『逆転裁判6』開発者インタビュー Vol.1 “触ってわかった集大成たる理由”(2016年7月号より)

逆転裁判6』発売時に行われた開発者インタビューを再掲載。全体のお話とキャラクター誕生秘話の2回に分けてお届けします。

・記事は修正している箇所もありますが、基本は掲載時と同じものになります。
・ネタバレを含んでいる場合があります。

キャラクター誕生秘話はこちら


<開発者プロフィール>

プロデューサー 江城 元秀

ディレクターを経て、DS『逆転裁判2 Best Price』からプロデューサーに。DS『逆転検事』シリーズ、3DS『逆転裁判5』と、シリーズ全体をプロデュースしている

ディレクター 山﨑 剛

DS『逆転検事』シリーズでディレクター、『逆転裁判5』でシナリオディレクターを担当し、本作では再びディレクターに。入社してからずっと『逆転』に携わる

COディレクター 布施 拓郎

DS『逆転検事2』でイベントカット、3DS『逆転裁判5』のアートディレクターを経て、今作ではアートディレクター兼COディレクターに。山﨑さんと現場を取り仕切る


インタビュー前に『逆転裁判6』をおさらい

クライン王国と日本。2つの国で
成歩堂 龍一×王泥喜 法介 W主人公が法廷に立つ

無実の罪をかけられた依頼人を救うべく、弁護士・成歩堂龍一が持ち前のツッコミとハッタリで証人のムジュンを突き崩し、真実を掴みとる法廷バトル『逆転裁判』シリーズ。これまでのシリーズと同じように、ゲームは探偵パートと法廷パートに分かれており、探偵パートで裁判に勝つための情報や証拠品を集め、それらを武器に法廷パートで相手検事らと戦っていくことになる。

本作最大の特徴は、主人公に『逆転裁判4』より登場している成歩堂の部下・王泥喜法介が加わったこと。2人の主人公を操作していくことになる。登場するキャラクターやシステムはもちろん、過去最大級ボリュームのシナリオなど、シリーズの集大成作品といっても過言ではない。

成歩堂はクライン王国へと渡り、弁護士のいない法廷に立つ。シリーズの根幹にある霊媒を軸としたストーリーが展開

クライン王国の姫君レイファ。彼女が執り行う「御魂の託宣」を崩すことが証人を救うカギとなる

日本の法廷では、所長不在の「成歩堂なんでも事務所」を背負い、弁護士3年目の王泥喜が奮闘する

王泥喜の後輩・希月心音。日本では彼女をパートナーに、事件を解決していく物語が描かれていく

自信をもって送り出すナンバリング最新作

一同 アッピラッケー(こんにちは)。

—— さて、いよいよ発売ですね。

江城 はい。自信をもって送り出せる状況で発売を待っている感じです。というのも、今回は『逆転5』のユーザーさんの反響などを見てから制作を立ち上げました。なのでユーザーさんからのリクエストや声をかなり意識したゲームデザインになっています。初めからそこを掲げて制作してきた結果、出来上がったものは「よくこの内容をつくったな」というものになっていますので、それがとうとう世に出ていくのはなかなかに感慨深いです。もう今からプレイ後のユーザーさんの声が非常に楽しみなんです。

—— 山﨑さんは心境的にいかがでしょうか?

山﨑 今回は『逆転5』のときに頑張って耕したものの流れをしっかりくんでつくれたので、本当に経験を生かせたんですね。ユーザーさんが喜ぶものを目指してつくりつつ、チャレンジングなことも入れつつの良いバランスのものが出来たのではないかと思っています。だから、きっと楽しんでもらえるんだろうなっていう気持ちがすごくありますし、同時に新しい挑戦の部分がどう受け取られるのかっていうのは興味深く思っているので、反応が楽しみですね。

—— ひと足先に遊ばせてもらいましたが、ファンが喜ぶツボを抑えつつ、毎話ごとに新鮮な驚きもあってびっくりしました。

山﨑 今回はチーム全体でアイデアも出し合って、それを「すべて入れ込むぞ!」という意気込みでつくりましたから、うまくひとつにまとまったなぁという実感を得ています。だから、制作サイドとしても本当に集大成というのを感じているんですね。(力強く)早くユーザーさんに見てもらいたい! ですッ。

—— 布施さんは?

布施 もう2人にほとんど言われちゃったんですけど。

一同 (笑)

布施 自分的には『逆転5』のときにやりきった感があったんです。でも今回、キャラクターデザインや世界設定も含めて、まだまだいろんなチャレンジができるんだと思いました。シリーズも6作品目なので、延長上にいく日本の舞台と、今回は異国という部分でもかなりのチャレンジができました。デザインでもユーザーさんに楽しんでもらえるように出来たかなと思っているので、早く実際にプレイしていただいて、その感想を聞きたいなと思っています。

—— 布施さんは『逆転5』のときのアートディレクターだけでなく、今回はさらにCOディレクターという役職も兼ねられましたよね。立場が少し変わった制作はどうでしたか?

布施 仕事内容としては絵回りをアートディレクターとして見て、山﨑が東京のほうに行っている間などに大阪の開発チームを回すという役割をやった感じです。そういう部分では『逆転5』よりも大変な部分があったんですけど、基本的には『逆転5』の開発実績と経験を生かすことが大事だったし、それを実践してできたので、ある意味で心の余裕がありました。『逆転5』は本当に初めてなことが多かったので、それに比べたら「こういうことが起こる」というのが見えている今回のほうが、仕事は増えているんですけど、ちゃんとチェックにも集中することができたと思っています。

—— 山﨑さんは前の取材で「布施さんがいてくれて本当に助かっている」っておっしゃってましたもんね。

布施 (山﨑さんを見て)本当ですか?

山﨑 もちろんですよ。チームの総合力が上がったのもあるんですが、その要になってくれたのが布施ですから。そこはもう(力強く大きな声で)大変感謝しています! 太字にしておいてください!

—— みなさん自信と手応えがあるからこそ、顔も晴れやかですね。

山﨑 だいぶハードルを上げちゃったような気もしますけど(笑)。でもそれぐらい一丸となってつくれたので、早く手に取ってもらいたいなと思います。

あの真宵ちゃんが 9年ぶりに登場!

—— 発売前の情報関係でいうと、やっぱり最大の盛り上がりは真宵ちゃんの発表だったと思うんです。

江城 そうですよね。

—— 発売日解禁と合わせた完璧な発表タイミングでしたね。

江城 そこは狙いました。僕の立場はどのタイミングでどの要素を告知して、いかに盛り上げるかじゃないですか。で、今回は中身を見たときに真宵というのが、とてもインパクトのある要素だと思ったんですね。もう『逆転5』の頃から「真宵まだ?」という意見をたくさんもらっていたので。

—— なるほど。

江城 だから実は今回、『逆転6』をつくると決まった時点で「真宵を入れよう」というのは決めていました。

山﨑 そうですね。「もう出さんとアカンやろ」みたいなところからスタートしました。『逆転5』でもチラッと名前を出したんですが、その反響もすごかったんです。

—— ああ、春美ちゃんがね。

山﨑 真宵の手紙を持ってくるというのを入れましたよね。ただユーザーさんの反応がすごかったぶん、出すなら本気でやらないととは思いました。

江城 で、発売日告知のときがいちばん盛り上がるだろうと思って、生放送で同時に発表したんですけど、いざ発表してみたら、僕の予想のナナメ上をいく盛り上がり方だったんで、正直びっくりしました。

—— すごかったですよね。

江城 発表したときのTwitterのタイムラインに出た真宵の文字の多さがすごかった。こういったSNSの拡散力じゃないですけど、ユーザーさん個人がどんどん発信したいと思ってくれるキャラクターなんだと。今の時代を物語っているのかもしれませんが、ユーザーさん自身が盛り上げてトレンドワードになるまでの反響を得られるということは、予想していなかったですね。

—— お2人も?

山﨑布施 そうですねぇ。

布施 あのときは江城と山﨑の2人が生放送に出演していて、僕はある意味ユーザー目線で楽しんでいたんですよ。で、流れてくるコメントの量が多くて、それを見てゾワーッってしました(笑)。

山﨑 本当にすごくてありがたい話だと思いました。

—— そういえば、『逆転5』のときは真宵ちゃんを登場させようという話にはならなかったんですか?

山﨑 ひとつのタイトルで描けることは限られているので、真宵ちゃんを『逆転5』の話の中に入れてしまったら、許容オーバーだったんですよ。なので、あえて触れないようにして、ナンバリングを成功させるという方向への舵取りにしていました。

江城 あと『逆転5』は心音の存在が大きいというか、話のバックボーンにもかかわっていたので、彼女を立たせようと思ったら、登場キャラクターは選んでいかないといけなったんです。

布施 ええ。しかも『逆転5』のときは、成歩堂も御剣も復活組といってもおかしくないわけじゃないですか。

—— たしかに。

布施 そういったなかで、やはり描く優先度的にも、真宵は出したくても出せなかったという感じのほうが近いのかもしれません。だから今回、満を持して出せることになりました。

—— 『逆転5』で成歩堂たちを描いたからこそやっと出せると。それにしても、真宵ちゃん自体は本当に久しぶりの登場です。

山﨑 ナンバリングだと『逆転3』以来ですね。

江城 『検事』シリーズで少し出るというのはあっても、メインでガッツリというのは本当に久しぶりです。

大人になった真宵ちゃん。アニメ版と比べてみるのもいいかも

『逆転裁判6』は 集大成を超えた集大成

—— 以前のインタビューで「『逆転6』は集大成」だとおっしゃられていました。

江城 もうまさに! 『逆転5』の集大成感を超える超集大成です。

—— で、クリアまで遊ばせてもらったんですが…。

山﨑 ど、どうでした?

—— いやもうおっしゃるとおり!

山﨑 良かった!

—— が、ひとつ気がかりな点もありまして。

山﨑 な、なんでしょう。

—— これ、もう次つくれないんじゃないですか?

一同 (笑)

江城 いやもう本当に(笑)。野球で言ったら、毎回全力投球でつくってきているわけですけど、今回は肩が壊れるんじゃないかってくらい投げてますからね。

—— この集大成という方向性は初めから想定されていたものだったんですか?

江城 もともとは思っていなかったんですよ。ただ、先ほど話したように『逆転5』のユーザーさんのリクエストに応えていこうとしたんですね。それはみなさんが求めていたものを描き切れなかった部分があるなと思ったからなんです。だから、最初の方向性はそこを見直そうというものでした。

—— ユーザーさんが求めているものを把握したゲームにしようと。

江城 ええ。真宵の件もそうですけど、「カガク捜査が欲しいと言われているから入れようよ」みたいに、極力声に応えようとしたら、どんどんどんどん…。

—— 集大成になっていったと(笑)。じゃあ、もともとはシステムに関しても全部盛りの仕様ではなかったんですか?

山﨑 最初から「カガク捜査」ありきでやろうというのはありました。その代わりに、今までつくってきたシステムたちを捨てるという選択肢もあったんでしょうけど…でもほら、やっぱり全部入れたいじゃないですか!

—— 本当にこれまでのシリーズに登場したシステムが全部入っていて、「スゲー」という言葉しかなかったです。

江城 入れられるだけ入れたいなっていうのがやっぱりあったので。

布施 (2人を見ながら)この2人が「入れたい入れたい」っていうから。

一同 (笑)

山﨑 とくに『逆転』の場合、システムとキャラクターが結びついているわけじゃないですか。

—— ですよね。例えばオドロキくんが出る以上…。

山﨑 「“みぬく”やらない!」とかできないんですよ。だからそういう意味も含めて、システムは捨てられなかったですね。

—— しかも、新システムの「霊媒ビジョン」がそこに加わるという。

江城 もう盛り盛りですよね。

—— ただ驚いたのは、これだけシステムがてんこ盛りなのに、違和感のない形で舞台ごとに登場するので、逆にテンポがいいですよね。すべてがちゃんとお話とリンクしていて、飽きさせないつくりになっているようにすら思いました。

山﨑 そう言ってもらえるとうれしいです。クライン王国と日本という2つの舞台を用意したのには、そういった意図もあったので。バランスをとるのは大変でしたけどね。

—— システムと物語のリンクはどのようにさせていったんですか?

山﨑 ダブル主人公や真宵を出す、みたいなお題が最初にあったうえで、そこにシステムをどう組み合わせたらいちばんいいバランスになるかを考えていきました。例えばダブル主人公だったら、バラバラにしたほうが活躍できるから舞台を分けたほうがいいよね、とか。片方を霊媒の国にすれば真宵も出せるよね、とか。そうやってチーム内でブレストをしていき、組み合わさったもので大まかな構造、最初の骨組みをつくりました。

—— なるほど。最初に骨組みをつくってシステムを配置しているからこそ、すべてが密接につながっているようになったんですね。

江城 はい。実は『逆転5』の反省点のひとつとして、シナリオの構成というのもありました。スケジュールの問題も関係してはいるんですが、つくりながらプロットを積み上げていくということもあったので、設定的にまずかったりとか時間軸が前後しちゃったりもして。なので『逆転6』はまず物語をきちっと決めることにしたんです。

山﨑 各話の部分は担当者の個性を生かして書いてもらっていたんですが、その前に全体のプロットで大きな流れを決めるという制作方針にしたんです。

—— 設計図をつくったうえで肉付けをしていきましょうと。

山﨑 だからこういった密接につながっている構成ができたんです。

—— また、これはネタバレになるので書けないですが、『逆転5』のユーザーさんの意見で多かった●●な部分にも、きっちりと回答を出されていて。

山﨑 ええ。そこもそうですね。やっぱり僕もスタッフも、『逆転5』でこういう問題があったからこう対処しようっていうところから始まっているわけで。なんとかきれいな形でつくり上げられたという形です。

最大の改善点は 「調べるメッセージ」

—— ほかに『逆転5』のユーザーさんからの意見で、改善したところはありましたか?

江城 調べるメッセージを組み込むということですね。もうそこは絶対でした。そもそもなぜ『逆転5』のときにそこをカットしたのかというと、3D探偵パートで事件現場を3Dで調べられるようにしたからなんですね。3Dで空間を全部調べるようにするということは、つまりどこでも調べることができるようになるというわけなので、実はこれまでのシリーズと比べても調べられる部分の量は変わっていなかったんです。

山﨑 はい。調べるメッセージの数自体は変わっていませんでした。

江城 でも、ユーザーさんからすると3D探偵パート以外の調べるメッセージがカットされているわけですから、その総数が減ったように感じてしまう。ということは、つまりユーザーさんのプレイ感覚にはそぐわなかったというわけなんです。

—— なるほど。

江城 なので、今回は単純に量を増やすことになるので、コスト増にはなるんだけど外せないよねって。当然、開発側もメッセージをそのぶん考えなきゃいけないので、労力も時間もかかるんですが、ここはもうしっかり入れましょうと。だから、とにかく調べるメッセージをもとに戻そうというのは最初に決めました。

山﨑 少しだけ補足すると、『逆転5』のときに調べるメッセージをなくしたのにはもうひとつ理由がありました。こちらとしては、ユーザーさんは早く探偵パートを終わらせて、法廷パートにいきたいだろうという考え方のもとにゲームデザインをした部分があったんです。とくに『逆転5』は、久しぶりのナンバリングだったので新しいお客さんも入ってくるだろうから、探偵パートで迷わせたり、時間が長くかかって面倒くさいと思われないほうがいいという考え方でやったんですけど、それが実際はユーザーさんの求めていたものと違ったという。

江城 評価は割れたんですけどね。そのサクサク進む感じがいいっていう人もたくさんいたんです。ただ、やっぱりシリーズを長く続けていると初期からのファンの方もまだまだ遊んでくださっているんだなというのが、そこで改めてわかったんです。だとしたら、『逆転6』は両方のユーザーさんに満足してもらわなきゃいけない。当然新しく入ってくる方も満足してもらうのは重要ですけど、シリーズをずっと支えてくださっているユーザーさんが不満に思うことには応えていきましょうよ、というのはありました。

—— 今回の調べるメッセージは、その内容もユーザーさんが喜ぶものになっているように思いました。この世界について知りたかったなと思うことは大概入っていましたし、今までのキャラクターとのつながりのものもたっぷりでした。

山﨑 そう言っていただけると頑張ったかいがありました。

江城 だから、どんどん調べてほしいです。

—— 余談ですが、なかには山﨑さんが『逆転5』のファンブックで書かれていたことも入っていたりとか、ゲーム外のネタもふんだんで。ファンなら思わずニヤリとする要素も満載ですよね。

山﨑 よくそんなマニアックなところに気付きましたね(笑)。

調べるメッセージ。調査そっちのけで、ついつい調べたくなっちゃうんですよね

挑戦したからこそ 生まれた演出の新境地

—— 今回はたたみかける演出の数々に加えて、音楽も全盛りですよね。要所要所で効果的に流れてくるそれぞれのテーマ曲など、鳥肌が立ちました。で、もう2話の頭ぐらいで「『逆転6』は全編このノリなんだな」と思いました。

山﨑 ありがとうございます。そういった演出の全般の部分に関しては、布施の力がすごく大きいと思っています。今回、布施は企画立ち上げのアイデア出しから一緒にやってくれていて、それがすごく大きかったと思っているんです。例えば、ボツになったものもいっぱいあるんですが、そのひとつひとつのアイデア出しですら絵をすぐに描いてくれて、こんな場所ですか? とか、絵でスタッフのイメージを広げて共有してくれたんです。それがすごく完成度の高いものになった理由なんじゃないかなって思っています。

江城 布施は絵もゲームの中身もすごくわかるので、ユーザーさんがプレイしたらこう思うだろう、だからこういう演出にしようとか、インタラクティブな判断もしてくれるんです。

山﨑 しかもゲームが大好きなんですよ。

布施 ありがとうございます(笑)。僕はゲームをつくるための絵を描いているというスタンスなんですね。だからただ絵を描くだけでなく、COディレクターとしてゲームをつくるところにかかわらせてもらっているというのは、大変ですけどすごくうれしいことだったんです。そういう意味でも貢献したいなと頑張りました。

山﨑 演出はもちろんシナリオにも意見を出してもらいました。そして、デモシーンなんかはアートディレクターとして厳しくチェックをしてもらっています。

—— しかもクライン王国と日本、それぞれの法廷演出も異なりますよね。「証言開始」などの文字やゲージ系のデザインはもちろん、例えば法廷でナユタの手に向けて蝶が飛んでくる演出なんかもそれぞれ異なっていて驚きました。クライン王国で飛んでくる蝶が、日本では幻影の蝶になっていて。

山﨑 もちろん、こ、こだわりです(笑)。

—— なんで笑ってるんですか?

布施 ぶっちゃけると、日本の法廷ではそれが困ったことになったんですよ。

山﨑 クラインの蝶は、日本にいない! 消して幻影にするしかないかって。

一同 (笑)

—— てっきり聖地と離れているからだと思って、このこだわりはスゴイって感動したんですが。

布施 もちろん、最終的にはそういう形でまとめることになりました。

—— なるほど。しかしそういった裁判中も、本当にシリーズ初の演出がてんこ盛りでした。

江城 そうですね。新しい試みをたくさんしています。というのも、昨年『大逆転裁判』を発売したじゃないですか。

—— はい。

江城 で、『大逆転裁判』も演出面が相当凝っていて、新しいチャレンジをたくさんしていましたよね。

—— 目の動きとかすごかったです。

江城 そうです。だからカメラワークも含めて、そういったものをユーザーさんはもう見ているので、そこからもう一歩進んだ驚きを提供しなきゃいけないと思ったんです。そうなると『逆転5』ベースの演出では弱い。それで演出・絵づくり面をもっと強化してくれとオーダーしました。そうしたら、エライことになって返ってきたんですが。

山﨑布施 そりゃそうなるでしょう。

一同 (笑)

クライン王国と日本の演出の違い

日本とクライン王国の法廷。背景の違いはもちろん、さまざまな演出の違いにも注目してみよう

まるで2Dのような 3D演出の新しい可能性

—— ひとつだけこの演出を見てくださいという推しポイントだったら、どこになるんでしょう?

布施 『逆転5』でやっていなかった演出面でいえば、3Dによるリアルタイムデモでしょうか。『逆転5』ではアニメを挿入していたんですけど、今回は3Dモデルのままやったほうがいい部分に関しては、そのままの3Dデモをするようにしています。モーションキャプチャーなどを使い、なるべく感情移入ができそうなニュアンスを残した演出をしたかったので挑戦してみました。これまでの『逆転』シリーズにはなかった、ゲームとデモが地続きになる演出がうまく実現できたかなと、結果的には思っているんですが、最初はとても不安でした。

—— どんなところが?

布施 これまでやっていなかったというのと、『逆転』シリーズは2D寄りの絵づくりをしているゲームですので、いきなり生々しい動きになったときに違和感が出てしまうんじゃないかなと思ったんです。でも、そこは一緒に制作してきたメンバーたちがうまく落とし込んでくれて、違和感なく、かつ今までの『逆転』にはなかった形として表現できたように思います。だからひとつだけ見てほしいとしたら、その演出が1話から最終話までふんだんに入っていますので、ぜひチェックしてもらいたいです。

江城 それはキャラクターの表情もです。レイファの顔の細かい動きをはじめ、これまでの2D演出とは違う、3Dの新しい可能性というか、3Dモデルでもここまで2Dのようなアニメーションのキャラ付けができるんですよ! というのを提示できたんじゃないかなって思います。

本当にキャラクターがよく動く。これまで見たことのなかった演出がいっぱい!

テーマは「法廷革命」 シナリオも集大成

—— 続いてシナリオの話に。今回は霊媒の話なんだと思っていたら、全部ひっくるめて集大成すぎてびっくりしました。こっちもか! って。

山﨑 そうですね(笑)。今回は企画当初の段階からナルホドくんもオドロキくんもちゃんと活躍させたいという話をしていたので、そうなるとそれぞれに話を用意しなきゃいけなくなってきますよね。で、ナルホドくんのほうは真宵ちゃんとセットで、オドロキくんは心音とセットで描くのが自然だろうと。じゃあ、それぞれに試練となるシチュエーションを与えようと思って考えていったんです。

オドロキくんのパートナーである心音。心理分析で今回もサポート。大活躍する場面も!!

—— 危機的状況からの逆転劇をダブル主人公の2人に課すシナリオにしようと。

山﨑 ナルホドくんのほうは霊媒を題材にして、全然知らない国で霊媒裁判をしなきゃいけない。オドロキくんのほうは師匠がいないところで、なんとか事務所を守らなきゃいけないという大変な状況を描くことにしました。

—— ネタバレしないように書くと、後半の少年漫画的な胸が熱くなる展開とか最高でしたね!

山﨑 あの激アツ展開!

一同 (笑)

山﨑 あれも本当にみんなでアイデアを出し合いながら書きましたからね。

—— 最初「弁護士がいない霊媒裁判」と聞いたときは、例えるなら「ドラえもん」の大長編でいうところの「ひみつ道具がない」しばりのような、ナルホドくんをピンチにさせるための設定なのかなとも思ったわけですよ。

山﨑 でも違ったと。

—— ええ。弁護士がなぜいないのか、そして検事がなぜ力を持っているのか。これって、例えば検事ドラマなどでは検事が正義として描かれるように、『逆転』の弁護士がなぜ正義であるのかというところまで踏み込んだテーマ性があるように感じました。

山﨑 おお。そう言っていただけると本当にうれしい。

江城 たしかに『逆転5』のときは「法廷崩壊」というテーマがあったわけですが、今回の『逆転6』のテーマはもっとスケールの大きい「法廷革命」ですからね。山﨑が大きな声で「今度は法廷を革命するんだっ!」って言い出してきて。

—— 「法廷を革命するんだっ!」ですか(笑)。

山﨑 ちょっとなんか語弊がある感じもしますが…まぁそうでしたね! でも「法廷崩壊」もたいがい突拍子もないテーマじゃないですか。

江城 爆発してるからな。

一同 (笑)

山﨑 そのインパクトを超えるテーマを出さないといけない。そうなったときに、いろいろアイデアを出していたんですが、なかなかしっくりこなかったんです。江城にNGを出されていくなかで、思いついたのが「革命」というキーワードでした。僕的に革命というのは、弱かったものが最終的に強いものを倒す。つまり逆転するわけなので、革命というのは大きな逆転であると捉えれば『逆転裁判』ときっと合うに違いないと。もちろん、まだシナリオとかは考える前にただテーマとして決めたものですが。

—— つまり骨組みとなった物語のコンセプトテーマを決めたわけですね。

山﨑 そうです。シナリオ全体のテーマを決めたんです。

—— ちなみにボツになったアイデアとしてはどんなテーマがあったんですか?

山﨑 えっとね、地下闘技場案とかですね。

江城 あと暗黒法廷。

布施 闇社会裁判のヤツですね。

山﨑 ナルホドくんを危機に陥れるために、闇社会の非合法裁判で戦わせようというアイデアです。法廷なのに非合法ってなんだよ! っていう。

一同 (笑)

江城 そんなダメなテーマが2、3個ありました。あの頃は、毎週山﨑が「テーマを考えました!」って見せにきてたんですが、ついに「今度は革命だ!」って言ってきたんです。

山﨑 レボリューションだ!って。

江城 それで「何を革命するの?」と聞いたら、「成歩堂が海外に行きます」と言うわけですよ。でも海外は『大逆転裁判』ですでにやっていたので「何が違うの?」と聞き返しました。そうしたら「今回は国自体の法制度が違うんです。その法制度を革命する物語なんです」と。それを聞いたときに「これはいける!」と思ったんですね。異国という点は『大逆転裁判』と同じではあったんですが、それ自体がシナリオのコンセプトになっていたのでOKを出したのを覚えています。

インガ・カルクール・クライン。クライン王国の法を支配している男

シナリオと絡み合う クライン王国の国造り

—— シナリオのテーマが決まり、そこから骨組みをつくり始めたと。ということは、「御魂の託宣」はその後からに生まれたわけですか。

江城 そうです。

布施 そもそも最初は国もクライン王国じゃなかったんです。テーマが決まった後、どういう国にしようかっていう、国造りから始めました。革命をするにはどんな国がいいのか? というところで、アジアをはじめ、たくさんの国がアイデアの候補として出ました。それこそヨーロッパという話もあったんですが、それはさすがに『大逆転裁判』と近すぎるのでやめようよとか。

—— つまり、そこから真宵が出るということで、霊媒に結びつけてクライン王国にしたということでしょうか?

布施 その頃はまだ真宵は出すけど国と結びつけるところまではいってなかった時期なんですが、結果的にはおっしゃるとおりで、真宵と霊媒という大きな要素をリンクさせることができるので海外がいいねとなり、今のアジアの西のほうという形になっていきました。

山﨑 途中段階で、南の島でシャーマンの国みたいな話もありましたね。真宵と霊媒と海外というアイデアが有機的にひとつに結びついていって、今の形になったわけです。

—— カンガエルートみたいに結びついたと。

山﨑 ええ、パリーンってつながりました。

—— ではアジアにある国をイメージしたのはなぜだったんですか?

布施 シナリオでその国は綾里家の倉院流霊媒道の総本山ということが形づくられてきたので、そこを掘り下げることにしました。倉院流霊媒道は日本の宗教をモチーフにしてつくられているので、その源流といったらやっぱり中国とかインドのほうにあるんだろうなとリンクさせていった感じです。

—— シナリオと同時に少しずつつくられていったと。

布施 まさにそうですね。シナリオと絵づくりを一緒に進めるという形です。そういったように、キャラクターの前に国造りを考えていき、その後にその国に暮らしている人たちの服装とか食べ物を考えていきました。

—— 最初からクライン王国という名前だったんですか?

山﨑 はい。やっぱり真宵と国を結びつけた以上そうなりますよね。でもまぁ、そのままクラインでいくかは議論にはなりましたが。

布施 チーム内で何十個と案を出して、結局決まったのが「クライン王国」。

江城 結局そこかい! っていう(笑)。

山﨑 もとにもどるネーミングあるあるです。

—— 言いにくいんですけど、今回のネーミングはいい意味でいろいろとヒドいですよね。

江城 とくにカタカナ名前な。

一同 (笑)

—— 今回の特集のキャラクターコーナーで、ひとりずつ由来を掘り下げていきますんでよろしくお願いしますね!

山﨑 うわー。いじられるターンが後でくる!

江城 全部山﨑が決めてるんで、突っ込んでやってください(笑)。

—— それにしても「国造り」って言葉の響きはいいですね。

布施 そうですね。少しずつ耕していきました(笑)。

江城 だから根底から国を造っています。クライン王国にいると、生活や文化がかいま見えるトークがあるじゃないですか。それは実際にクライン人はどういう暮らしをしているのか、というところまで突き詰めて考えているからできるんですよね。この国にこんな法廷があるから、こういう問題が起きているみたいな。じゃないとドラマはつくれないんで。

—— たしかに。とくに食べ物がたくさん登場する印象を受けました。

江城 食べ物ネタすごいでしょ。

山﨑 なんか期せずしてそうなりました。

—— 最初に登場するアレでみんな吹き出すんだろうなぁと思います。

一同 (笑)

いちから造られたクライン王国。あちこち調べてみると、その文化などがわかってきます

クライン王国を 掘り下げる言葉と文化

—— たくさん登場するクライン語も、最初からつくる予定だったんですか?

山﨑 「あったらいいね」ぐらいだったと思います。それがシナリオを執筆していくなかで、僕が「アッピラッケー(こんにちは)」とか「ポルクンカ(驚く)」を書いたのが始まりでした。

布施 音から決めてましたよね。

江城 どうせ語感とか響きだけなんやろ?

山﨑 違いますよ! アッピラッケーは「心を開く」っていう意味が。

江城 そうなんや! 今知った(笑)。

—— すごい! じゃ、ポルクンカは?

山﨑 ポルクンカは意味ないです。

江城 ないんかい!

一同 (笑)

山﨑 そういうのをちょこちょこシナリオに挟んでいこうとなって、そうなるとライバル検事も異国の言葉を使えたらいいよねとなりました。そこから「サトラ」という言葉が生まれたんです。

—— ということは、検事のナユタもその頃には決まっていたんですね。

山﨑 そうですね。クライン王国が決まった段階で、クライン出身の検事で日本にも出て来てほしいから国際検事でいこうと決まりました。

—— クラインの文化で言えば、クライン法廷の傍聴人たちって「断罪」とか「死刑」とか、口が悪すぎません?

山﨑 そうなんですよねぇ。

江城 (即答で)全部山﨑の仕業です。たぶんね、プロデューサーへの不満なんです。

山﨑 違いますよ! ナルホドくんをピンチにしなきゃいけないので、弁護士に対して憎しみを持ってる人たちにしなければいけなかったんです。僕もツライなと思いながら書いたんですよ! そこから革命をしていく物語ですから、最初は落とさないといけないんです。

江城 『逆転』って、これまで被告人からは絶対の信頼を得て戦うわけじゃないですか。でも今回は、「僕の無罪をお願いします」って言っている人からもヘイトを受けることになる圧倒的不利な状況ですからね。僕も初めて触ったとき、「これは新しいな」と思いました。

オールスターキャストを立てるシナリオ

—— では具体的なシナリオの話に入っていこうと思いますが、キャラクターがこれだけオールスターだと立たせるのは大変ですよね。

江城 今回はダブル主人公とはいえ、彼ら2人だけを立てればいいわけではないですからね。当然、脇を固めているキャラクターたちにもしっかりと『逆転6』としての物語の役割を与えてあげないといけない。いちばんいけないと思うのは「出せばいいんでしょ」っていうやつで。とにかくキャラをたくさん出せばユーザーさんが満足するかといえば、絶対そんなことはないと思っています。

—— みんなそれぞれ立っていたと思います。

江城 例えばなんでも事務所のメンバーで言ったら、心音のファンの方もいらっしゃるわけです。だから活躍できる場なり、なんでそこにいるのか? の意味をゲームとして用意してあげないと出す意味すらないんですよね。ユーザーさんがプレイしたときに違和感をもたせてはいけない。山﨑たちはそれをうまいことつくってくれたんじゃないかなと思っています。

—— 心音も大活躍でした。で、個人的には、ナルホドくんがちゃんとスゴウデの弁護士として描かれていることに感動しました。

山﨑 オドロキくんとの対比で描くことを意識しました。スーパー弁護士となった成歩堂龍一がより強大な敵と戦って勝っていく。そのスゴさに対して、まだ3年目のオドロキくんが頑張って成長していく。そのお互いの物語が共鳴し合っていくような話にしたかったんです。だから、ナルホドくんがすごければすごいほど、オドロキくんの成長がより描けるし、逆もしかりでオドロキくんが必死になっているのを見せれば、ナルホドくんのスゴさも惹きたつんですよ。この対比のバランスを考えながらつくった結果、今回の立ち位置になりました。

—— 『逆転』シリーズって、主人公をナルホドくんの立場で遊んでいると連戦連勝なスーパー弁護士なわけですよね。でも、現代劇で時間がちゃんと進んでいくので、いつまでも新人みたいだとしっくりこなくなってくる部分もあるわけじゃないですか。

山﨑 そうなんですよね。

—— それが今回しっかり描かれているので、ファンとしてはとてもうれしかったなぁと。

山﨑 ただまぁ、ナルホドくんもすごく強い敵と戦ってるので苦戦はするんですけどね。そこはオドロキくんから見たら、ものすごい高みのところで戦っているので「スゲー」ってなりますし、ナルホドくんから見たら「オドロキくん頑張ってるな」ってなるじゃないですか。これはいい相乗効果になったなぁと思いました。

—— で、やはりキーマンである真宵ちゃんの話も聞きたいんですが、今回28歳になりました。お姉さんの千尋さんが初代で登場したときと同じ年齢なんですよね。それってやっぱり狙ったんですか?

山﨑 (小声で)そうなんですよ…。

江城 ホンマか?

一同 (笑)

山﨑 もうバレた! 実を言うとシリーズの通例で、ナンバリングを重ねるごとに劇中では1年を経過させているんですよね。『逆転3』と『逆転4』の間が、特例で7年空いているだけで。だから今回も『逆転5』の1年後の話にしようというのは最初から決めていたんです。で、ふたを開けてみたら真宵ちゃんが28歳で。

—— 狙いじゃなかったんですね…。

山﨑 そんなにがっかりしないでくださいよー。狙ったことにすればよかった。…でもすぐバレるしな(笑)。

江城 でもそこで辻褄が合ってしまうところは、さすがだなと思いました。

『逆転5』以上に成長が描かれる主人公のひとりオドロキくん。でも、ナユタには「ド腐れ」とか「赤ピーマン」呼ばわりされるんですけどね

28歳になった真宵ちゃんは、とても出来る女性になっていて…と思ったら、そうでもなかったり。本当にみんなが待っていた姿でうれしい!

トリサマンと「逆転らしさ」

—— 新ヒーローである「トリサマン」の話を初代のトノサマンと同じ3話にもってきたのは?

山﨑 そっちは意図的です!

布施 でも最初はトリサマンはいなかったんです。

山﨑 ええ。シナリオをつくっていて、何かが足りないって思ったときに「ヒーローだ!」って。

布施 こっちからしてみたら「トリサマンって何やねん!」って話でしたが。

一同 (笑)

—— どんなふうに考えていったんですか?

布施 トリサマンというか、3話に関しては山﨑が「逆転らしさが足らない」って、ずっと悩んでいたところから始まっています。

江城 僕は山﨑にいつも言うんです。「逆転らしさ」って何やねん! って。なぜなら、マニュアルがないですから。だから、みんながそれぞれもっている「逆転らしさ」の定義を山﨑のもとに集約していくわけですよ。布施もデザイナーもアーティストも含めて話し合って、そして形にしていくんです。

—— じゃあ山﨑さん、教えてください。「逆転らしさ」って何ですか?

山﨑 これ本当に説明できない!

江城 説明できへんことをスタッフに形にさせるっていうね。

一同 (笑)

山﨑 真面目な話をすると、細かいことの集積なんですよね。テキストの語尾はこういうほうがいいよねとか、キャラクターデザインもちょっと飛び抜けた特徴をもってないと「逆転らしくないよね」とか。

—— それらがまとめられると総合的に「逆転らしさ」になっていくと。

山﨑 そうですね。

—— 布施さんもそんな感じで山﨑さんのイメージに近づけていくと?

布施 はい。でも、僕は『検事』や『逆転5』も経ているので、今はだいぶ山﨑がこういうことを考えているんだなっていうのがわかるようになりました。でも、最初は手探りだったのを覚えています。そもそも、誰しもが「『逆転裁判』って何?」というところから入るわけなので。だからもう、自分で掴むしかないんですよね。最初は人から言われても「何?」ってなっちゃうんです。もちろん『逆転』に限らず、何のタイトルでもそうだとは思うんですけど。

山﨑 とくに『逆転』は経験上、すぐ「らしくない」って言われやすいタイトルだと思うので、そのへんは難しいかもしれません。

—— そんな「逆転らしさが足りない」状況のなかで、らしさを補完できるものとして生まれたのがトリサマンだったんですね。

山﨑 シナリオ担当と話していて「ここはヒーローものだ!」みたいな。

布施 それで「ヒーローを入れるから」っていきなり言われて。この人は何を言ってるんでしょうと(笑)。

—— 名前は決まってたんですか?

山﨑 「トノサマンっぽいパクリのヤツ」って言ってました。

江城 パクリ言うな!

一同 (笑)

山﨑 違うんですよ。アジアでインスパイアされているヤツ、みたいな設定だったら面白いんじゃないかって思って。

布施 そういう「あるある!」って思える部分も、きっと「逆転らしさ」なんじゃないかっていう話になりました。そこまで決まっていたので、デザイン自体はトノサマンという出発点もあるし、すごくやりすかったです。

トリサマンのモデルになったクライン王国の伝承に登場する守り神・鳥姫さま。その鳥姫さまにまつわる事件が発生してしまう!

—— しかし、ここまで登場キャラクターも集大成だと、パッケージに載せる4人を選ぶのも大変だったんじゃないかなと思いました。

江城 キャラが全部立ってますからね。ただパッケージに関しては、ほぼ僕の独断で決めました。パッケージは商品の顔なんで、ユーザーさんが見たとき「おっ」って思うものにしなければいけない。初期からのユーザーさんに必ずささるもので、かつ『逆転5』から入ったような新しいユーザーさんにも、ナンバリングの続きだとわかるものにする必要がありました。それを考えたら、あの4人しかないだろうと。もちろん、心音やレイファをどうするかというのもあったんですけどね。

—— じゃあ迷いなく?

江城 ええ。もうこれでいこうと。

山﨑 でもあの4人以外のセレクトはないと思います。優先度でいったらしょうがない! だって4枠しかないし!

一同 (笑)

江城さんが迷いなく決めたパッケージには、ナルホドくん&オドロキくんに真宵ちゃん、そしてライバル検事のナユタが選ばれました

読者への メッセージ!

布施 今回、日本の法廷もあるので難しいさじ加減ではあったのですが、スタッフ全員でチャレンジした結果、クライン王国のビジュアル面や出てくるキャラクターがすごく楽しい国になりました。とにかくそこを楽しんでほしいなと思います。早く皆さんの反応が聞きたいですね。

山﨑 ナルホドくんとオドロキくんの物語を描きつつ、真宵ちゃんも出してみぬきちゃんもフィーチャーするなど、各キャラクターに活躍の場を用意したつもりです。どのキャラのファンの方にも楽しんでいただける内容になっていると思いますので、クライン王国と日本の物語がどういうふうに展開して集約するのか、ぜひ楽しんでください。

江城 『逆転』シリーズは今年で15周年を迎えますが、それはユーザーさんが15年間遊んでくださったからこその今なんだと思っています。今回はそういった方々に対して、開発側の答えを提示できたと思っています。それはお礼を含めての集大成感であったりしますので、かなりハードルの高いタイトルだったんですが、チームが本当に一丸となって形にすることができました。とにかく、まずは発売日に買って遊んでいただき、ユーザーさん同士であーだこーだ言って楽しんでみてください。そして、それから開発のほうにも感想を言っていただけたらと思います。よろしくお願い致します。


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