【プレイレビュー】『ファイアーエムブレム 万紫千紅』各主人公ごとのドラマ展開と圧倒的ボリュームに驚愕
各主人公の物語をどこから楽しむ? 『ファイアーエムブレム 万紫千紅』を発売前にプレイすることができたので、今回は序盤インプレッションを中心に気になる展開をピックアップするとともに、たっぷり遊んだ所感も含めてお届けします!
※物語やキャラクターにより深く踏み込んだ内容は、 [▶︎もっと見る]をタップすることで中身を見ることができます
目次
救世主・イシュマールとなる幕開け
2026年9月17日発売のNintendo Switch 2タイトル『ファイアーエムブレム 万紫千紅』。選んだ主人公によって異なる物語をたどりながら、大剣闘祭で優勝を目指す…と発表されていた本作ですが、真の主人公と目的が明らかになりました。
本作の舞台は、魔神バロールの復活により滅びゆく世界。プレイヤーは「救世主(デフォルト名:イシュマール)」となり、過去に干渉して4人の戦士を導きます。
プレイヤーは、自分が何者かはっきりわからないままダグシオンへと向かうことになります。コウカやトロイアといった頼もしい味方も現れ、目が離せません。
荒廃した様子と驚異的な敵、そしてこれまでのシリーズから考えるとなんとも異質な環境から始まり、驚かされるばかりです。
少しだけお見せするので、気になる方は下記を開いてみてください。
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コウカのいた拠点が冥府軍の攻撃を受け、イシュマールたちの戦いが幕を開けます。
「いったい何(のゲーム)を遊ばされているのだ!?!?」そんな困惑の声も(笑)。これまでのシリーズを遊んできたプレイヤーほど、ヤラレタ!感のある幕開けとなるのではないでしょうか。
ところで冒頭でフォトナから「虫という存在について」質問されるシーンがあるのですが、どういうことかと思えば、登場する虫の見た目が変更になる配慮でした!(いつでも切り替えられます)
ゲームの基本情報はこちらの記事もご覧ください。
方尖塔から4人の戦士を導く
すでに発表されている通り、4人の戦士たちから誰か1人の物語を選ぶというよりも、それぞれの過去(因果)に介入し、仲間として集わせることになります。カイ、ディートリヒ、セオドラ、レダの4人は、それぞれが主人公として大剣闘祭にエントリーし、クラン(チーム)を率いて優勝を目指します。
4人の主人公は、戦闘では「ブレイズアーツ」という特別な技を扱うことができるほか、戦力の強化を図る「自由行動期間」でも、各々の特徴が反映された独自の行動をとることができます。
各主人公の基本ゲームサイクル
ダグザ帝国の首都ダグシオンで開かれる大剣闘祭は、半年以上にわたって開催されます。各章のメインクエスト(大剣闘祭での試合や、物語に関わる大きな戦い)が始まるまでの期間は、拠点となるダグシオンとダグザ大陸を自由に行き来して、仲間たちを強化することができます。
拠点/ワールドマップ
拠点のダグシオンでは、訓練場や武具屋といった施設を利用したり、新しい仲間をスカウトすることができます。
そしてダグシオンの外に出るとワールドマップが広がり、目的地への移動のほか素材収集(野菜や魚、鉱石を獲得)、ダンジョンの探索、他の街での買い物などができます。
「ターン」を消費して移動するので、限られた時間の中で戦力をうまく強化していく必要があります。
また、カイであれば騎乗動物の捕獲、レダであれば街での「興行」など、主人公によって異なる行動もあります。
各主人公の序盤インプレッション
今回は、各主人公の5章までの範囲でまとめ、ネタバレになりすぎないようお届けします。
自分がどの主人公から始めるかなど、ぜひ想像を膨らませながらお読みください。
なお、それぞれの物語を開始後、しばらく進めると(プレイ時間にして1.5〜2時間程度)「方尖塔の間」に戻ることができるようになり、他の主人公の物語を並行で進めることができます。なので、全員の序盤の物語を楽しんでからどの主人公を進めるか決めることができそうです。ただし最終的なお勧めのプレイスタイルを記事の最後に書いておいたので、ぜひあわせてお読みください。

カイ篇:少年と家族の物語
最年少の主人公、カイ。クランは「リベイラの風」。少年少女の冒険物語! と思って始めてみたら、さまざまな秘密が隠されていました。
母親が大事にしていたペンダントが賊に盗まれ、取り戻そうとするとその宝石がカイの手に埋まってしまった。なにやら怪しい人物が手を引いている模様。また、父・カストールにも帝都ダグシオンに向かわなければいけない事情があって…。それらをきっかけに、カイは父および友達とともに村を出て、ダグシオンへ旅立ちます。
ワールドマップでは、野生の馬などをおびき寄せて「捕獲」し、厩舎で飼育できるようになります。名前をつけたり、好みの餌をあげたり。


捕獲のほかにも「栽培」や「人助け」など、心優しいカイと友人たちの和気藹々感を楽しめます。
王道の展開となるカイ篇は、初回プレイとしてお勧め。
父親が死刑囚として獄中におり緊迫した状況ではあるのですが、カイの前向きさはまわりを元気にし、とりまく空気は重いものではありません。とくに「ファイアーエムブレム」シリーズにあまり馴染みのない人は、明るめの雰囲気でRPG的な物語が展開するカイ篇が入りやすいと思います。
しかも、物おじせず突き進むカイはさまざまな人物と交流があり、なかなか気に入られたりもするようです。気になる方は「もっと見る」を開いてご覧ください。
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女王に対し気さくに「姉ちゃん」と呼んだり、身分の高そうな人物や強靭な相手にも頼み事をしたり。これは大物の予感!?
田舎育ちの少年ですが、序盤から主人公の格を見せつけてくれるかのようです。
ワールドマップは行動範囲に制限がありますが、目的を見失わなくて済むのも遊びやすいポイントかと思います。
ディートリヒ篇:強さこそ悦楽
『ファイアーエムブレム 風花雪月』の舞台・フォドラから流れ着いた剣士。クランは「ラミーヌ一家」。初めてのダグザを異邦人の視点から楽しむことができるので、共感をおぼえました。
彼の目的は「強敵と仕合いたい」。強い奴と戦えるほうが我が道、フハハ…という感じで、行動原理はすべてそこに集約。戦いの悦楽を求めてダグザ中を回遊する、異邦人ならではの自由な旅が始まります。
序盤から仲間たちが頼もしいのですが、ディートリヒの強さは別格。英雄の遺産とも呼ばれる「魔剣アンスウェラー」を持ち、必殺の一撃が出やすい戦技「血閃」が使えるほか、戦闘の度に必殺のステータスが上昇していくスキルも持っています。戦場に1人で放り込んでおける安心感。そのうえブレイズアーツで+3歩進めるなんて、反則的な強さ!
なお「刃鳴り」でワールドマップ上の敵を探せるため、遭遇戦でレベルを上げるのが好きな人にお勧めとも言いたいところですが、1人目に選んだところやりたいことが多すぎてそこまでの余裕がありませんでした。戦技の継承などユニット強化要素もあるので、総合的に玄人好みのルートになるのではないでしょうか。
(もちろん物語を進めるぶんには強化なしでじゅうぶん強いので、初心者も安心です)
また、アガルタ関連にも踏み込んでいくなど、『ファイアーエムブレム 風花雪月』を遊んだ人ならいっそう興味深い要素が含まれています。以下、物語のシーンの一部をお見せしますので気になる方はご覧ください。
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セイロス教の宣教師・ファビオ。どう見ても怪しいですが、ディートリヒにとってはさまざまなハプニングと出会えて面白いようです。美しいもの好きのファビオにとってもまた、ディートリヒの言動に呆れながらも、興味深い対象のようで…。
なんだか凸凹コンビのディートリヒとファビオですが、2人が互いを知っていく過程や、寄せ集めの“ラミーヌ一家”が育む絆にも目が離せません。
セオドラ篇:国の悲願に命を懸ける
“鉄の女”の異名を持つセオドラ。クランは「メガエラの灯火」。見た目のいかつい女王ということで、いわゆる主人公像とは対照的な性格の人物かと思っていましたが、そのイメージは覆りました。
弟の謀で父王が殺され、信頼できる者を頼りながら力を得て、臣下とともに帝都へ向かう。
帝都の人々からは蔑まれている民族が、だんだんと周囲に受け入れられながら、自分たちの誇りを懸けて戦います。その姿こそ、まさに王道の主人公!?
右腕に宿る力に精神を蝕まれたり、刺客や情勢問題に頭を悩ませたりと、苦悩も多いのですが、そこに立ち向かう姿に胸を打たれます。
重いものを背負ういっぽう、臣下の2人(もしかして赤・緑コンビ?)とのコントのような会話は時に愉快。
「お嬢!」と呼ばれる姿が王であることを忘れてしまいそうですが、トビヤスとボナパルテのセオドラに対する忠義は絶大。見ていて温かい気持ちになる3人組です。
「軍」や「国」に関わるシステムもセオドラの特徴。たとえば「軍団兵」を募り、「計略」を用いることができるのはセオドラ篇のみです。軍団兵は騎兵以外の仲間ユニットにも配備でき、能力アップのほかさまざまな「計略」で戦略の幅が広がります。一見難しそうですが、うまく使えば有利に動き、よくわからないままでも進めるバランス。
ほかにも「派兵」で素材を集めたり、国に物資を送ったり。さまざまな点で、王様ならではの醍醐味がありそうです。
サラミス王国とダグザ帝国には複雑な歴史があり、物語にも深く関わっています。セオドラには立場上さまざまな人物との因縁や、交渉ごとも。少しだけピックアップしているので、気になる方は下記をご覧ください。
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いっぽう、ボナパルテが気にしているのはお世継ぎ問題。個人的には、お嬢の婿探しの行方も気になるところ!
レダ篇:大人の苛烈な復讐劇
ビウエラ奏者のレダ。クランは「薔薇の嵐」。一見華やかで目を引きますが、かなり重いシーンから幕開けとなります。
幼少期、目の前で父親が殺され、そこに浮かべた表情は悲しみやショックよりも、強い強い憎しみでした。成長した彼女の生きる道は、“マードル文書”に記された人物たちを自分の手で殺すこと。
復讐、それは自分の命よりも大事なことだとレダは言います。仲間もちょっと引くような復讐の鬼として成長し、思わず子供の目を塞ぐような展開はディートリヒ篇より血が飛びます。たぶん。
仇討ちのため帝都ダグシオンを目指すなかで、さまざまな人物と出会ったり、(一方的な)ライバルとの再会も。
灯篭の色を変えて数を競う、リバーシのようなルールが展開する一風変わったマップには驚きました。
また、他の3人の主人公をある程度進めても絡みのなかった人物が登場するなど、より新鮮な気持ちで進めることができました。気になる方は以下をご覧ください。
マードル文書をめぐるミステリー的な展開や、レダの友情の行方など、復讐劇を軸としながらも気になる物語が繰り広げられそうです。

そんなレダのブレイズアーツはバフ系。仲間も少なくマップも狭い序盤では、レダ自身が前線で戦えるので、その本領発揮はまだ先になりそう。
各主人公の物語がリンク
ダグシオンにやってくるタイミングも、参戦のための受け付けも、最初にスカウトできる仲間も、主人公ごとにバラバラ。
そんななかで、共通のムービーや共闘する場面もあり、各主人公ごとの物語がリンクする瞬間もたまりません。それぞれの物語からつなぎあわせると、「そういうことだったのか!」とか「このタイミングでこんなことをしてたんだな」ということがわかり、まるで群像劇を見ているように楽しめます。同じサブキャラクターや謎に対しても、主人公ごとに把握している情報が異なるので、なんだかパズルのようです。
どんな遊び方になる?
プレイヤーごとにいろんな遊び方になりそうな本作。正直、50時間近く遊んでも終わりがまったく見えてきません!
お互いの主人公でできたことを編集部内で共有すると、「そんなシステム知らない!」とか「そっちではスカウトできるの?」といった要素がどんどん飛び出すことに驚きです。ネタバレに注意が必要なものの、「あのキャラはそっちも出てきた?」など、お互いに見たものをうっすら共有して楽しめる場面もありました。
そこからさらにおのおのがプレイを進め、現在は「順番にプレイし2人目の主人公をクリア」「4人の主人公の序盤を全部見たうえで、1人目はクリア、ほか2人を並行で進めている」「100時間超えたけどまだエンディングが見られていない」といった具合です。
それぞれの物語を並行で進めると周回の恩恵が受けられなくなってしまうので、1人ずつ進めるのがお勧めといえそうです。今のところ、1人目にカイやセオドラ、その顛末を見守ってからディートリヒやレダを進めると、物語の軸を理解しつつ周囲で起きていたことを探れそうでいいなと思いました。
セーブデータの扱いも変わっていて、「現代=方尖塔の間」と「因果への介入=各主人公の進行度(各章ごとのステータス)」といったものがひとつのセーブデータとしてオートで記録されます。

取り返しのつかない要素を見逃したら章を遡ってやり直したり、強化し直したりすることができるのかなと思います。
・・・
今回は、主に序盤インプレッションをメインにお届けしましたが、ここまでに主人公が合計5人いるので思いがけないボリュームとなりました。ほかにも見所や気になるポイントはまだまだあります。
ですが序盤ではブレイズアーツなど戦闘にかかわる要素は活用しきれず、ワールドマップでできることやダグシオンの施設の利用、スカウト、育成もまだまだこれからといったところです。
ただ言えることは、とにかく「ボリュームがすごい」、そして「ついやってしまう!」。
ふだんゲームを長時間遊ばないスタッフが1日10時間やりこんでしまったり、シリーズに慣れておらず『風花雪月』も未プレイのスタッフが難なく進めることができたりと、引きの強さを実感しました。まさしく“やり始めたら眠れない”、とんでもない1本です。
今回お伝えできなかったその先のレビューも、引き続きお届けできればと思います。
<製品情報>

発売日:2026年9月17日(木)
価格:パッケージ版:9,980円(税込)
ダウンロード版:8,980円(税込)
対応ハード:Nintendo Switch 2
▶︎公式サイト
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