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【インタビュー】 システム、デザイン、サウンドすべてを訊きました!『スプラトゥーン レイダース』

すりみ連合のセリフ、ボイスのこだわり

園山 カットシーンではメカニックと顔が近づいていたりしますが、心の距離もちょっとずつ近づいているんですよね。「すりみ連合チャカポコ遭難記」で描かれた1か月間も含めてメカニックとの距離が深まって、最後はひとつのチームとしてまとまる、熱い展開になったかなと思います。

井上 毎日更新される「Nintendo Today!」という媒体と、実際の時間でも発売の30日前から更新するという形式もすごく相性がよかったかなと思います。

「すりみ連合チャカポコ遭難記」は、スマートフォンアプリ『Nintendo Today!』で、約1か月にわたり連載されていた4コマ漫画。『レイダース』発売日の前日まで1日1本、遭難した彼らがどのように暮らしていたのかが描かれていました

伊藤 あと、すりみ連合との会話ではテキストの担当者がすごくこだわっていて、シリーズのファンの方には「おっ」と気づいていただけるような要素がいくつも織り込まれているんですね。『3』発売の前夜祭で行われた“じゃんけん”のフェスの内容ですとか。

伊藤 けっこういろんなネタがあるんですけど、初めて遊ぶお客様も置いてけぼりにならないように、かなり意識して会話が作られています。元ネタを知らなくても楽しく読めるし、知っていればさらに深く楽しめるように、というふうになっています。

田村 すりみ連合の作曲におけるテーマ性は過去作『3』のころからありまして、キャラクターのイメージを考えたときに、フウカは神秘的で、ウツホは燃え盛る火の印象もあって少しおどろおどろしい感じ。マンタローはちょっと抜けたような、コミカルな感じをテーマにしていました。曲はそのイメージを参考に作曲者に構想を練ってもらい、ボスを倒したあとの舞踏シーンも、それぞれのイメージから積み上げていきました。

田村 今回、すりみ連合とプレイヤーの距離が近くてプッシュしやすい部分でもあったので、ボイスのほうもより一層力を入れて取り組んでいます。『3』よりもさらに表情を豊かにしたかったので、僕自身も演者さんにディレクションしつつ、すべてのボイスを再収録して差し替えました。

田村 はい。たとえば、調査メカといっしょにダンジョンにいるとき「ナイス!」を送ると反応してくれたりするんですけど、そういうときの「うれしい感じ」が伝わるように工夫しています。ムービーシーンのひとつひとつのセリフの声色の抑揚なども、かなり力を入れて演じていただきました。

田村 ゲームプレイ中の一部の箇所では、既存の声を組み合わせているんですけど、ムービーシーンのボイスは全部、専用で収録しています。いわゆる「イカ語」という独自の言語です。

伊藤 イカ語で書かれた台本を見るとおもしろいんですよね。音だけが書かれているので、これだけだと意味はよくわからないんですけど(笑)。

田村 そうですね。「ここはこういう言い方をしたほうが、テンションの抑揚がつきやすい」というようなことも含めて、けっこう細かめにディレクションを行いました。

万能すぎ!? メカニックのキャラクター性

園山 メカニックのキャラクターの大きな方向性としては、やはり「プレイヤーの分身である」というところはかなり強いので、あまり性格付けや発言、なにかを発信するということは基本的にはしないようにしています。ただ、そうした方針の中でも、ガジェットを開発したり、メカを修理できたりといった、いろいろな特徴を組み合わせていくと「こういう人物像になるよね」というのはありました。クラスにいるとしたら、ワイワイしている元気な人たちとはちょっと違うけれど、教室の隅っこで自分の好きなものをコツコツずっと作っていて、自分の世界で楽しんでいる、みたいな。

園山 そういう人物像は、ちゃんと想定して描いていたりしますね。

園山 「なんでもできちゃう」の中で言うと、アジト船の上や、次の行き先を選ぶマップで流れる音楽なども、実はメカニックが作曲したという設定があったりします。Nintendo Musicで聴ける曲のジャケットにもクレジットに「メカニック」と載っているんですよ。

園山 実は、いちばん遭難生活を楽しんでいたのはメカニックかもしれませんね(笑)。ミニゲームも作ってくれますし。

田村 何ならギターも弾けちゃう設定なので、メカニックが作った曲はノリの良いギターサウンドでまとまっています。

田村 今回、ダンジョンの曲はシャケらしさを出すためにちょっとおどろおどろしい感じだったりするんですけど、アジト船の曲はしっかり対比させて、メリハリをつけようと注力しました。そのため、かなり明るく、前向きに冒険をしにいくぞというイメージの曲にしています。

園山 ダンジョンに着くまではすごく陽気な音楽なんですよね。

井上 もともと、サーモンランもアルバイトで……という感じなので、たぶんメカニックも同じような感じでバイトしていたんだと思います。

井上 バンカラ街の人って、けっこうノリでやりそうな気もしますけど(笑)。

ウズシオ諸島はなぜ渦巻いているのか?

伊藤 もともと考えていた構想では、すりみ連合といっしょにオタカラを掘りに行って、金イクラでドリルにエネルギーを溜めて穴を掘っていくというゲームだったんです。『レイダース』も開発の中盤ぐらいまでは、ドリルの場所まで金イクラを運んで自分で納品するというルールでした。

伊藤 サーモンランの遊びをちゃんと継承しようという形で考えていたんですけど、チームメンバーのおかげで、「ガジェットを使いまくる」という遊び自体がちゃんと楽しいものになったという手ごたえがありました。そこで、金イクラを運ぶ要素がなくなってもおもしろいんじゃないか、むしろないほうがガジェットの遊びに集中できるんじゃないか、という話になったんです。金イクラがなくなって、その代わりにデカイクラが出るようになった形ですね。調査メカのドリルというモチーフは初期からそのまま残りました。

園山 今回はあらゆるところ、あらゆるものに渦を入れていますね。

伊藤 あと渦は英語でスピンですけど、今回は「スプラトゥーン」のスピンオフ、というのもありまして(笑)。

井上 企画のスタート時点から「スピンオフだからスピンで渦なんです」みたいなことは言っていましたね(笑)。

伊藤 ドリルで掘っていく遊びと、スピンオフの言葉遊びもあって、今回は「渦」推しでいきましょうと。

伊藤 はい。地下遺跡のダンジョンがいちばん最初の出発点ですね。

園山 デザイナーとしてはドリルの回転、螺旋の方向にもちゃんとこだわっていて、すべて右ねじ(時計回りに回すと締まるねじ)の方向に統一しています。ここがバラバラだとコンセプトが分かれてしまうので、成果物が上がったらまず、回転方向をチェックしていましたね。

園山 ウズシオ諸島も右回りに進んでいって、最後は中心部から下層に向かっていく……というのも、右ねじと同じなんです。

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