FE風花雪月インタビュー vol.3-1【本編一問一答&ユーザーの皆様へ 前編】〜大修道院・猫・食堂…様々な疑問に迫る〜

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 3つの国や大修道院について、たくさんの猫たちや食堂のメニュー、そして歴代作品とのつながりや違いまで『ファイアーエムブレム 風花雪月』の気になる疑問についてお聞きしていきます。
※こちらはニンドリ2020年5月号に掲載されたインタビュー記事のアーカイブです

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任天堂 
横田弦紀さん(よこたげんきさん)

インテリジェントシステムズ
草木原俊行さん(くさきはらとしゆきさん)

まだまだ訊きたい一問一答!
〜本編ストーリー&世界観編〜

 本編についてもまだまだ訊きたいことがたくさん! 大修道院についてやこれまでの『FE』シリーズとの関係性についてなど、素朴な疑問や気になることをいろいろと尋ねてみました。

◆大修道院の外観について、実際の建物や建築様式は参考にしましたか?

草木原 中世ごろに造られた世界遺産をいくつか参考にしています。フランスにあるものが多いかな。いろいろと組み合わせているので、最終的な見た目はモチーフにしたものとはかなり違うものになっています。

大修道院のもともとのコンセプトは要塞なんです。名目は大修道院だけど、実際は地下の●●【編注:ネタバレ防止のため伏せ字】を守るために築かれた巨大な要塞で、防御力に優れているというイメージでした。今は違いますが、要塞なので厚い城壁があってその中が学生寮になっている…という設定も最初はありました。

地下水を汲み上げて貯水するところもあるし、そこから敷地全体に水を送れるように水路があったり、単独で何か月も籠城できるような構造になっています。

横田 土地的にも山の上にあって、攻めづらい場所に建っていますしね。

◆大修道院には、なぜあんなにたくさん猫がいるのですか?

草木原 実はもともと、大司教レアが小動物が好きという設定があったんです。最終版ではカットされていますけど、開発途中ではレアの部屋の隣に浴室があって、そこに動物の置物があったりしたので、開発スタッフがその辺りの設定を拾ってくれたんだと思うんですが…とはいえ、こちらからはあれだけの数を配置して、とは指示してないです(笑)。

横田 人だけだと寂しいよね、というのがあって、生き物を配置したような気がします。最初は猫だらけだったので後から犬も増えましたが、結局5:1くらいのバランスに…犬派の方はごめんなさい。あの世界は、猫が多い世界なのかもしれないです。

草木原 追加アップデートで見られるようになった品種名ですが、当初はミケとかチビとか固有の名前を出したかったんです。ただ、同じ柄の猫が複数存在していることもあって品種名になりました。貴族の姓っぽい名前は開発からアイデアを出してもらっています。犬猫と遊んだランキングを出したいです、っていうご提案もコーエーテクモさんからいただいたものです。

横田 最初に「わんにゃんランキング」って文字列を見た時は可愛さにびっくりしました(笑)。1位から順番に鳴き声が聞けるのも面白いですよね。

◆食堂で出されているさまざまな料理のラインナップはどのように考えていったのですか?

草木原 開発チームがかなりこだわって考えてくれました。

基本的には大航海時代の料理をモデルにして、ファンタジーならではのアレンジを加えています。とくに素材や調理法にリアリティを持たせたかったので、栽培できる野菜や釣れる魚などは風土から割り出して決めました。

ファーガス、レスター、アドラステアの各地方で、気候や文化が大きく異なるので、貴族や平民がどんな生活をしてどんな材料が手に入り、どんな味を好むかといったところも各キャラの好みと合わせて調整し、フォドラという世界観を構成しています。

さらに魔法があれば温室でこういうものも作れるだろうとか、氷の魔法があるからアイスクリームみたいなものも作れるだろう、という風にいろいろと検討していきました。

大修道院は山の上にあって少し寒めの気候なので、温室も魔法で管理しているんだと思います。あの世界は科学が発達する代わりに魔法がある社会なので、そういう風に応用を利かせたりしています。


その多彩さと魅力から、過去のニンドリでは食堂メニューを特集したこともありました

◆「白雲の章」の各節の最初に登場する 一枚絵はどのようなコンセプトで作られたものなのでしょうか。


第一部の各節で挿入される一枚絵。フォドラの人々が、巡る季節とセイロス教に寄り添って生きる様子を、ナレーションとともに美しく描いている

草木原 これも熟語などと同じように、歴史モノや戦記モノ感を出す目的ですね。東ヨーロッパのほうの美術様式を意識して作っています。長く続く歴史の1ページを見ているような雰囲気を出したかったのがひとつ、あとは世界観の広がりを表すためにナレーションを入れたかった、というのもあります。

横田 ナレーションに合わせてああいったイラストもあると、より重厚感が出ますし。

草木原 フォドラの空気感や匂い・季節感を、なるべく早い段階でユーザーに共感してほしかった、というのが第一にありました。『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』でダンジョンに入った時に聞ける、アルムやセリカの独白台詞に近いイメージですね。

横田 あのイラスト、最初は静止画だったのに最後の方で動画にしたいという話になりましたよね。

草木原 ギリギリでしたが、スタッフが頑張ってくれましたね。ちなみに、あのイラストは『Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン』のディレクターもしていたパウロ(パウロ・パトラシュクさん。イズ企画開発部所属)がすべて一人で制作してくれました。

横田 フォドラの独特な雰囲気が出ていて、僕もすごく好きです。

◆フォドラの三つの国について、それぞれのイメージや成り立ちについて教えてください。

草木原 それぞれ実在している国をイメージしながら膨らませています。
アドラステア帝国はイタリアのイメージですが、地名はドイツ語圏のものを使っていますね。

ファーガスはより北方のイメージで、古代ファーガスはガリア的なものをイメージしていて、時代の流れとともに、フランク王国など北ヨーロッパ的な雰囲気に変化していったイメージを取り入れています。

レスター貴族は文化的に優れたアドラステアの様式とファーガスの様式を引き継ぎつつ、目立ちたがりでオシャレにかぶれた感じをイメージしています(笑)。ファーガスから分離して出来た国なんですが、洗練された帝国貴族に憧れていて、様式を積極的に取り入れている…という裏設定があったんです。

横田 デアドラのマップとかはパラソルがあったりして、ちょっとオシャレな感じですよね。「草木原さん、これいいんですか?」って確認したりもしましたが、「いいですよ」と。

草木原 ちょっとキラキラしすぎた気もしないではなかったんですが、面白いし許容範囲かな、と(笑)。実はBGMにも国ごとのカラーを出したフレーズなどを取り入れているので、意識して聴いていただくと面白いかもしれません。

デアドラの戦場マップをよく見ると、水路沿いにパラソルが!

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