『ライブアライブ』開発者インタビュー こぼれ話

2022年9月号のニンドリでは、7月22日にスクウェア・エニックスから発売される『ライブアライブ』の開発者インタビューを掲載しています。
ここでは本誌に掲載しきれなかったこぼれ話をご紹介します。本誌に掲載しているインタビューとあわせてお楽しみください!

ライブアライブ
2022年7月22日発売。1994年にスーパーファミコンで発売されたRPGが、映像表現“HD-2D”でリメイク。シナリオはオムニバス形式になっており、それぞれ独立した7つの物語を7人の主人公で進行するのが特徴。

『ライブアライブ』開発者プロフィール

時田 貴司さん
HD-2D版『ライブアライブ』プロデューサー。株式会社スクウェア・エニックス所属。スーパーファミコン版『ライブアライブ』では、ディレクターを務めていた。
Twitter:@Takashi_Tokita

倉島 一幸さん
HD-2D版『ライブアライブ』ドッター。株式会社Onion Games所属のアートディレクター。スーパーファミコン版『ライブアライブ』では、主にバトルシーンのキャラクターデザイン、アニメーションを務めていた。
Twitter:@kurashimakaz

セリフが「ウホウホ」!? 豪華声優陣による熱烈なボイス収録

―― 今回、声優さんのキャスティングもすごく豪華ですよね。

時田 当時制作していた時のイメージの声優さんにお願いしたら、みなさん本当に演じていただけて。こんな大御所の方ばかりで、最初は無理だろうなと思っていたんですけどね。実はバトルボイスもしっかり実装していて、同じ技でもパターンの違う声や、状況次第でセリフが変わるくらいのボイスが入っています。色々な状況によって声が変化して、面白いと思いますよ。

―― バトルシーンだけでもいろいろな声が聞けました。

時田 功夫編では水島裕さんがサモ役ですし。某格闘映画のイメージで、そういうキャスティングをお願いしてみたら「みなさん大丈夫です」っていう、有難いお返事をいただきまして。

―― 原始編のポゴ役の緒方恵美さんも、今までにない役柄を演じられてますね。

時田 緒方さんはダメ元でお願いしたので、正直怒られるかなって思いました(笑)。でも、ポゴの役をすごく面白がっていただいて。「小林よしのり先生のキャラをやるのは初めてです」って。

倉島 そりゃそうでしょうよ!(笑)。

時田 緒方さんに「どういう風に演じればいいですか?」と聞かれて、元々シナリオがない話だったので、スーパーファミコン版の動画を見直して、緒方さん用の台本を別途書き起こしました。「ここのウホウホのセリフなんだけど、こういうシチュエーションなので、こういう気持ちで」というのを簡単な台本形式で説明しながら、収録していただきました。

―― あの緒方さんが「ウホウホ」の言語でしか喋らないのは驚きでした…!

時田 でもポゴ役が緒方さんだったら、みんな「マジかよ!?」って思ってくれるかなと。

―― 緒方さんが叫んでる!って(笑)。

時田 一方で「なるほど」ってみんなが納得できるのは、やっぱり緒方さんしかいないかなと思いました。緒方さん演じる某少年のキャラクターが叫ぶ時って、ものすごいパワーになるじゃないですか。あの雰囲気でポゴをやってもらったら面白いかなって思ったのがきっかけだったんですけど、まさかお願いできるとは思わなかったです(笑)。

―― 声で全編登場しているのは、杉田智和さんですよね。

時田 杉田さんも最初はいくつかキャラクターの候補でお願いしていたんですが「好きなので全編出させてください」っていうお話がありまして(笑)。全編同じような役回りにするか悩みましたが、せっかくなので各編違うキャラクターで「こんなところにも、ここにも」って、いろんな杉田さんが登場する方が面白いかなと思って、頑張ってキャスティングしました。なので、杉田さんファンは各編ごとにいろんな角度から楽しめると思いますよ。

―― これだけ豪華な声優さんが揃っているなら、声優ファンの方も楽しんでプレイできそうですね。

時田 なので、僕が一番収録を楽しんでいました(笑)。僕の子供の頃からご活躍されているレジェンド声優さんばかりですから。個人的に一番嬉しかったのが、古川登志夫さんとお仕事できたことですね。古川さんはTwitterでもすごくカジュアルにリプしてくださるんですが、『ライブアライブ』の収録の後も「良かったです。こんな良いキャラはなかなかないですよ」って言っていただけて、本当に嬉しかったです。開発当時から、西部編のマッド・ドッグは古川さんのイメージだったので。

―― このゲームを通じて、時田さんの夢が叶ったんですね。

時田 本当ですよ。開発途中から入れたらちょうど30年ぐらいなので嬉しかったですね。ビートルズと仕事するようなものですからね。

倉島 贅沢ですよね。

時田 僕が本当にお仕事をしたかった方々に、こんなにご協力していただけるとは思わなかったので。また『ライブアライブ』を遊んでくださっていて好きだと言ってくださる方々も多く、本当に嬉しかったです。中世編の中村悠一さんもそうですし、近未来編の赤羽根健治さんや、幕末編の橋詰知久さんからも、そういうお声をいただいて。当時からゲームを遊んでくださっていた方なので、キャラクターの演出に関しても「そうそうこれこれ!」って。収録もほとんどNGがありませんでした。

―― 実際、すごく感情のこもったセリフばかりで感動しました。

時田 中村さんが演じる中世編のオルステッドが、鳥肌立つぐらい素晴らしかったので、ぜひ! 赤羽根さんボイスのアキラも、ちょっとひねた感じに聞こえるけれども、昔は素直だったんだろうなっていう過去も垣間見えるような、最高のアキラになっています。

時田さんと倉島さん、気になる声の出演は…?


時田さんと倉島さんの絆の深さがうかがえる、笑顔の絶えないインタビュー風景

―― 時田さんと倉島さんは、今回は声での出演はありますか?

時田 僕は、実はちょっとだけしゃべってるんですよ。

―― そうなんですか!?

時田 カメオ出演みたいなものですかね。どんな役を演じているかは内緒ですが、 実は体験版を遊んで早速気付いている方もいます。

倉島 ほんとですか!?

時田 「かなり思い切り出てるだろ」みたいな役ですよ。探してみてください(笑)。

7つの物語のおすすめプレイ順をお聞きしました

―― 時田さんがみなさんにお勧めする、各編のプレイ順はありますか。

時田 順番は特にないですね。好きなものから遊んでほしいから。でも初めてプレイする方は、RPGらしくて遊びやすいという意味では、功夫編や近未来編がバランスよく揃っている印象です。

倉島 確かに、スーパーファミコン版のデバッグのときも功夫編か近未来編からはじめてたなぁ。

時田 ウェブで行われたシナリオの人気投票があったんですけど、1位が近未来編、2位が功夫編、3位が中世編っていう、やっぱりゲームバランスが良くて、ストーリーが衝撃的なのが人気なんだなって(笑)。短いながらも面白いと言っていただけるのは、そういうところだと思いますね。

 


ニンドリ9月号の『ライブアライブ』特集ページでは、どのシナリオを最初に遊ぶかが診断できる「ライブアライブ診断」フローチャートつき!ぜひ試してみてくださいね。


 

『ライブアライブ』開発者インタビュー、いかがでしたでしょうか?
ニンドリ9月号(7月21日発売号)ではインタビュー本編のほかに、時田さん&倉島さんのサイン色紙が当たるプレゼント企画の詳細も掲載しています。こちらもぜひチェックしてくださいね。

『ライブアライブ』
ジャンル:RPG
メーカー:スクウェア・エニックス
発売日:2022年7月22日
価格:7,480円(税込)

『ライブアライブ』公式サイト

© 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN © 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD.
© 1994, SHOGAKUKAN Inc. Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata, Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa, Kazuhiko Shimamoto, Yumi Tamura

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