『WORTH LIFE(ワースライフ)』の魅力掘り下げインタビュー

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熱量高い制作の現場を、のぞき見る!

サウンドへのこだわりや、アピール、クラフトについてなど、システム面の制作秘話をうかがいました。

サウンドスタッフの熱いこだわり

─── 本作は、ご自身の会社を設立して、比較的小さめの規模での制作現場とのことで。だからこそ、はしもとさん自身が現場で作業できたという話でしたね。

はしもと:
はい。現場に入れて、すごく楽しかったですね。
今回のゲームはいわばインディなので、熱量はすごいと思うんですよね。技術的にこだわったものだったり、グラフィックがすごいものだったりを作るのは規模が大きくないと難しいので、作るアイデアと熱量で勝負することにしました。企画のひらめきシステムの部分もそうですし、サウンドの部分もそうです。
たとえば、ゲーム内で架空言語(ボイス)があるんですけど、最初は「音が鳴っていればいいよ」というスタンスで進めていたんです。でも、実際には単語一つ一つをちゃんと認識して鳴る今の仕様になりました。

─── セリフごとにちゃんとしゃべっているんですね。

はしもと:
はい。あるとき、「なんで?」というセリフのときに鳴らした音に対して、ピュアサウンドさんのスタッフが「『なんで?』の音はこんなじゃない! 使いまわしだ!」って言い始めたんですよ(笑)。よく聞いても分からない程度の違いだったので、「いやいや、分からないから大丈夫だよ」と言ったのですが、「無理です!」って拒絶されまして。そうしたらいつのまにか、架空言語専用の音声ドライバーが用意されていたんです(笑)。

─── ええ!?

はしもと:
「いや、どこまでやるねん!?」って思いましたね(笑)。

─── 確かに、通常はプロデューサーが止めるところでしょうね(笑)。

はしもと:
そうですね、どうなることかと思いました。
「セリフの音を全部入れ替えます!」ってスタッフに言われて、更に良くなるのならと喜びつつ、見守っていました。

プレイヤーを褒めてくれる、見えない人たち!?

─── サウンドといえば、敵を倒したときの「イエーイ!」 が嬉しいですね(笑)。

はしもと:
あれは私のほうから指定しているんですが、実は海外ドラマの影響を受けてるんですよ。
昔の海外のコメディドラマで、登場人物が何かおもしろいことをすると、クスクス…ってお客さんの笑い声が入るじゃないですか。でも、ゲームでは敵を倒しても誰も褒めてくれないんですよね。
「なんで攻撃音しかしないの?」という思いから、もっとドラマのように褒めてもいいじゃんという発想が生まれたんです。「すごい! 君すごい!」って常に褒められれば、より気分よくゲームを楽しめると思うんですよね。

─── 見た目のデザインが「現実の特定のものに当てはまらない」ようにしているからこそ、海外ドラマなどいろいろな要素を取り入れても違和感ないんですね。

はしもと:
ただ、この歓声のシステムを説明したら、はじめは「はぁ?」って言われたんです(笑)。「ドラマみたいに、何かをしたら『イエーイ!』とか、『グレイト!』って言うんだよ」って言っても、「え? 誰が?」という反応でしたし、それに対して「見えない人だよ」と言ったら、「えぇ!?」という反応が返ってきました(笑)。システムに落とし込むまで、ピンときていないスタッフもいました。

─── (笑)

はしもと:
しかも、最初はもっとうるさかったんです。ノーダメージで倒したときとか、何かを達成したときにだんだん歓声が大きくなる形式にしたいと思っていたんですけど、うるさくなりそうで、かなわなくて(笑)。
そこで、敵を倒したときとか全滅させたときとか、場面に合わせて歓声が起こる今の形式になっています。

─── 確かに、全部倒したときの特別な「イエーイ!」は嬉しいですね。

はしもと:
あれが完成形のイメージですね。「キミ、天才!」って褒めてくれている人たちというイメージです。やっているユーザーさんが一緒に「イエーイ!」って言いながら、遊んでくれるといいなと思います。

悪い効果もつく!? アピールでのひらめき

─── アピールの仕組みは、どういった形で取り入れていったのでしょうか。

はしもと:
属性もそうなのですが、アピールをつけ替えてやり方を変えたり、こうやったら効率がいいのかなとか、ユーザーさんへの選択肢の中で、属性とともにアピールができていったという感じです。
あとは、体力がゼロになったときに、あれ、何かついちゃったぞみたいなものも…(笑)。

─── ああ…ゲームオーバーになったときは衝撃的でした!

はしもと:
あれも、実はスタッフの中でいろいろ意見がありました。
コンパクトなゲームでマイナス的なものがつくのは良くないんじゃないか、みたいな意見があって、 一度無くなったんです。

─── そうだったんですね。

はしもと:
でも、やっぱり尖ったゲームを作ろうということに加えて、プレイヤーに悪いことが一切起きないって、果たして本当にそれは良いことなのか、という思いがありました。
もちろん足を引っ張るだけではなくて、ゲームオーバーで悪いアピールが付いたからこそ、良いアピールを付ければ有利に進められることに気がついて、それを使ってもっと違う進め方ができる、みたいなことがあった方が良いんじゃないかと、意見がありました。
ジュピターさんの熱いスタッフからも、「悪いアピールをつけたい!」という要望があったので、なんとか残そうと話して(笑)。何回か形を変えながら、いろいろな結論を経て、最終的には入れるということで決まりました。

─── ゲームオーバーになったことで新しいアピールを発見できたので、少し得した気分すらしました(笑)。

はしもと:
装備の属性やなんやらの要素と同じように、ある種のひらめきというか。
ユーザーさんが気がついて、こうやったらもっと行けるのかな? 行けた! みたいな、自分が見つけたという形にできればという思いですね。

俺の作った剣! クラフトでのひらめき

─── 属性・クラフトについては、ニンドリ9月号のインタビューのなかで「ユーザーさんがいろいろ試してひらめいたという形にしたい」という思いをうかがいましたが、たとえば剣を強くしたときに3種類の中から名前が付けられるようなのも、自分のひらめきでできたもの、ということなんですね。

はしもと:
そうですね。俺が作ったから、俺の剣! じゃないですけど(笑)。

─── 変わるのは名前だけでしょうか?

はしもと:
内部もしっかり考えてあります。

─── そうなんですね! クラフトについては、攻略要素も気になってしまって。

はしもと:
そのあたりについては、遊びながら気がついてもらうというか、「きっとこうだ!」っていう、自分だけが気づいたんじゃないかなという形にしたい思いがありました。
昔のゲームは特に、攻略方法についてプレイヤーの考察がより必要になることが多くあったと思うんです。

─── なるほど。「こういう結果があるからこれを選ぼう」ではなくて、「自分がこれを選んだからこうなった」、という。…たしかに、属性のチュートリアルなんかがびっしりあると、このゲームの目指すものとは違うんだろうなとは感じていました。

はしもと:
そこは難しいところでした。全部示しちゃおうかという話もあったんですけど、説明のとおりにやる形だと、自分でひらめいたと思いにくいよねと考えていました。

─── なんの素材で強化できるんだとか気づくと、畑で何を育てようとか、どこで釣ろうとか変わってくるんですよね。

はしもと:
そうですね。はじめの方の土地から、試しに変えてみるかという形でやってもらえればなと思います。

↑強化合成。どのアイテムを素材にすると、どの属性がどれだけ上がるか!?

─── 最初は全然お金が足りなくてケチケチやっていたんですけど、最後には稼ぎ方まで覚えていくっていう(笑)。

はしもと:
なんならもう一回寄付でもしてやろうかくらいには、貯まってきますからね(笑)。

─── ごっそりお金を使うイベントも終盤にあったので、その辺も意図的に用意されたのかなと。

はしもと:
そうですね、目的が結構変わってくると思うんですよね。プレイスタイルもそれぞれはっきりしてきて、お金やアイテムを使おうという人であったり、まあ使わなくていいやって人であったり、どんどん自分を強くカスタマイズするぜっていう人だったり。
タイプとしてもいろいろ出てくる中で、使い道じゃないですけど、何か使えるものを小目標として用意しているという形でしょうか。

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