FE風花雪月インタビュー vol.1-1【追加コンテンツ前編】〜サイドストーリーで目指したもの〜

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2月13日に配信された追加コンテンツ最終弾、サイドストーリー「煤闇の章」についてお話をお聞きしました。サイドストーリー制作の経緯や狙い、そこに込められたお二人のユーザーへの想いを紐解きます。
※こちらはニンドリ2020年5月号に掲載されたインタビュー記事のアーカイブです

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任天堂 
横田弦紀さん(よこたげんきさん)

インテリジェントシステムズ
草木原俊行さん(くさきはらとしゆきさん)

サイドストーリー「煤闇の章」

サイドストーリーの舞台はガルグ=マク大修道院の地下に存在する街「アビス」。様々な事情を抱えアビスで暮らす第四の学級「灰狼の学級」の4人と、とある秘宝にまつわる物語が展開する

サイドストーリー「煤闇の章」追加コンテンツの詳細はこちらをチェック!

一度は無くなった“ガルグ=マクの地下迷宮”のアイデアから生まれたサイドストーリー

── まずは追加コンテンツの全弾配信おめでとうございます。

横田草木原 ありがとうございます。

横田 やっと一息つけるな〜という感じですね(笑)。

── 本当にお疲れ様でした。最後の追加コンテンツであるサイドストーリーのお話が作られたのは、本編の物語が固まった後だったのでしょうか、あるいは本編制作と同時進行だったのでしょうか。

草木原 制作開始自体は本編より後からですが、もともとガルグ=マクに地下迷宮を作りたいというのは、開発初期から構想としてありました。でも、どうしても物量などの都合でカットされていたんです。追加コンテンツを企画する時に、そういったオミットされた部分をもう一回活かせないかと考えたのが、今回のサイドストーリーの発端ですね。ですので完全な後付けではなく、本編を作っているときから考えていた設定や伏線を盛り込んだ内容にはなっています。主人公のお母さんについてもそうですね。

横田 でも第四の学級の4人については、完全に後から考えていきましたよね。

── 追加となる人物については追加コンテンツの制作が始まってから作り始めて、そこから本編にも登場することになったんですね。

横田 そうですね。本編の開発終盤に、「今回の追加コンテンツはどうしましょう?」と相談するタイミングで、「悪魔的な考えを思いつきました」って、草木原さんの口癖が出て。

一同 (笑)

横田 第四の学級のコンセプトを聞いて、それなら追加コンテンツの目玉となるサイドストーリーとして面白くなりそうだと感じました。

── 伏線が回収されていたり、本編の物語と絡みがあったりしたので、サイドストーリーの構想も本編と同タイミングで作られていたのかと思っていました。

草木原 実はそうでもないんです。

横田 そこは開発を担当してくれたコーエーテクモゲームス(以下、コーエーテクモ)のスタッフさんがうまく盛り込んでくれました。

新たなキャラクターがもたらす 新しい変化を楽しみに もう一度本編を遊んでほしい

── サイドストーリーはパラレルワールドのお話なのでしょうか?

草木原 一概にそうとも言い難いですね。パラレルほど完全に切り離されたものではなく、あの物語はユーリスたちの中では本当にあったことだと、僕の中では思っています。本編で出会う4人は主人公と初対面の挨拶をしますが、本編の彼らもなんらかの方法であの事件を解決したんだろうと想定しています。その場面に主人公が立ち会えた場合の物語、というのが「煤闇の章」の位置付けだと思っています。

サイドストーリーのEp.1をクリアすると「灰狼の学級」のキャラクターが本編第一部に登場。サイドストーリーの進行に応じて、スカウトして自学級に加えることもできるようになる

── 本編からサイドストーリーに登場するキャラクターはどのように選定されたのでしょうか?

横田 まず、級長は全員登場させたい、というところから始まりました。

草木原 級長が共闘する物語を作りたいというのが根底にあったので、級長3人は最初から決まっていました。あとは各クラスからひとりずつ、戦力的な面でこういう性能の人がほしい、と想定したうえで、得意な技能的にもしっくりくる人物を選んでいます。あとは第四の学級の登場人物と関係のあるキャラクターですとか。とくにリンハルトは紋章について突っ込んだ話ができますので、サイドストーリーの重要な部分の会話を回す役としても選定しています。あとはアッシュでいえば、アビス暮らしに強く共感を持てるので話が広げられそうだな、とかですね。

── ユニットとしての役割から選ばれた点が大きいんですね。たしかに、「煤闇の章」の戦闘マップは本編に比べて特殊なルールのものが多く、歯ごたえを感じました。マップはどういったところを意識して制作されたのでしょうか?

草木原 本編とまったく同じ遊びだとやはりどうしてもダレてしまうので、本編とは違った遊びを入れよう、と思いました。従来の『FE』のような、詰将棋に寄せたバランスのマップを作りたいという話を開発チームとしましたね。

横田 ステータスを本編から引き継ぐ形式も考えたのですが、どのタイミングで遊ぶかによって簡単すぎたり難しすぎたりしてしまうので、今回は本編からは独立させました。最初はレベルアップも無しで作ろうかという案もあったんです。最終的には好きなキャラをレベルアップさせて強くできるので、遊びに幅が出て良かったなと思います。

指定の場所まで指定のターン数までにたどり着く、など本編にはない特殊なクリア条件のマップも登場する

── 兵種もある程度変更できますが、戦略的に兵種変更するのがおすすめ、というキャラはいますか?

横田 そこはもう好みかなと(笑)。

草木原 基本的にデフォルトの兵種のままクリアする想定でレベルデザインしています。どのステータスが成長するかはランダムなので、それによってはこっちの兵種のほうが活躍できるかも、と試行できる程度の振り幅にしていますね。

── 本編のほうで、ユーリスたち追加キャラクターとサイドストーリーには登場しないキャラクターとの支援会話を実装したのはなぜですか?

草木原 もともとサイドストーリーで追加になるキャラをどう本編に組み込むかというのは、企画当初からいろいろと検討していました。やはりサイドストーリーだけで完結してしまうのはもったいないなと思って。サイドストーリーを遊び終えて、本編にそのキャラクターを連れていった時に、また新しい変化がある。それでもう1周本編を楽しんでほしいなと思って作っています。

本編における支援会話では、灰狼の学級の4人と三つの学級の生徒たちとの、意外な関係性も明らかになる

横田 すでに4周楽しんでいただいていた方には、申し訳ないな〜って気持ちもありましたけどね(笑)。

一同 (笑)

草木原 あと1周やってね、と(笑)。

横田 本当は、発売された時に1周していただいて、追加コンテンツが配信されたタイミングでもう1〜2周してくれるかな、くらいの期待をしていたんです。そうしたら、結構な数の方が複数ルートを遊んでくださっていて。ちょっと申し訳ないなあと思いながら、追加コンテンツを作り進めていました。

草木原 僕は、ゲームというものはその中に広がっている世界や物語を、自分の経験であるかのように疑似体験できるものだと思っているんです。僕自身も、映画やゲームにはのめり込むタイプなので…。まずは1周遊んでどっぷりとこの世界を経験してもらって、それからだれかとこのゲームについて感想を話し合ったときに、同じものを遊んだはずなのになぜか全然話が噛み合わない…というイタズラを仕掛けようとしたんですね。

たとえ同じ学級を選んでいても、スカウトしたキャラクターによって話が合わなかったり、「そんなシーン見てないよ」って盛り上がったりしたら面白いんじゃないかなと思っていたんですが…まさかみなさんそんなに何周も遊んでくれるとは思っていなくて(笑)。

横田 話しているなかで知らないことが出てきたとしても、そこで終わりではなく「それなら自らの手でもう一回体験してみたい」と思ってもらえるきっかけになった、ということなのかもしれませんね。

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