドベンチャー(FPA)”です。3Dの主観視点で戦うシューティング要素だけでなく、情報を集めて仕掛けを読み解くアドベンチャー要素も豊富に盛り込まれています。

情報収集の基本は「スキャン」。Xボタンで視界をコンバットバイザー(戦闘用)とサイキックバイザー(情報収集用)に切り替え、サイキックバイザーで対象をスキャンすることで、その正体や攻略のヒントを得られます。

ギミックをスキャンすれば作動させるためのヒント、敵をスキャンすれば弱点や攻撃方法が判明する仕組みで、これらを手がかりに道を切り開いていきます。
もちろんシューティングの腕前も要求されますが、それと同じくらい頭も使わなければいけません。先ほど述べた「濃密」なプレイ体験というのも、この頭を悩ませる時間の楽しさゆえのものです。

スキャンによると「接触しての爆破」が必要らしい。ということは、遠距離攻撃の「ミサイル」とは別の攻撃手段が必要だな…ということがわかります

探索を進めると、サムスは新たな武器や能力を獲得します。高熱の「ファイアショット」で可燃物を焼いたり、「アイスショット」でマグマを凍らせたり、「サンダーショット」で機械を起動したりと、能力の拡張に伴って探索できる場所も広がっていきます。これが「メトロイド」の醍醐味ですね。

本作のサムスは、アームキャノンやモーフボール(シリースおなじみの丸まり状態)の武装に加えて、さまざまな「サイキック能力」を習得できます。「コントロールビーム」で軌道を変えられるビームを放ったり、「サイキック・チェーン」でグラップリングしたりと、サイキック能力は多種多彩。謎解きでも戦闘でも活躍してくれます。

コントロールビーム発射中は「時間がゆっくりになる」のがポイント
“複数の箇所を同時に攻撃する”必要に迫られた時などにも使えます

武器も含めれば、サムスの行動の選択肢は本当に多いんですが、「何をやればいいかわからなくて詰まる」という場面はほとんどありませんでした。この辺りの難易度の設定はさすが絶妙です。戦闘では「これを使っていたらもっとスムーズに倒せたかも」という場面はそこそこあったかもしれません(2周目でいろいろ試したい…!)。

「今はこの先へは行けなさそうだな…」と感じた場所には、マップ画面でマーカーを残しておくのが便利。後から新しい能力を得たとき、「どこにその仕掛けがあったっけ?」という迷いを減らせます。

「メトロイド」シリーズを未体験の人に伝えておきたいのは、「難しそうに見えても、本当に進めなくなることはまずない」ということです。どうしても進めないときは、まず周囲を丁寧にスキャン。それでもダメならいったん引き返して、別のルートを探すことで道がひらけたりします。
さらに、今作ではフィールドで仲間と通信して「次に行くべき場所」を提案してもらえるのも親切。本作で登場する「仲間たち」、本当に個性的、かつ頼りになるので愛着が湧いてくるんですよ…。

サムスに仲間って必要なの!?

惑星ビューロスでは、サムスと同じように飛ばされてきた銀河連邦の兵士たちを救出することになります。特殊技能兵に狙撃兵、戦闘用アンドロイドなど、それぞれの得意分野を持つ彼らはさまざまな場面でサムスをサポートしてくれます。

「オタク」を自称するマッケンジー特殊技能兵。武器の整備や修理が得意
ビューロスに遺された技術をもとに、サムスの新装備を開発してくれることも

状況によっては、彼らと共闘することもあります。無数の敵に囲まれるような場面では特に頼もしく感じるはず。『メトロイドプライム3 コラプション』などでも、サムスが銀河連邦と協力するシーンは描かれていましたが、こうして本格的に共闘できるようになったのは感慨深いです。
最初は「メトロイド」で一般兵を引き連れなくてもいいんじゃ? と思っていたんですけど、ストーリーの要所要所でしっかり活躍してくれるので「仲間っていいよなあ…」と素直に感じました。

個人的な印象ですが、従来の2Dアクションである「メトロイド」シリーズにしろ、一人称視点で3D空間を探索する「メトロイドプライム」シリーズにしろ、基本的に「孤独感」「閉塞感」が特徴だったように思えます。言葉だけを見るとネガティブな雰囲気を感じるかもしれませんが、「メトロイド」においてはこの2点が大きな強みとも言えます。単独でハードな任務に挑むサムスの「孤独感」は彼女のタフさを強調し、主人公としての魅力とプレイヤーとの一体感を増してくれました。また、謎と危険だらけの未知の領域を進む「閉塞感」は、ギミックを解いて行き先がひらけたときの解放感をより強いものにしてくれました。

『プライム4』の新要素である、「サムスと共闘する銀河連邦の仲間たち」に加え、後述する「広大なフィールドをバイクで走り回る」というシステムを知ったときは、この孤独感と閉塞感を薄めてしまうんじゃないか? とちょっと懸念していたんですね。プレイしてみると、仲間たちは決してサムスの活躍を食うことなく、「頼りになるけど、守らなければいけない存在」という立場でした。彼らのおかげで、孤独感が生みかねないストレスだけを軽減しつつ、主人公としてのサムスの活躍ぶりがより強調されているんです。非常に巧みな設定だなと思いました。

NEWバイク「ヴァイオラ」の爽快感は格別!

サムスの乗り物と言えばスターシップ(ガンシップ)! ですが、今作のサムスは未知の惑星に飛ばされているため、残念ながらスターシップの出番はあまりありません。その代わり…というわけではないでしょうが、サムスの新たな愛機として登場するのが「ヴァイオラ」と呼ばれるバイクです。

流線形のボディが似合い過ぎる…! あまりに自然に馴染むデザインで、むしろ「今までサムスがバイクに乗っていなかったのが不思議」と感じるほど。ちなみに本作のサムスが装着している赤いスーツは、ヴァイオラを操縦するための専用スーツです。

今回の冒険の舞台となる惑星ビューロスには広大な砂漠「ソルバレイ」が広がっていて、その周囲に緑のジャングル「フューリーグリーン」、灼熱の火山地帯「フレアプール」、極寒の氷雪地帯「アイスベスト」、地底深く広がる鉱山「グレートマインズ」といったエリアが点在しています。各エリアを隅々まで探索し、元の惑星に戻るために必要となる「マスターテレポーターキー」を集める…というのがゲームの大きな目的となります。

ゲーム序盤、フューリーグリーンを抜けた先で砂漠に放り出されたときは、あまりの広さに面食らうはず。「未知の惑星に放り出された」という心細さを体感できます。しかしヴァイオラを入手するとこの砂漠への印象は一変し、「全力で駆け抜けられる爽快なフィールド」へと早変わり。この広大さのおかげで、先ほど述べた「閉塞感」が生みかねないストレスも軽減されている印象です。

敵もたまに出現するけど、相手せず無視して突っ切ってしまう手も

各地には「祠」とよばれるスポットもあり、内部では各種装備を駆使する謎解きも待ち受けています。深部までたどり着けばパワーアップアイテムが…!

砂漠のあちこちで見かける緑色の鉱石「グリーン・クリスタル」。見かけたらヴァイオラで体当たりして集めておきましょう。一定数以上集めてフューリーグリーンの「記憶の祭壇」に捧げると、サイキックビームの強化などが行えます。

探索の楽しみは「メトロイド」の重要なポイントですが、入り組んだ洞窟や施設だけでなく「広大なフィールドでの探索」の楽しみも味わえるのがなかなか新鮮でした。ただ、いわゆる「オープンワールド」ゲーム的なものを期待すると「淡泊だな」と思うかもしれません。砂漠には祠のほかにも地面に埋まったアイテム、建造物のガレキなどもありますが数はそれほど多くはなく、大量にあるグリーン・クリスタルを回収するのがメインになります。

とはいえ、こちら(砂漠の探索)に比重が寄り過ぎると「メトロイド」らしさが薄れてしまうような気もしますし、現状の「エリア間の移動に遊びをプラスした」という程度のバランスはベストに思えます。

ヴァイオラでタイムアタックに挑んだり、搭乗したままボスと戦ったりする場面もあるのですが、どちらも難易度は「ほどほど」なので安心。とあるボスはやたら時間はかかりましたが、これは攻略法に気づけばスムーズにいけたはず。

Switch 2 のマウス操作ってどんな感じ?

今回プレイしたNintendo Switch 2 Editionでは、マウスによる操作も可能です。マウスだと照準をあわせやすくなるのが最大のメリットですね。

マウス持ちにすると自動的に操作が切り替わるよう、オプションで変更することもできます。探索中はふつうに2本持ちで操作して、戦闘になったら右側のJoy-Con 2 をマウス持ちにすれば瞬時に切り替えられるというわけです。マウス操作は、わざわざ広い机やマウスパッドなどを準備しなくても、自分の腿の上などでJoy-Con 2 をすべらせることでもマウス操作できます。

今回、ロックオンしたうえで、さらに特定の部位を狙う必要があるボスも少なくないので、そうした相手と戦うときはマウス操作のほうがスムーズかも? と思いました。ただ、基本的に私自身はJoy-Con 2 充電グリップに付けたままで操作してプレイしていましたし、決してマウス操作は必須ではありません。

「メトロイドプライム」シリーズとしては久々の新作となる『メトロイドプライム4 ビヨンド』。今回の先行プレイで、「シリーズの良さはそのままに残しつつ、新たな魅力を打ち立てた意欲作」という感想を抱きました。初プレイの人はもちろん、シリーズファンも新鮮なゲーム体験を満喫できるはず。
惑星ビューロスの謎、サイラックスとの因縁、そしてサムスと仲間たちを待ち受ける結末…。ぜひ、みなさん自身の目で確かめてもらいたいと思います。

<関連リンク>
▶︎ トピックス – はじめて「メトロイドプライム」を遊ぶ方へ。シリーズの歴史から『メトロイドプライム4 ビヨンド』のポイントまで一挙にご紹介。

<製品概要>

■メトロイドプライム4 ビヨンド
発売日:2025年12月4日(木)
価格:パッケージ版 7,980円(税込)/ダウンロード版 7,980円(税込)
対応ハード:Nintendo Switch
CERO:12歳以上対象
▶︎公式サイト

■メトロイドプライム4 ビヨンド Nintendo Switch 2 Edition
発売日:2025年12月4日(木)
価格:パッケージ版 8,980円(税込)/ダウンロード版 8,980円(税込)
対応ハード:Nintendo Switch 2
CERO:12歳以上対象
▶︎公式サイト

■メトロイドプライム4 ビヨンド Nintendo Switch 2 Edition アップグレードパス
発売日:2025年12月4日(木)
価格:ダウンロード版 1,000円(税込)
対応ハード:Nintendo Switch 2
CERO:12歳以上対象
▶︎公式サイト

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©︎ Nintendo

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