姫川明先生にインタビュー!「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」5巻のエピソードに迫る

スマホアプリ「マンガワン」で連載中の「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」
8月28日には、5巻が発売となりました。

ゲームの名場面がコミックで蘇る&ゲーム再現にとどまらない物語を楽しめる!

「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を始めとして、たくさんの『ゼルダ』タイトルが姫川明先生によってコミカライズされていますが、これまでと違うのは長編でじっくり描かれているという点。

とくにこの5巻には、ゲーム『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』の中でも重要で印象的なシーンがたくさん詰まっているんです!
傷だらけのミドナ、ついにマスターソードを手に入れるリンク、そして砂漠の処刑場へ…。
ひとつひとつのシーンが、じっくり描かれています。

また、ゼルダ姫とミドナの過去や、ハイラルの歴史から消えた町など、コミックならではのエピソードと掘り下げも見どころです。

そんな5巻の発売を記念し、姫川明先生に制作秘話を語っていただきました!


Q
ゲームのシーンの再現として、こだわった表現の部分について教えて下さい。たとえば、ザントの口の動きの再現は驚きました!

姫川:
ザントがミドナに言い寄るシーンはゲームをプレイした人はみんなが印象に残っているところだと思うので、イメージの差異がない再現をしようと思っていました。
驚いてくれたら嬉しいです(^^)。
コマ割りの間合いを工夫して同じような「流れ」と思えるようにしたり、一言発するのに3コマ使ってあともう一歩くどく演出を加えてみたり。

漫画はゲームとは面白いと思う部分が違いますから、ゲームをプレイした人には読んだ時に「心地よい違和感」を感じて貰えるような演出を心がけています。
同時に初めてゼルダの世界に触れる人にも面白くあって欲しいので、その両立をいつも考えながら構成しています。

Q
ミドナとゼルダの幼少期のエピソードが印象的です!連載開始前から考えていたとのことですが、この部分の掘り下げについて教えて下さい。

姫川:
「トワイライトプリンセス」は光と影の姫たちの物語でもあると思います。
アイデアの元は、ゲームをプレイしてゼルダ姫のセリフからミドナとは初対面ではない事がわかりますが詳しいことは出てこないので、どうやってこの二人が出会ったのかと考えてこのエピソードが浮かびました。
すぐそばにいるほど姿が見えているのに二人の間には大きな隔たりがあって「会う」ことは叶わない、という少女同士の友情が存在したらとても美しいし光と影の世界を象徴するようなドラマになると思いました。

「トワプリ」は実は、ゲームをプレイしていてクエスチョンに思ったことを膨らませてストーリーに活かしていることがあります。
原作との整合性を崩さないようにバランスを取るのが大変なんですが、そこはぜひ読者の皆さんに漫画ならではの楽しみ方をして欲しいなと思って、構成を考えます。

楽しんでもらえるか、嫌がられるかもしれないな…など蓋を開けるまでいつも内心ヒヤヒヤしてたりするので、良い反応をいただくととてもホッとします!

Q
「トワイライトプリンセス」では、マスターソードのシーンもこれまでにはないダイナミックさで演出されていると思います。描き方のこだわりや、その感想などについて教えて下さい。

姫川:
「時のオカリナ」のリンクを描いた時には強さとソフトさがうまい具合にブレンドされて自分的には表現しやすかったのですが、トワプリのリンクはそのソフトさがなかなか作れない、どうしても険しい表情になってしまうので、果たしてこれでいいのかと最初はかなり苦心しました。

けれど先日久々に(任天堂の)青沼さん、中野さんと打ち合わせをさせていただき、改めてこの「圧」がトワプリのリンクなんだなと納得しました。
ただその「圧」に立ち向かう(表現する)のに結構なエネルギーが要るので、決めるシーンであったり単行本のカバーを描く時は今でもかなり緊張します。

マスターソードを抜くシーンはどのリンクの物語でも重要なので、毎回その「リンク」に見合う演出を考えますが、今回は原作のシーン通りにコマ割っていて、自然にあの見開きが浮かびました。(漫画はよく「キャラが勝手に動く」と言われるんですけど)キャラクターに同調していくと、自然に次のコマが引っ張り出されて来るような感じです。

あとはそのイメージにいかに忠実に描き上げるかというお仕事ですが、ネームチェックの監修で青沼さんが「今までで一番カッコ良く」とのコメントを下さったので、トーンワークのアシスタントさんも気合が入って何割増しかになったかも知れません(笑)。

「トワプリ」リンクは〝リンク〟には珍しい強めの台詞をよく言いますが、この人間臭さがきっと彼のキャラなんだと思います。
これから彼がどうなっていくか、正念場とも言える試練が待っています。それは頭の中で大体見えてはいますが、実際どうなるかは描いてみないとわかりませんので自分でもドキドキしてます。

編注:
青沼さん…青沼英二さん。ゼルダの伝説シリーズ総合プロデューサー
中野さん…中野祐輔さん。『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』ではキャラクターデザインとアートワークを担当

Q
5巻は山場が続きますが、アゲハにルイーズ、レジスタンス、マロマート店員など主要人物以外も多数登場します。(5巻に限らず)サブキャラクターも意図的に多く入れているのでしょうか? また、その見所について教えて下さい。

姫川:
「トワプリ」は長編なのでキャラクターもそれだけ多く登場させることが出来ますし、せっかくなのでリンクにいろいろ絡めようとしています。それでも尺の関係で出せないキャラがたくさんいるのですが…。

レジスタンスは『ゼルダ』には珍しくチームでリンクに絡む人たちで「トワプリ」の特徴の1つですし、「入れて欲しい」というリクエストも何件かあったので出来るだけストーリーに絡めています。『ゼルダ』って大抵リンクが一人で世界を背負って敵と戦ってるので、複雑な人間関係が出て来るのは珍しいですよね。

やっぱり人間が相手だとリンクが今までにない人間臭い反応をするんです。長いこと『ゼルダ』の漫画を描かせて頂いてますがこれは初めてのことなので、描いていて面白いですし楽しんでいます。


ゲームを遊んだ人でこそわかる、あんな場面やこんな場面の魅力。
遊んでいない人でも、光と影の対比やリンクの心情をじっくり楽しむことができるストーリー。

影の世界を目指し、物語は後半へ・・・・!

連載中の「マンガワン」およびコミックスをぜひチェックしてくださいね。

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 5
■まんが/姫川 明 監修/任天堂
■8月28日発売 ■638円(込)
■B6版/192ページ
■ISBN 9784091427588

リンク マンガワン
ツイッター 姫川明先生(Twitter)

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