【ポケモンS・V 連載】「香川愛生のポケモン強者への道」第5回「結局最強!? カイリュー」

将棋の世界だけでなく、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の世界でもランクバトルで高みを目指す、香川愛生女流四段の不定期連載コラム「ポケモン強者(きょうしゃ)への道」
はやくも第5回! 今回は再び最強の座に返り咲いた「カイリュー」についての考察です。

第5回「結局最強!? カイリュー」

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のランクバトルが始まってはや5ヶ月。

シーズン5は50戦ほどしかできませんでしたが、なんとか勝ち越しで終われました。4月はあまりランクバトルで実戦経験を積めなかった代わりに、ポケモンに関するいろいろなサイトや記事、動画などをたくさん見て勉強したんです!

特に『Pokémon HOME』は、ランクバトルでのポケモン使用率やもちもののデータなどが細かく見られて本当に勉強になります。友達と「このポケモンのテラスタイプランキング1位は何?」みたいなクイズを出し合うなんてこともしています。

ということで、今回は今シーズン大活躍で使用率1位に返り咲いたカイリューを紹介していきたいと思います。
もともとランクバトルが始まった当初から高い採用率でしたが、一時はハバタクカミに1位の座を譲っていましたからね。

カイリューにはある理由で私も(ハッサムも)も苦しめられたので、そこも解析していこうかなと思います!

ニンテンドードリーム2023年3月号付録「パルデア図鑑」より

▼香川先生がハッサムを使う理由などは連載第1回をご覧ください

型が豊富!カイリューの強さ

カイリューはカントー地方、つまり初代『ポケットモンスター 赤・緑』からいるポケモンです。
チャンピオン・ワタルの手持ちとしても知られる元祖最強ドラゴンポケモンで、やさしくかわいらしい見た目に反してめちゃくちゃ強いポケモンです。

特徴はなんといってもとくせいの「マルチスケイル」。HPが満タンのときに受けるダメージを半分にできますので、カイリューを一撃で突破するのはかなり困難です。
唯一の弱点といえるは、4倍弱点のこおり技。これをつけばいいのでは? と思うところなんですが、もちろんそうはいきません。
そう、「テラスタル」ですよね!

テラスタルには大きく「技の威力をあげて攻撃力を高める」「相手の攻撃に強いタイプに変えて防御力を高める」の2つの目的があります。

カイリューはそもそも氷の4倍弱点があるので、何タイプのテラスタルであれ切れば4倍弱点を無くすことができますので、防御力を高めるという意味でのテラスとの相性が抜群です。
一番人気はノーマルですね。

弱点が格闘しかない優秀なタイプです。
テラスタル読みで技を繰り出す、というのはよくみる読み合いですが、もともとひこうタイプを持っているカイリューに格闘技を打ちづらく、相手側にリスクある選択を強いることができます。

『Pokémon HOME』より人気テラスタイプ

攻撃力という意味でも、ノーマルテラスは最も採用率の高い「しんそく」がタイプ一致で打てるようになるのが大きいです。

しかも「しんそく」は普通の先制技よりも早く行動できるので、パオジアンの「こおりのつぶて」や「ふいうち」、そしてハッサムの「バレットパンチ」よりも先に攻撃できるんです。

最後タイマン勝負になったら相当強いですね。

『Pokémon HOME』より人気なわざ

ここまで書きましたが、カイリューが強いのはとんでもなく型が多いところです。技の採用率を見てもらっても、全然絞れないことがわかると思います。

ですので「この型!」とは言いませんが、個人的に困っちゃう4つのポイントをご紹介します

①熱い!出させて!ほのおのうず

私のハッサムを最も苦しめたと言えるのがこの「ほのおのうず」を使う型。
(※もちろん「ほのおのパンチ」も困ります)

有利な相手に対して「ほのおのうず」で交代を不可能にしてじわじわダメージを与え、自分は「はねやすめ」をつかって体力を回復する型です。

本作から出てきた戦法で、こんな戦い方もできるのかとびっくりしましたよね。

これに「でんじは」と「エアスラッシュ」や「アイアンヘッド」を絡めて、まひ&ひるみを狙って戦う凶悪な型もあり、一度ループにハマると抜け出すのが難しいですね。
いつぞやのトゲキッスを思い出します……。

②痛い痛い!! ゴツゴツメット

「ほのおのうず」を使う型に限らず、耐久重視のカイリューは「ゴツゴツメット」を持っていることが多いですね。なんとカイリューの持ち物ランキング1位です。
殴っても殴っても「はねやすめ」されちゃうし、嫌になります(涙)。

これだけ人気なのでカイリュー同士の対面も想定されますが、相手のカイリューの「しんそく」等を受けることで相手の「マルチスケイル」を潰せるのは大きいですよね。

③忘れた頃に!? ひこうテラバースト

ノーマルテラスが最も人気ではありますが、ひこうテラスから「テラバースト」で攻撃する型も忘れてはいけません。

こちらは隙をみて「りゅうのまい」を積み、あわよくば全抜きを狙う、というのが多いでしょうか。
もともとひこうタイプを持っていますから、「テラバースト」がタイプ一致で高火力の技になりますし、「げきりん(フェアリーに無効)」「しんそく(ゴーストに無効)」「じしん(ひこうに無効)」に比べて、どのタイプにも無効にされない安定感があります。

カイリューを相手にしたとき、テラスタルを使ってきそうなタイミングでノーマルになるのかひこうになるのかで悩むことになるのはきついですよね。
ノーマルが多いとはいえ、こちらも頭に入れておく必要はあります。

ひこうテラスタル

④それだけはやめて!! アンコール

「アンコール」はその名の通り、前に出したわざを強制的に繰り返させる変化技です。「つるぎのまい」のような積み技のあとは攻撃技を繰り出したいところですが、積むタイミングでアンコールされてしまうと効果が切れるまで攻撃をすることができません。

ぶっちゃけ「アンコール」でひとつの記事が書けちゃいそうなくらい現在の環境でとても重要になっている技。「りゅうのまい」で素早くなってから、こちらの積み技などで縛ってきて、この技ひとつで詰ましてくる手段です。

もうなんでもありじゃないか……。

ということで、いくつかの技や持ち物を紹介しました。

これはほんの一部に過ぎず、もちろん「こだわりハチマキ」でボコボコにしてくるのも普通に怖いです(笑)。
どんな型かを見極められないのが今のカイリュー強さと言えますよね。

カイリューはかつてはボーマンダやガブリアスに最強ドラゴンの座を渡していたこともありましたが、現在は間違いなく最強の座を掴み取っていますよね。

私もカイリューに気をつけつつ、ハッサムを最強ポケモンの座に押し上げるために、日々ランクバトルに励んでいきます!


香川先生は、ランクバトル上位を目指す配信をゲームチャンネルで行っています。そちらもお見逃しなく!


香川愛生(かがわ・まなお)
女流四段。2008年に中学3年生でプロ入りし、2013年に初タイトル「女流王将」を獲得。
ゲームの知識も豊富で、コラム、番組MC、作品へのCV・ゲスト出演など多方面で活躍中。
ポケモンは『金・銀』からのファンで、好きなタイプははがねタイプ。大好きなハッサムとランクバトル上位を目指している。YouTubeチャンネルは登録者20万人越え。
公式Twitter香川愛生 Manao Kagawa
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