キャラかみ『バランワンダーワールド』大島直人さん(2021年5月号より)

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ゲームに“キャラクター”という形で命を吹き込んでくれる絵描きさんに、そこに込めた思いを訊く連載「キャラかみ」。今回は『バランワンダーワールド』にてキャラクターデザインなどを担当された、大島直人さんの登場です。

(ニンテンドードリーム 2021年5月号より)

・記事は修正&加筆している箇所もありますが、基本は掲載時と同じものになります。

大島直人さん
株式会社アーゼスト代表取締役副社長、およびゲームクリエイター・キャラクターデザイナー。代表作に3DS『ヨッシー Newアイランド』『Hey! ピクミン』のほか、スマホ向けアプリゲーム『テラバトル』など。
Twitter:NaotoOhshima

―― イラストを描くようになったキッカケは?
大島 物心が付く頃からお絵かき教室に通って絵を描いていました。それからTVアニメで「ルパン三世」が大好きになり、作画監督の大塚康生さん、そして原作者のモンキー・パンチ先生に憧れて「ルパン三世」の絵を描いていました。それが私の原点になるかと思います。そこからアレックス・ニーニョ(※1)さん、メビウス(※2)さんを知ることになり、海外へ目を向けることになりました。

↑初期デザイン案の一部

―― 『バランワンダーワールド』のキャラクターについてデザインのポイントや、苦労されたことなどを教えてください。

大島 今回はヴィジュアルワークスさん(※3)をはじめとして、優秀なスタッフに恵まれ、より洗練されたビジュアルになりました。私にとってスクウェア・エニックス社のイメージはモダン・ジャパンアートな感じを持っていましたので、それを実現できる弊社のデザイナー遠藤悠乃を起用しました。彼女はみなさんが知っているバランのイラストをほとんど描いています。レオとエマのキャラデザインも遠藤がメインで作成しました。ちなみに、私はラフ画などをスケッチブックにも描くのですが、ほとんどがプリントの裏紙だったり、目についた紙に殴り描きすることが多く、使い終わったら捨ててしまったりしました。今回は、その中で残っていた制作過程のラフ画を紹介させていただきます。


↑初期デザイン案の一部

レオ・クレイグ
大島 彼は他人と関わらずに、ダンサーを夢見る少年という設定で、決して誰もが好きになる少年ではありません。それをどう表現し魅力を出すかが大きな課題でした。

エマ・コール
大島 彼女は裕福な環境で育ったため特別視され、他人からの妬みを感じて人を信じられなくなりました。本当はみんなと普通に仲良くしたいという願望がある少女です。ただ大人しい少女というよりも、スポーティなスタイルで元気さも出るように気を付けました。そんな感じをヴィジュアルワークスさんもとても良く表現してくれたと思います。

ティム
大島 ハピネスエリアの住人であるティムは、毛玉でシンプルなキャラクターになります。私がこだわったところは、気になる部分としてくちばしを付けてもらったところでしょうか。遠藤がメインで作成しました。

バラン
大島 エンターテイナーで謎のマエストロ、ハットの影でニヤっとした口しか見えない、緑の太い髪の毛、この辺りがこだわった点です。詳しくは言えないのですが、彼がハットをどうして深く被っているのかなど、遊んでいただければ納得してもらえるかと思います。彼はデザインチームの優秀なスタッフがビジュアルをアップさせて生まれました。私自身もとても気に入ったキャラクターになりました。


↑初期デザイン案の一部
↑初期デザイン案の一部

ランス
大島 バランに似た体形でネガティブな感情の魔物であるネガティの王。彼も謎のあるキャラクターです。彼の背にはネガティブを感じさせる触手がうごめく。このキャラクターもほぼ遠藤がメインで作成しました。


↑初期デザイン案の一部

―― キャラクター作りで一番大事だと思うことは?
大島 キャラクターと言っても色々と用途によって異なると思いますが、私はマークとしても成立できる特徴を持つことを大切にしています。それは物語のテーマや性格、そしてそれらをイメージできるビジュアルでもある必要があります。条件はより多く持ち、それらを満たすことができるキャラクターは私にとって良いキャラクターとなります。


↑初期デザイン案の一部

―― 大島さんが「目指す絵」とは?
大島 私はデザイナー気質が強いと思います。ですから、これまでのゲーム制作もゲームデザインを行っている時間の方が多いと思います。ただ、絵は上手くなりたいと思いますが、絵一本で活躍されている方と比べると恐れ多い感じです。ターゲットに合わせて目指す絵も変える方だと思います。


↑今回のニンドリのため大島さんが描いたバラン!

神サマ教えて! ショートQuestion

Q.人生で初めて描いたイラストは何ですか?
A.小さいころから絵を描いていたので、覚えていません。ルパン三世ですかね?

Q.好きなイラストレーター・マンガ家さんは?
A.ウォルト・ディズニーさん、メビウスさん、鳥山明さん、宮崎駿さん、モンキー・パンチさん。私は彼らの作られたものに感動して、少しでも近づいて、また誰かを喜ばせたいと願っています。

Q.好きなキャラクターは?
A.ロバート・ダウニー・Jr.さんが演じたトニー・スターク(※4)でしょうか。映画で初めて号泣しました。

Q.今まで遊んだ中で一番好きなゲームは何でしょうか?
A.『トゥームレイダー』シリーズ(※5)ですね。

5.今遊んでいるゲームは?
A.忙しくしていて遊んでいませんが、落ち着いたら『Marvel’s Avengers(アベンジャーズ)』(※6)を遊ぶ予定です。

Q.この仕事をしていなかったら今現在どんな仕事をしていたと思われますか?
A.広告デザイナーでしょうか? 今となってはちょっと考えられないです。

Q.最近感動したことを教えてください。
A.新型コロナウイルス感染症の影響で動画配信サービスを利用しているのですが、「梨泰院クラス」(※7)は素晴らしいと思いました。

※1:マーベル・コミック作品やディズニー映画作品のコンセプトアートなどを手掛けたフィリピン出身の漫画家
※2:本名ジャン・ジロー。フランス出身の漫画家で、「エイリアン」をはじめとして多数のSF映画にもデザイナーとして関わる
※3:スクウェア・エニックス社内のCG映像制作専門チーム
※4:マーベル・コミック原作「アイアンマン」の主人公。実写映画版ではロバート・ダウニー・Jr.が演じた。
※5:スクウェア・エニックスが発売しているアクションアドベンチャーゲームシリーズ
※6:スクウェア・エニックス販売による、マーベル・コミックのスーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」が活躍する作品
※7:飲食業界での成功を目指す若者たちを描いた、韓国のケーブルテレビ局JTBCにて放送されたドラマ


バランワンダーワールド 公式サイト

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