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『ファイアーエムブレム 風花雪月』食堂メニューから探るフォドラの食文化

フォドラの中心に位置するガルグ=マク大修道院の食堂では、さまざまなメニューが登場します。肉や魚、野菜を使った食事メニューから、果物や木の実を使ったデザートまで、その数なんと45種類!
本記事では、多彩な食堂メニューを紹介しつつ、フォドラ各地の特色を深掘りします。

食堂で仲間たちとの交流を育もう

メニューを紹介する前に、まずはガルグ=マク大修道院の食堂でできる2つの交流活動について、おさらいしておきましょう。

「ご飯に誘おう」で絆を深め、やる気をアップ!

食事係に声をかけると、士官学校の生徒や教師たちの中から二人を誘って一緒に食事を取ることができます。「ご飯に誘おう」で食事をすると、主人公の指導経験値と共に、一緒に食事をした相手との支援値が上昇するほか、担当学級の生徒は「やる気」がアップします。

「ご飯に誘おう」で選べるメニューは全32種類。相手の好みのメニューを選ぶと指導経験値や支援値の獲得量はさらに高まるので、キャラクターの好き嫌いを把握することも成長に欠かせない重要なポイントです。

「一緒に料理」で戦闘時の能力を底上げ!

料理長に声をかけると、士官学校の生徒や教師たちの中から一人を誘って一緒に料理を作ることができます。「一緒に料理」で料理をすると、主人公の指導経験値と共に、一緒に料理をした相手との支援値が上昇します。
「一緒に料理」で選べるメニューは全13種類。相手が得意な料理を選ぶと指導経験値や支援値の獲得量はさらに高まります。

メニューごとに戦闘時の能力を底上げする効果があり、その効果は料理を作った節のあいだ継続します。課題に出撃する前に料理を作り、仲間たちのお腹を満たしておくことも、大事な戦闘準備のひとつといえるでしょう。

古今東西の名物メニューから見える、フォドラの地理と歴史

「ご飯に誘おう」や「一緒に料理」では、フォドラの地名を冠した食材やメニューが多く登場します。また、それぞれのキャラクターには食事の好みがあり、出身地の文化や風土にも影響を受けているようです。
多種多様な人々が集まる大修道院の食堂で振る舞われる人気メニューや各地の名物から、フォドラの文化を紐解きます!

肥沃な大地と異国の文化が織りなす、アドラステア帝国の豊かな食文化

食堂メニューで圧倒的な人気を誇る「2種の魚のバター焼き」は、士官学校の生徒や教師たちの多くが好物とする食事メニューです。アドラステア帝国の帝都アンヴァルの伝統料理ではありますが、ファーガス神聖王国やレスター諸侯同盟の出身者たちからも多くの支持を集めています。

材料となるカレドニスガーは、フォドラの東に流れるアミッド大河の源流に近い、自然豊かなカレドニス台地で多く獲れる魚です。一方、アルビネニシンはフォドラの北西にあるアルビネの近海を回遊する魚で、大河や海に囲まれた広大な土地を有する帝国ならではのメニューです。

「2種の魚のバター焼き」2種類の魚の切り身に小麦粉をまぶし、バターで焼いた料理。帝都アンヴァルに伝わる上品な味。(材料:カレドニスガー、アルビネニシン)

そのほか、フォドラの南に大きく広がるアドラステア帝国では、肥沃な大地に恵まれた豊かな食文化がうかがえます。
海の幸・アルビネニシンと山の幸・ノアの実を使った帝都アンヴァル名物の「ニシンと木の実のタルト」は、まさにその食文化を象徴するメニューといえるでしょう。

「ニシンと木の実のタルト」ニシンとノアの実を煮込んだ具を生地に混ぜて焼き上げたタルト。帝都アンヴァル名物。(材料:アルビネニシン、ノアの実)

また、帝国風の軽食として食堂メニューに加わる「激辛魚団子」は、ホワイトトラウト干しトマトに香辛料を練り込んだ生地を小さく丸めて作る揚げ物です。作中では、トマトは帝国の遥か南西にあるダグザ産の珍しい野菜とされ、大修道院では温室で栽培されています。

古くよりアドラステア帝国はダグザから侵攻されてきましたが、ペトラの出身地であるブリギットとの連合軍をも退けた歴史があります。海を越えて珍しい野菜や香辛料、異国の料理が伝わったことで、帝国の食文化はさらに彩りを増したようです。

「激辛魚団子」ホワイトトラウトと干しトマト、香辛料を練りこんだ生地を、小さく丸めて揚げた帝国ふうの軽食。(材料:ホワイトトラウト、トマト)

寒冷な大地が広がるファーガス神聖王国の伝統的な食文化

ファーガス神聖王国の名物メニューには「ゴーティエチーズグラタン」があり、王国の最北を守護するゴーティエ辺境伯家の名を冠します。脂の少なさで有名なゴーティエチーズをたっぷり使った鳥肉入りグラタンで、独自の風味があるのだとか。

ファーガス神聖王国はフォドラの北に位置し、寒冷な大地が広がっています。作物が育ちにくく、アドラステア帝国やレスター諸侯同盟に比べて食が貧しいようですが、その冷涼な気候を活かした酪農は盛んなのかもしれません。

「ゴーティエチーズグラタン」脂の少なさで有名なゴーティエチーズをたっぷり使った鳥肉入りグラタン。独自の風味がある。(材料:鳥肉、ノアの実)

また、食堂のデザートメニューで一番人気を誇る「ブルゼン」は、ファーガス伝統の菓子パンです。卵と砂糖を使ってほんのり甘く仕上げた生地が特徴で、材料にはアルビネベリーノアの実が使われています。アルビネベリーの原産地であるアルビネは、王国の西に位置するドミニク領と海を挟んで隣接しており、沿岸諸都市交易も盛んなようです。

青獅子の学級では甘いものが苦手なフェリクスダスカー地方出身のドゥドゥーを除き、王国出身の生徒たちはブルゼンを好物としています。また、甘いものに目がないリシテアをはじめ、他学級の生徒からも大人気のメニューです。

「ブルゼン」ファーガス伝統の菓子パン。卵と砂糖を使ってほんのり甘く仕上げた生地が特徴。(材料:アルビネベリー、ノアの実)

多種多様な産業と港町に彩られた、レスター諸侯同盟の食文化

レスター諸侯同盟の名物メニューとしては、「ダフネルシチュー」「キジの揚げ焼きデアドラ風」があります。

ダフネルシチューは、鳥肉タマネギを刻み、塩だけで煮た素朴な味付けが染みる一品。レスター諸侯同盟のダフネル家は、近年では紋章の継承者が生まれず、五大諸侯の座をエドマンド家に譲りました。貴族としての力は弱まっても、その名を冠した名物メニューは長く親しまれ、名家としての存在感を放ちます。

「ダフネルシチュー」鳥肉とタマネギを刻み、塩だけで煮た料理。具材の良さを活かした素朴な味が染みる。(材料:鳥肉、タマネギ)

キジの揚げ焼きデアドラ風は、フォドラキジの肉を叩いて薄く伸ばし、揚げ焼きした料理です。森林と平原からなるグロスタール領では酪農や狩猟が盛んなため、材料となる鳥肉やトッピングとして使われるチーズなど、食材には事欠かないでしょう。

加えて、レスター諸侯同盟の領都デアドラ「水上都市」の異名を持つ華やかな港街。水上交易が盛んであるため、各地からさまざまな食材や調理方法が集まり、多彩なメニューが生まれているのかもしれません。

「キジの揚げ焼きデアドラ風」叩いて薄くしたフォドラキジの肉を揚げ焼きした料理。2枚の肉の間にチーズを挟むこともある。(材料:鳥肉、ニンジン)

野生味あふれるメニューや、好みが分かれる珍味も…?

「一緒に料理」では、「ご飯に誘おう」とは異なり食事を取るシーンがないため、具体的な形状を知ることはできませんが、こちらもさまざまなメニューが揃います。特に、フォドラ各地で獲れる希少なジビエを使った料理は、それぞれ違った能力の底上げ効果をもたらします。

ドゥドゥーの出身地であるダスカーに生息する珍しいクマの肉を使った「獣王のステーキ」や、フォドラの中央から南に広がるオグマ山脈に生息する獰猛な獣・オグマクズリの肉を使った「天下無双のグリル」、希少動物であるアルビネヘラジカをローストした「聖獣のロースト」などの料理は、仲間全員のHPや力をアップさせる効果があり、まさに血肉となるメニューです。

フォドラ全土の美味しい料理が一挙集結するガルグ=マク大修道院の食堂ですが、中には好みが分かれる珍味も…。

アミッドゴビーを串に刺して焼いた「雑魚の串焼き」は、泥臭く身もパサパサしているため、好む者が極端に少ないメニューです。「食べること」が趣味のイングリットですら、食がすすまないようです。

「雑魚の串焼き」アミッドゴビーを串に刺して、焼いた料理。泥臭く、身もパサパサしているため、好む者は少ない。(材料:アミッドゴビー×3)

カレドニスレッドと呼ばれる食用ザリガニにパン粉をつけてフライにした「ザリガニのフライ」も、見た目は美味しそうですが、味は好みが分かれるようで、多くのキャラクターが苦手とするメニューです。食いしん坊なラファエルも、珍しく不満を漏らします。

「ザリガニのフライ」カレドニスレッドにパン粉をつけてフライにした料理。見た目は美味しそうだが、味のほうは……。(材料:カレドニスレッド×3)

フォドラの歴史や文化が詰まった各地の名物メニューか、はたまた珍味にチャレンジするか。もし、ガルグ=マク大修道院の食堂で食事ができるとしたら、あなたはどのメニューを選びますか?

細部まで作り込まれた世界観に「満腹」です!

こだわりたっぷりの食堂メニューの数々からは、フォドラの地理や歴史、文化が細やかに作り込まれていることが伝わってきました。私たちが生きる上で欠かせない「食」生活。そこから広がる世界観は、フォドラで生きるキャラクターたちに命を吹き込んでくれます。今回紹介しきれなかったメニューの数々にも、ぜひ注目してみてくださいね!

(ライター・かよ)

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