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『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』1周年インタビュー 先取りこぼれ話

スクウェア・エニックスより配信中のアドベンチャーゲーム(以下ADV)『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。本作が発売1周年を迎えた記念に、5月21日発売の月刊誌「ニンテンドードリーム(2024年7月号・5月21日発売)」では、インタビューを掲載しています。

本誌インタビューでは、キャラクターデザインとキャラ付け、昭和テイストの盛り込み方等、興味深い開発秘話からディープな掘り下げまでたっぷりうかがいました。

ここでは、本作を1年間追いかけてきたようなよりファン層へ向けた内容をピックアップし、本誌に載せきれなかったぶんの「こぼれ話」としてお届けします!

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』とは…

1980年代の昭和後期、東京下町の雰囲気が色濃く残る墨田区を舞台にした群像ホラーミステリーアドベンチャー。死者を蘇らせる秘術をめぐり、「呪詛」の力を得た男女がそれぞれの思惑を絡み合わせ、物語を紡いでいく。
基本はテキストアドベンチャーですが、分岐チャートや謎解き、能力バトル、脱出ゲーム、メタ要素など、あらゆるアドベンチャーの魅力が詰まった1本です。ニンドリでも発表当初より注目してきましたが、幅広いキャラクターたちが織りなす人間ドラマがすばらしく、じわじわと人気が広がりました。

プロフィール

ディレクターの石山貴也さん、デザイナーの小林元さんにお話を聞きました。


石山 貴也さん
ディレクターおよびシナリオを担当。過去には『スクールガールストライカーズ』や、『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズ(株式会社And Joy作品)などを手がける。

小林 元さん
グラフィッカー、デザイナー。『すばらしきこのせかい』シリーズ、『スクールガールストライカーズ』などでキャラクターデザインを担当。

幅広い層への広がりを感じる1年間

お2人にとっても、ADVにとっても、『パラノマサイト』は大きな影響を与えたのではないでしょうか。ポップアップストアから1周年トークショーといったイベントも開かれ、にぎわっていたことも印象的です。1年を振り返りながらお話しいただきました!

トークショーイベント

石山 そうですね。実際、スクウェア・エニックスで取ったアンケートの年代分布を見ると、若い層や女性層を含む広い範囲で支持していただいているようでした。弊社のタイトルでは珍しいお客さんの層だと聞いたので、よかったなと思います。

石山 じつは昔、『探偵・癸生川凌介事件譚』シリーズ(※)などのADVを作ったときも同じような傾向があったんです。当初は、ファミコンでADVをやっていた世代のおじさんが懐かしがって遊んでくれるかなと想定していましたが、意外と若い世代の人に新鮮に映ったみたいで、当時の10〜20代の女性なんかもけっこうプレイしてくださったようなんです。そんな方々が、ありがたいことに今でも応援してくれていたり…。
『パラノマ』も同じような感じで、自分としては新しい世代に向けてとかまったく意識していなかったんですけども、新鮮に映った若い世代にも刺さったのなら、とてもうれしいです。

※探偵・癸生川凌介事件譚=携帯用アプリとして配信された推理アドベンチャーゲームシリーズ(開発・発売:元気)。現在は「G-MODEアーカイブス+」の復刻ラインナップとしてNintendo Switchで順次配信中

石山 やっぱり安くなきゃ売れないだろうな、というのは正直ありました。ゲームといえばRPGとかアクションが華ですから、ADVは一般的にゲームとしては利益を出しにくいジャンルだよなと…。何百万本も売れたADVってないですし。
ただ、ADVは低予算でも工夫次第でそこそこのものが作れるというところが大きなメリットなので、『パラノマ』はゲームとしても価格の“安さ”はひとつの売りにしていかないと、と考えました。

小林 世間では「コラボフードより安い」とか言われてますしね(笑)。

石山 いや、これは勘違いされないようにしっかり言っておきますが、コラボメニューやサントラが高いのではない! ゲームが安すぎるのだ! あちらはちゃんと相場価格ですよ!!

魅力的なキャラクターに迫る!

1周年のタイミングで、キャラクターの詳細プロフィールが発表になりました。そこで今回のインタビューは、キャラクターについてより深く聞いています。
ここではこぼれ話として、特別ムービー1周年記念イラストといったゲーム外のコンテンツに言及したお話を掲載します。

▶︎ [公式サイト] 書き下ろしエピソード&イラストFILE

1周年記念イラスト

特別ムービー

石山 襟尾は当時すごい優等生で、成績もよかったし、教官受けもすごくよかったんだろうけど、あんなポジティブなやつなので周りはついていけないところはあったんじゃないかと思います。でも本人はわりと天然なところがあるので、気にせずやってたんだろうな。
利飛太は、ズル賢くサボったり周りを利用してうまくやっていそうですね。彼はそんな体力もなさそうだし、襟尾のうしろでうまく立ち回っていろいろ誤魔化していたんじゃないでしょうか(笑)。
吉見はその中では年下だけど兄貴肌で、体育会系のド直球なタイプだから、襟尾や利飛太も頼りにするところがあって、ちょうどいい関係だったんじゃないかな、というイメージではいます。

新石先生ほか1周年イラスト

石山 新石先生は、お客さんの声を取り入れました。サイン会をしていたときに、ファンの人にも直接言われたりしたので…。まさか新石先生にそんな需要があるなんて、まったく思ってもいませんでした。ごめんなさい。

小林 いろいろ反響を見ていると「あの人がいないのか…」みたいな声はよくありますね。よく考えたら新石先生は呪主だし、たしかに呪主なのにいないのはどうなんだろうって。次の機会があったから入れてあげようかなと思っていました。あと新石先生は、石山さんから「すごくかっこよく描いて」というオーダーもありましたよ(笑)。

石山 1周年イラストは、これまでと違った一面を見せるというテーマでいこうと思いまして、本編や今までの描き下ろしイラストにはないような表情とかシチュエーションをお願いしました。で、新石先生の本編と違う一面となると、シリアスでかっこいい姿かなと。

小林 そうですね。石山さんといろいろとやりとりしながら描きました。

石山 並垣は「ナンパしているときの爽やか笑顔で」と(笑)。
ミヲちゃんは緊張感を解いた「お腹すいたな〜」という表情。ミヲちゃん、イラストにするとどうしても強めの表情をさせがちですが、当人としては印を結んだり祓ったりする姿はあまり人に見せたくなくて、ふだんの9割はこんなふうにおっとりしています。
落ち着いた印象の津詰さんには全力疾走してもらっていますし、襟尾も意外と爽やかスマイルで敬礼している絵がなかったんで、それにしました。

●興家くんのギターと横顔ウラ話

石山 興家くんは特技がフォークギターだけど、披露する場がなかったので、葉子さんの前で歌っているところです。

石山 普通に当時に流行ってたフォークソングかなあ。あの時代ってなぜかみんなギターを持っていましたよね。一家に一台。

小林 うちにもありました。

石山 あと彼はモテようとして、ビートルズとか歌ったりしてそうですけど(笑)。

小林 …興家くんといえば、呪詛行使後の横顔の別パターンを作りましょうか、と思ったんですよ。人を殺めたにしては表情がスンとしているので。

スンとした興家くんの横顔

石山 最初、横顔があれしかなかったのでとりあえず出してたのですが、あそこで冷静な表情してるのがよい気がしたので、あえてそのままにしました。

小林 あそこでまず「興家くんはヤベーやつだな」という感じが出たのかも。彼は没個性に見えてだいぶ個性が強烈になってきましたね(笑)。

●雨森少年

石山 ごめんなさい、1周年のイラストやLINEスタンプは完全に悪ノリです。出すとみんな反応してくれるので、こっちもうれしくて、誰を出そうかってときになるとつい選んじゃうという……。

小林 もともとは、マダムと利飛太のふたりでお祭りに行くのはいかがなものか…ということだったんですよ。じゃあ雨森少年に出てきてもらおうかとなりまして。当初はキャラクターデザインもなかったんですが、急遽出しちゃいましたね。

石山 「雨森」という名前は、『スクスト』をやっていた人ならピンとくるところがあるかもしれませんが、設定上、直接の関係はないです。考えている時間がなくて困ったので流用しました。つまり未練です。

昭和テイスト! 喫茶店の思い出は?

インタビュー本編では、本作の昭和テイストに関するキャラクターや雰囲気作りに加え、作中年代の頃のお2人のお話なども聞いています。ここでは、喫茶店の思い出をうかがいました。

作中の喫茶店。昭和感たっぷり

小林 自分というより、おばあちゃんが喫茶店好きでした。僕のおばあちゃんにとっては「コーヒー券」は特別なものだったみたいです。当時の僕は小学生だったんですけれど、「特別にあげる」って言って、くれるんですよ。でも子供だったのでありがたみがわからなくて、おこづかいのほうがよかったな…みたいな。(笑)。

石山 あ。でもコーヒーが高級なもので特別なものみたいな感覚はあったかも。

小林 それで、当時その券を持って一度行ってみたんですけれども、大人のための空間って感じで落ち着かなくてすぐ出ちゃいました(笑)。

石山 幼いころ、たまーに親に連れられて行った覚えがありますが、100円で星占いができる占いマシンや、テーブル筐体のゲーム機が、自分の喫茶店のイメージの根底にはありますね。あと、喫茶店に連れていってもらえるとクリームソーダが飲めるので、そういう特別感はありました(笑)。
高校時代には、そんなに特別な感じでもなくなって、学校の近くにあった、ケーキを手作りしている喫茶店がすごく気に入って、友だちといっしょに通い詰めたりしてましたけども。

小林 それはもう、お気に入りの喫茶店ですね(笑)。

石山 ご存知ないかもしれませんが、甘いものって、甘くておいしいんですよね。『パラノマサイト』は甘いものを燃料にしないと作ることができないので、これは仕方ないです。

小林 石山さんはいつも甘いもの食べてるなぁって見ていました。SNSで(笑)。

【ネタバレ注意!】ココ気づいた?

まだ本作を遊んでいない方は、薄目で飛ばしてくださいね。

石山 これ、気付いてる人があまりいなかったんですが、じつは約子ちゃんのルートで美智代ちゃんが憑いている間は、操作できる範囲がほかより少なくなっています。演出の都合でいくつか例外はあるんですが、見回して、対象を自由に調べたり「考える」コマンドが出てくるという状況がありません。奥田ちゃんとの会話シーンも、選択肢だけで進んでいます。これは、美智代ちゃんの霊と干渉しているからプレイヤーの影響が制限されているという伏線だったのですが、わかりにくかったですね!

[〜ネタバレここまで]

インタビュー本編はた〜っぷりのボリュームでお届け!

ニンテンドードリーム7月号は、5月21日発売。ご予約受付中です。
表紙は『パラノマサイト』描き下ろしです!下記より詳細をご確認ください。

<関連リンク>
▶︎パラノマサイト FILE 23 本所七不思議 公式サイト

<商品概要>

パラノマサイト FILE23 本所七不思議
対応機種:Nintendo Switchほか
発売日:2023年3月9日(木)
価格:ダウンロード版のみ:1,980円(税込)
必要容量:753.0MB
ジャンル:ホラーミステリーADV
CERO:17歳以上対象
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