【インタビュー】 システム、デザイン、サウンドすべてを訊きました!『スプラトゥーン レイダース』

いちばん楽しく遊べるこだわり抜かれた「難易度」
—— 今回、難易度についてはすごく気を配られている印象でした。歯ごたえはあるけど、ストレスなく遊べるのでついつい夢中でプレイしてしまいます。
伊藤 まさに、そこはかなり気を使って 設計したところです。まず、開発の序盤から中盤のあいだにゲームの全体を遊べるようにして、なるべくチーム全員で何周も、何周も遊んでもらうようにしました。具体的な難易度の調整については、たとえば「ガジェットの強さ」を横軸としてそろえて、「プレイヤーがどれくらい成長するか」、「敵がどういうペースで強くなっていくか」という縦軸の部分を僕が担当していました。ここに関してはもう、何回も何回も遊んで調整するしかないので、ひたすらお客様目線で遊び続けました。
—— ダンジョンの数など、全体的なボリュームは最初に決めていたのですか?
伊藤 ある程度は最初のうちに決めていたのですが、結果的にさらにいくつか追加してもらったり、プレイが中だるみしないようにダンジョンの並び順を調整してもらったりはしましたね。
井上 開発では、 全体を通して遊ぶことができるのがプロジェクトの終盤になってしまうことも多かったりするんですけど、今回は比較的早い段階で 主要な部分を通してテストプレイする時間を多く取ることができました。
—— バランス調整に関しては、いつもよりさらに時間をかけることができたわけですね。
伊藤 かなり時間はかけましたね。今回、難易度が3段階あるのですが、いちばん上の「サバイバー」は、「サーモンラン」の担当者として僕自身もいちばん楽しく、ひたすら遊べる難易度として定義して、調整しました。
—— 「いちばん楽しく遊べる難易度」に調整するため、気を配られたのはどのような部分でしょうか。
伊藤 「負けたとき、失敗したときに、ちゃんと納得感がある」という点ですね。もうちょっとうまく動いていれば、もう少しだけ育てていればクリアできたはず……というように、成長に対する意欲が湧き続けることが大事だと思っているので、難しすぎず簡単すぎないポイントを狙って調整していきました。
—— レイダー、トラベラーの難易度でも楽しく遊べますしね。
伊藤 トラベラーに関しては初心者の方にプレイしていただき、そのフィードバックをもらいながら調整を行いました。
—— 難易度設定を取り入れたことで、より幅広い層向けの「スプラトゥーン」になった印象です。
伊藤 そうですね。シリーズの歴史が長くなってきて、プレイヤーのアクションスキルの差がついてしまっているタイトルではあると思うので、そこの差をなるべく感じさせないものにしたかったですね。ジャイロを使う操作も、「スーパーマリオ」シリーズなどと比べれば難しいものですし。
—— 今後、ブキやガジェットのバランス調整の予定はあるのでしょうか?
井上 『スプラトゥーン レイダース』はバランス調整やコンテンツの追加を行いながら遊びを変化させていくのではなく、最初にお届けした内容で完結した体験を楽しんでいただくことを目指して開発していました。なので、現時点ではゲームバランスに関わるアップデートや、ダウンロードコンテンツなどを配信する予定はありません。もちろん、致命的な不具合が見つかった場合などは対応していく予定です。
通信プレイが苦手な人にこそ遊んでほしいマルチプレイ
—— 今回、シリーズの中でもオンラインでのマルチプレイがとても気軽に遊べるようになっていると感じます。
伊藤 今作のいちばん大事にしていたポイントは、「『スプラトゥーン』に興味はあるけど、通信プレイに抵抗がある」と思っている方に、しっかり100%の体験を届けられるゲームにしたいという想いがありました。大前提として、基本的にシングルプレイだけで100%楽しめるものにしよう、という方針でした。そのため、「マルチプレイのほうがクリアしやすい」「マルチプレイのほうが素材や報酬を稼げるから有利」というような風潮にあまりならないようにしよう、というのをかなり意識して作っています。
—— 意図的に差を作らないようにしているんですね。
伊藤 シングルプレイとマルチプレイのどちらをするにしても、それはあくまでプレイヤーが「楽しみかたを選択している」のであって、「有利なプレイを選択しているわけではない」という思想で設計していきました。「シングルプレイで遊んでいると損しているね」と周りから言われないようにしたかったんです。
—— オンラインならではの特典はヘルプボーナスくらいですよね。ウェアも簡単にもらえますし。
伊藤 そうですね。マルチはマルチで、やっぱり遊ぶとすごく楽しいものではあるので、気軽に遊べるようにしつつ、少し触ってみたいと思えるきっかけは用意しています。
—— ヘルプだと自動的に匿名になるのも、そういう配慮なのかなと感じました。
伊藤 はい。そこも気軽に遊ぶために重要視したところです。あとはレベルの差があっても、ちゃんと遊べるというのもポイントかなと。経験者の人が、まったく遊んだことない人といっしょにマルチを遊ぶケースもけっこうあるのではと思っていたので、レベルの差がかなり離れていても、レベルの高い人だけが活躍するようなことがないように調整しました。
—— ひとりでプレイするのが好きな人も、気が向いたら気楽にマルチプレイを遊んでみてほしいと。
伊藤 そうですね。あくまで楽しみ方のひとつとして遊んでもらえれば、という思いで作りました。
シリーズ初めてでも『レイダース』なら大丈夫!!
—— それでは最後に、読者さんへメッセージをお願いいたします。
伊藤 『レイダース』は「スプラトゥーン」には興味があったけど、ちょっと通信プレイには抵抗があるという人にも手に取っていただけるゲームを目指して作りました。今遊んでくださっているお客様からも、「スプラトゥーン」は初めてだったけど楽しめたというお声をいただきまして、ある程度その目標は達成できたのかなと考えています。これからも、シリーズを遊んだことがない人のための入り口になっていってくれるといいですね。経験者の方も、未経験者の方に「まずは『レイダース』から遊んでみたらどう?」と言っていただければうれしいなと思います。
園山 すりみ連合という、個性的なキャラクターたちといっしょに冒険するという体験自体がすごくおもしろいものになっていると思うので、ぜひ楽しんでいただければ。アドベンチャーファイルという読み物コンテンツもしっかり数をそろえて作っていまして、「スプラトゥーン」の世界が好きな方にとってもじゅうぶん楽しめるものになりました。ぜひ、コンプリートして味わっていただければと。
田村 サウンド目線では、「触っていて楽しい」という部分にすごく注力して作らせていただいていますので、とにかく触って、気持ちよくなっていただけるとうれしいです。あと今回は、先ほども申し上げましたが、ムービーシーンのクオリティがサウンドに限らず、ビジュアルのほうも良いものになったというのが自分自身の実感としてはあります。ぜひプレイヤーのみなさんも、ムービーシーンにも改めて注目していただいて、すりみ連合との距離をより縮めていただければいいなと思います。
井上 今作は「スプラトゥーン」ならではの手触りを残しながらも、すこし別の形の遊びになるよう挑戦してみました。初めてのスピンオフにしては挑戦的だったのですが、多くの方に楽しんでいただけて、とてもうれしく感じています。 『レイダース』を発表したのは約1年前でしたけど、そこから『3』のほうもプレイされている方が増えていまして、相乗効果も感じています。これからも、「スプラトゥーン」ならではの手触りは大切に守りながらも、新しい挑戦はどんどん進めていこうかなと考えています。『レイダース』は本作からシリーズに触れる方にもお楽しみいただける内容になっていますので、ぜひ遊んでみていただければと思います!

<関連リンク>
▶︎スプラトゥーン レイダース公式サイト
<製品概要>

発売日:2026年7月23日(木)
価格:パッケージ版:7,480円(税込)/ダウンロード版:6,480円(税込)
対応ハード:Nintendo Switch 2
CERO:全年齢
▶︎マイニンテンドーストア
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