エレキコミック今立進の「ファミコン カセッ党」|第2回1984年【ファミコン40周年記念コラム】

Nintendo公式YouTubeチャンネル「ファミコントークショップ コバヤシ玩具店」にも出演中のエレキコミック、今立 進(いまだち すすむ)さんのファミコン連載コラム第2回(実質は3回目)。今回は1984年へワープ!
そもそもファミコンとは? という方はこちらへ。

▼初めての方は自己紹介を兼ねた第0回からご覧ください!

第2回やっぱりファミコンを持っていなかった1984年

どもっ、2月なのに天気が良すぎて花粉の飛散が例年より早いという悲報に、あーまた何の対策もせずに1年経ってしまったと後悔しているヘビーカフナーのイマダチです。
花粉症の皆様、どうか1人も欠けることなく、これからの2〜3か月を無事に乗り超えましょう!

さて、全国の「花粉吸い込み師」の方々に激を飛ばしたところで、今回は1984年(昭和59年)イマダチが小3(以下ダチ)の頃の話をしていきたいと思います。この年はカール・ルイスが4冠を達成した「ロサンゼルスオリンピック」が開催されました。
スポーツにそんなに興味のなかったダチでしたが(今もだけど)、開会式で空を悠々と飛びスタジアムに着地した「ロケットマン」には漠然と「アメリカすげー」と思ったのを覚えています。
またコカ・コーラを買うとロス五輪公式マスコット「イーグルサム」のヨーヨーが当たるキャンペーンがあったりして、子供たちはコーラやスプライトをがぶ飲みしていました。私も何とかヨーヨーをゲットし、なにかっちゃあ初歩の技「犬の散歩」をやってたのを覚えています。

ほかにもオーストラリアからコアラが初来日して「コアラのマーチ」が発売されたり、「わくわく動物ランド」(TBS系列で放送されてた動物クイズ番組)で観た「エリマキトカゲ」の走り方で50メートル走をする子供がバカうけだったこの頃、前年からアニメ放送が始まった「キャプテン翼」の影響で小学生にサッカーブームが到来。トラックに轢かれるけど、サッカーボールがクッションになって助かったり(「キャプ翼」第1話)、丘の上からライバルの家めがけて挑戦状と書かれたボールを蹴り込んだりする(キャプ翼第1話)小学生が続出し社会問題になりました(ブーム以外は虚言)。

小3のダチも、その影響をがっつり受け、学校のサッカークラブに入ります。しかし、ブームに乗ってるだけなのでレギュラーになれるようなセンスも、知識も、サッカー愛もなく(そこはあれ)、あえなく三軍に落ち着くことに。いつもグランドの隅で平安貴族のように「オホホホ」と笑いながらサッカー風の何かをやっていました。
そんな小3の貴重な時間を無駄に垂れ流していた夏休み。家の前のかっちゃん家に行きました。かっちゃんは私より3つ上の男子で、私とよく遊んでくれました。ある日、開け放たれた窓から聞き慣れない電子音がするので覗いてみると、テレビにゲームが映ってるじゃありませんか!

ゲームといえばLSIゲームや駄菓子屋の軒先のアーケードゲームしか見たことがなかった私にとって、自宅で本格的なゲームができるなんて「かっちゃん、駄菓子屋始めたの?」と聞くぐらいの衝撃でした。聞けばそれが、その頃人気になっていた「ファミリーコンピュータ」(以下ファミコン)だったのです。カセットは新作の『ナッツ&ミルク』(以下ナツミル)。

ナッツ&ミルク(ニンテンドー3DS バーチャルコンソールページより)

かわいらしいキャラクターが画面の中をちょこちょこ動き、ジャンプしたり、高いところから落ちたら倒れてしばらく動けなかったりする姿に爆笑し、ワクワクが止まらなかったし、家でここまでのゲームができるなんて! と、驚いたのを覚えています。
私もやらせてもらいましたが、1面からすぐ下に敵がいてどうやってもミスになり即ゲームオーバー。爆笑するかっちゃんの横で「ファミコンって、こんなに難しいのか。まだ僕が手を出しちゃダメなブツだ」……と思いましたが、後にあれはかっちゃんがエディットモード(自作の面が作れる)で作ったクリア不可能な面だったのを知ります。

そんなところも面白かった『ナツミル』。
当時は、そのロゴや見た目、ジャンプ台やロープ、ドカンの形から任天堂のゲームかと思っていましたが、これからヒット作を連発し、ファミコン人気をグイグイ牽引する「ハドソン」の第1弾ソフトにして、サードパーティとしても1発目の記念すべき作品でした。
しかも『ナツミル』の同時期には、あの名作アクションパズルゲーム『ロードランナー』も発売。ここら辺の話はハドソン社員だった高橋名人の話がめちゃくちゃ面白いのでネットで探して読んでください。

そしてハドソンの後を追うようにゲームセンターでヒットを飛ばしていた「ナムコ」も参戦!
9月に『ギャラクシアン』、11月に『パックマン』『ゼビウス』『マッピー』と立て続けに発売し、その移植度の高さからファミコンは一気にゲーマーからも一目置かれる存在になったと思います(中学生だったかっちゃんのお兄ちゃんも『ゼビウス』やってたし)。

ゼビウス(ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online)

1983年のファミコン発売初年度は9本だったソフトも、この年は倍の20本に増え、しかも任天堂は周辺機器として専用の銃で画面を撃てる「光線銃シリーズ ガン」を発売したり、簡単なゲームプログラムが組める「ファミリーベーシック」も発売してるんですから、「ファミコンはこんなこともできるんだぜ!」という勢いと熱意を感じさせてくれますよね。

光線銃シリーズ ガン任天堂サイトより)
ファミリーベーシック任天堂サイトより)

そんな熱意を当時のダチは感じられず、というかこの年もファミコンを持っていないので、周辺機器云々とか言えるわけないんです。
この頃、ファミコンは人気で、そもそも売り切れていて買えないという現象が全国で多発。そのため、しかたなく他社のハードを買ったり、もしくは親がファミコンと間違えて購入したりして、少し変わったゲーム遍歴をたどる子供も多かったと思います(それはそれで良し)。
1984年もファミコンを買えていないダチ。「おまえ、一体いつになったら買うんだよ!?」
この年に発売された「カラムーチョ」の辛さに悶絶してる場合じゃないぞ!

次回はとうとうあの怪物ソフトが発売され、ファミコンの盛り上がりは社会現象になっていきます。
はたしてイマダチ家にファミコンは降臨するのか?
さて、どうなることやら、続きはBACK TO THE Next Year。


今立 進(いまだち すすむ)
お笑いコンビ「エレキコミック」のツッコミ担当。
毎週土曜日25時、TBSラジオ「エレ片のケツビ!」、Nintendo公式YouTubeチャンネル「ファミコントークショップ コバヤシ玩具店」ほか、多数出演中。
ニンテンドードリーム本誌にて「イマダチススムのダウンロー堂」を連載中。▶︎ニンテンドードリーム刊行案内

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※画像は任天堂のサイトより引用しています。

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